ひとり税理士に依頼するメリットデメリットとは?【税理士選びのコツ】
ひとり税理士とは、文字どおり「ひとりで事務所を運営している税理士さんのこと」です。
最近の税理士事務所は昔とは経営スタイル自体が変化しています。
その変化とは、昭和のイケイケドンドンの拡大路線とは180°違う運営方法で、自分にあった働き方を重視し、少数精鋭で、限られた顧問先にサービスを提供する税理士が増えたことです。
私の提携の税理士さんでも、ひとりで運営しているひとり税理士の方もいます。
今回はひとり税理士と付き合うメリットデメリットについてお話ししていきます。
税理士選びの参考にしていただければうれしいです。
ひとり税理士に任せる3つのメリット
ひとり税理士に任せる3つのメリットは以下になります。
・担当者に任せるという概念がない
・信頼を築きやすい
・専門分野にハマれば力を発揮してもらえる
それではひとつずつ見ていきましょう。
担当者に任せることがない
ひとり税理士は、人を雇用していないため、担当者に任せるという概念がありません。
つまり、御社を担当するのは、誰でもなく、【その税理士さん】ということになります。
税理士に任せるので、スキルにブレがなく税理士事務所、特有の担当者問題に頭を悩ます必要がなくなります。
【担当者問題とはどういうものか?】
●担当者がすぐやめて、コロコロ変わる
●資格がなくスキルがない
●未経験の人がつき、何もアドバイスをもらえない
●決裁権がなく【所長に確認します】のワンクッションがある
→判断してもらうのに時間がかかる
よくあるのが、このような問題です。
ある程度、人を抱えた税理士事務所に任せれば、所長税理士自ら、担当することは少なくなります。そのため、担当者をひとり付けて、サービス提供を行います。
しかし税理士事務所はベテラン、新人スタッフが混ざって構成されており、スキルもバラバラです。
そのため、顧問料の大小で担当者が変わることは珍しいことではありません。
ひとり税理士はその点、所長税理士に任せられる安心感があります。
信頼を築きやすい
ひとり税理士の場合、経営者との距離が近く、信頼を築きやすいことがあります。
ひとり税理士は、顧問先をたくさん持てません。30件も40件も毎月訪問のお客さんを持っていたら、キャパオーバーです。
そのため、ひとりひとりの顧問先に対して、しっかりサポートするというスタンスでいます。
1年間を通して発生する税金の仕事以外にも、その業界に詳しければ、特有のアドバイス、積極的な情報提供など。
税理士によっては、経営を支えてくれるパートナーのような立ち位置になることもできます。
会社を大きくしていけば、顧問料にも跳ね返りますので、税理士側にとってもメリットがあるのです。
共存共栄でうまくいく可能性が高くなります。
専門分野にハマれば力を発揮してもらえる
ひとり税理士は、一般的な税金計算以外にも、何か一つ強みを打ち出しています。
その税理士特有の強みです。
例えば
●飲食店に強い!美容院に強い!など業種に特化していたり。
●相続に特化しているから相続の申告なら任せて!
●税務調査に強いから税務調査は負けなし。
●ITに強いので、クラウド会計の導入支援ができる。など
ひとり税理士の強みにうまくハマれば、専門性の高いサービスが可能になります。
他の税理士では知らないような、知識があったり、アドバイスができたり。
コンビニのような、なんでもありますというスタンスより
専門店のような、その分野にはめっぽう強いというスタンスがひとり税理士の特徴でもあります。
ここまでひとり税理士のメリット3つをみていきました。
次にひとり税理士のデメリットをみていきましょう。
ひとり税理士に任せる4つのデメリット
ひとり税理士に任せる4つのデメリットは以下になります。
・記帳代行はほとんど受けない
・効率的なコミュニケーションを求める
・自分に合ったお客さんを選ぶ
・引き継ぎがいない不安がある
それでは見ていきましょう。
記帳代行はほとんど受けない
ひとり税理士ほど、事務作業に時間をかけられません。
特に、記帳代行や給与計算は、税理士の仕事の中でも、時間がかかるけど、お金にならない仕事の一つです。
もちろん積極的に記帳代行の仕事を獲得しているひとり税理士もいますが、ほとんどのひとり税理士はその仕事自体受けることができません。
開業して間もない会社は、できる限り、経理作業に時間をかけずに、税理士に記帳代行をお願いしたい方も多いと思います。
ひとり税理士は、仕事の住み分けがきっちりしているため、会社で行なってもらう作業を明確にしています。
この辺りの仕事の按分は、面談時にしっかり確認しておく必要があります。
希望を伝えずに、曖昧になってしまうことで、その税理士に違和感を感じ、信頼関係を築く上で、邪魔になります。
効率的なコミュニケーションを求める
ひとり税理士の中には極端に電話を嫌う人もいます。
電話は時間を取られるし、なるべく効率的に仕事をしたいと考えるからです。
また効率的な仕事を求める上で、以下のようにツールを限定することもあります。
●インストール会計→クラウド会計にして、内容を共有
●直接会って打ち合わせ→顔を合わせずにzoomなどのビデオ会議
●電話→メール、Line、チャットワーク
今は便利なコミュニケーションツールが充実しています。
ひとり税理士もそのようなツールを使うことで、時間効率を上げています。
そのためなんでも電話で済ませたい年配の人は合いません。
ひとり税理士側からしてみればそのような社長もお断りかもしれませんが。
自分に合ったお客さんを選ぶ
ひとり税理士ほどお客さんを選びがちです。
これは、税理士全般に言えることがですが、ひとり税理士ほど、【社長との相性】や【コミュニケーション】と【信頼関係の構築】がもっとも重要と考えているからです。
資料の提供が遅かったり、妙に秘密主義で教えて欲しいことを教えてくれなかったり、レスポンスが遅かったり、なんとなく相性が合わなかったり、コミュニケーション能力に疑問を感じたり。
違和感を感じれば、ストレスになり、資料提供が遅ければ、仕事が止まってしまうのです。
ひとり税理士に限ったことではありませんが、税理士側から解約されるか、初回面談でお断りされるケースも珍しくありません。
引き継ぎがいない不安がある
ひとり税理士と会社は共存共栄で、その税理士さんしか頼る方がいません。
つまり、万が一のことが起きた時に、会社側にも支障が出てきます。
税理士が病気で入院する
交通事故で骨折する
不慮の事故がある
予期せぬアクシデントがあったとき、引き継ぐ人がいないことが最大のデメリットかもしれません。
税理士も自己管理に努めていると思いますが、【急な対応を迫られたとき、どうする?】を常に考えておかなければなりません。
【まとめ】ひとり税理士の良し悪しを加味して、税理士選びを間違いないようにする
今回はひとり税理士のメリットデメリットについてお話ししました。
【ひとり税理士のメリット】
・担当者に任せるという概念がない
・信頼を築きやすい
・専門分野にハマれば力を発揮してもらえる
【ひとり税理士のデメリット】
・記帳代行はほとんど受けない
・効率的なコミュニケーションを求める
・自分に合ったお客さんを選ぶ
・引き継ぎがいない不安がある
もちろん、それぞれの規模に応じた税理士事務所の特徴がありますが、税理士選びは、
それぞれの税理士の良し悪しを加味して、間違えないようにしたいものです。
という疑問を持つ方もいると思います。
もちろん規模だけの話ではありませんが、会社様、それぞれに合う税理士は異なります。
タックスボイスでは、税理士選びに困っている方に、条件や相性のあう税理士を紹介していますので、ぜひ話を聞いてみたいという社長さまは、下記より、お問い合わせください。