【開業】介護事業の立ち上げに資金はどれくらい必要?費用の内訳は?
訪問介護をやりたいけど、開業資金はざっくりどれくらい必要になるのかな?
今回はこの疑問に答えていきたいと思います。
今回は訪問介護の事業をされている経営者にお話しをうかがい、記事としてまとめたものです。
その方は、都内で従業員20名ほどで運営されており、数年前に事業をスタートさせました。
今回お話しする初期費用の内訳も実際かかったものなので、ご参考にいただけると思います。
今回お話しする記事のまとめです。
●小規模な訪問介護ビジネスで、初期費用は300万以上
●半年は持ち出し。ランニングコストを考えれば600万〜800万以上は必要
訪問介護は利用者の家を訪問して、介護サービスを提供するものです。
訪問介護はデイサービスと違い、設備が整った施設【箱】は必要なく、マンションの1室でも開業ができます。
もちろん、施設は必要がなくても、物件に取得するときの費用や備品などがかかってきます。なにがいくらくらい必要になるのでしょうか。
【内訳公開】訪問介護の開業資金はどれくらい必要?
必要なコスト一つ一つを見ていきましょう。
【人件費】55万以上
人材採用にかかるコストですが、求人広告に掲載する費用で、合計550,000円ほどかかったとのことです。
訪問介護をスタートするには、責任者やヘルパーさんの人数が基準に満たしていなければ、申請ができません。
申請にあたっては、オープンする【2ヶ月前の末日】までに人員の報告をしなければならないというルールがあります。
それまでに人材を確保しておく必要がありますので、オープン前に人件費の持ち出しが発生します。
また訪問介護サービスをスタートして、介護保険の利用料の入金があるのは、2ヶ月後です。
つまり、オープン前研修→オープン→入金2ヶ月後
この数ヶ月のスパンを乗り切らなければなりません。
最初は、利用者も少なく、徐々にストック式に増えていくモデルのため、初期で多くの人件費が必要になります。
【物件契約に関する費用】80万以上(家賃10万の場合)
訪問介護を開業するにあたり、事務所を設ける必要があります。
もちろん事務所の間取りや設備基準を満たす必要がありますので、指定基準については確認が必要です。
物件費用に関する費用の内訳です。
敷金(保証金) 216,000
礼金 108,000
仲介手数料 108,000
保険 30,000
賃料×3ヶ月 324,000
合計786,000円
社長は家賃10万円で事務所を借りています。
物件にかかるコストをなるべく抑えたい人は、マンションの1室で行う事業者もいますが、人材採用を考えて、人通りの多いところに出店したいと考える方もいるとのことです。
※確かに働いてくれる人は、マンションの1室だと不安を抱く方もいて、採用においてはきちんとした費用を掛けたほうがいいという見方もできます。
もちろんですが、事業用で借りれば、敷金は家賃の【3〜6ヶ月分】くらいは見ておくことです。
物件によっても変わってきますが、いい立地や、家賃が相場より安ければ、敷金が多い傾向にあります。
礼金は家賃の【1ヶ月〜2ヶ月】ほどです。
敷金は退去後、ある程度戻ってくるお金で、礼金は戻らないお金です。
事業用であれば、退去後、原状回復をする必要があります。
つまり元の借りる前の状態に戻さなければならないため、原状回復工事を敷金から差し引くという流れになります。
敷金は全額戻らないので、注意が必要です。
【備品購入代】160万以上
もちろん初期費用の中には備品購入費用もかかってきます。
備品リストの一覧です。
鍵付き車庫
PC
プリンターFAX複合機
固定電話
パーテーション
テーブル
デスク
椅子
ホワイトボード
ユニフォーム
電機付き自転車
シュレッダー
冷蔵庫、電子レンジ
文房具
看板 シール
その他
おおよそ合計1,600,000円ほどかかったとのことです。
これらの他に、
通信費や名刺作成や従業員などの保険費用などの雑費も入ってきます。
初期投資はランニングコストも加えれば【600万〜800万以上】かかる計算になる
今回はあくまで一例のため、場所や規模感にも初期費用は変わってきます。
人件費、物件の取得費、備品代などを合わせると全部で300万ほどかかりますが、
軌道に乗るまで、半年以上かかることを加味すれば、初期でかかるお金の2〜2,5倍は考えておいたほうが良さそうです。
訪問介護ビジネスは、もちろん比較的初期費用が抑えられる事業ですが、開業にあたっては、認知されるまで、収益が読めないことが多いといいます。
初期投資にあたっては、自己資金以外に資金調達をする方も多いと思います。
介護事業の資金調達について知りたい方は下の記事が参考になると思います。
【訪問介護事業】をスタートするには法人格にする必要がある!
訪問介護事業をスタートする際、個人事業主ではできません。
介護報酬を請求するためには、法人で介護事業者の許可を受ける必要があります。
つまり売り上げ規模に関わらず、スタート段階で、法人格になります。
株式会社や合同会社でも、【法人形態】は一緒ですが、設立費用が違ってきます。
初期費用をそれほどかけたくない人は、株式会社より、合同会社がオススメです。
ざっくり株式会社にかかる初期費用と合同会社の料金です。
【合同会社 設立にかかる費用】
●登録免許税 6万円
【株式会社 設立にかかる費用】
●登録免許税 15万円
●定款認証手数料 5.2万円
上記が法定費用として、絶対かかる費用です。
こちらに司法書士の手数料代行料がありますが圧倒的に合同会社のほうが安くすみます。
もっと詳しい法人格の記事はこちら!
法人格に至っては、個人事業主よりも、むずかしい決算申告が発生します。
資金調達の絡みも出てくるので、介護事業をスタートされる方は、税理士との顧問契約をすることでアドバイスを受けられることをオススメします。