介護事業に強い税理士とは?【税理士選びのコツ】
超高齢化社会に突入し、新しく介護関連の事業を立ち上げる方が増加しています。
初めての事業として介護事業を選ばれる方もいれば、不動産業や飲食業など他の事業をメインに行っていて、事業拡大をするため、介護事業の立ち上げを考える方も多くいます。
今回は近年話題の介護事業にフォーカスし、介護事業に強い税理士とは?についてお話ししたいと思います。
介護事業に強い税理士とは?
介護特有の会計に慣れている(経験がある)
介護事業の税務面の最大の特徴は「消費税」にあります。
通常は売り上げが1000万を超えると、課税対象者になり、一定の消費税を支払うことになりますが、介護保険収入は【課税収入】ではなく【非課税収入】になります。
売り上げが1000万を超えても、課税売上げが1000万を超えない限りは、消費税を支払わなくて良いことになります。
その為、課税売上げに当てはまるか、非課税売上げに当てはまるかきちんと分けて判断する必要があります。
税理士側がこれを分かっていない場合、会計処理を間違えてしまい、払わなくてもいい税金を払うことになってしまいます。
また介護事業は一般会計と違い、細かく区分経理をする必要があります。
厚生労働省の規定に「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(運営基準)があります。
(会計の区分)
第三十八条 指定訪問介護事業者は、指定訪問介護事業所ごとに経理を区分するとともに、指定訪問介護の事業の会計とその他の事業の会計を区分しなければならない。
上記のようにあります。
運営基準を満たすには介護サービス別、もしくは施設、事業拠点ごとに会計を分けて処理をしなければならないというものです。
区分けをきちんとしていない場合、運営基準を満たしていないと判断され、指導対象になってしまいます。
一部分ですが、介護会計に精通している税理士に顧問を頼むことは介護事業を運営するかたにとって必須と言えます。
他士業とのネットワークがある
介護業界に強い税理士は他士業とのネットワークがあります。
介護事業をはじめる際、法人の設立から許認可の申請を代行してもらう際には、行政書士、司法書士の協力が必要です。
いざ人を雇う際も社会保険の手続き関係、助成金の申請を代行する際は社労士に任せなければなりません。
そのため、事業主から当然要望が出てくる士業のつながりは必ずあります。
税務以外のことでも事業者によりいいサービスを受けてもらいたいと考えているからです。
それぞれ自分で士業を探してもいいと思いますが、いい税理士さんにはいい士業が集まりやすいことがあります。
そのため介護関係に強い税理士を見つけることができれば、一度にいい士業たちに出会う事ができます。
資金調達に強い
スタート時点では開業資金を確保しなければなりません。
家賃、人件費、設備費、事業が回るまでの運転資金など何かと経費がかかります。
税理士側で日本政策金融公庫のつながりがある、その他銀行に事業者を紹介したことがあるなど、金融機関のパイプがあることは重要です。
その税理士が事業計画書を作成したり、その他に資金調達までのサポートをしてくれれば、介護事業をスタートする時点で、かなり力になってくれます。
経営革新等支援機関から認定を受けている
経営革新等支援機関から認定を受けている税理士だとベストです。
経営革新等支援機関とは、事業者が安心して経営相談などを受けられるために、専門知識や、実務経験が一定レベル以上の人に対し、国が認定する公的な支援機関のことです。
介護事業は補助金申請や資金調達、事業計画が大切になってきます。
経営革新等支援機関から認定された税理士だと、より専門性の高いアドバイスがもらえます。
税理士を決めるときの一つの判断材料にしてもいいと思います。
【まとめ】スタート段階から税理士選びを間違えてはいけない
スタート段階で税理士選びを間違えると、階段の一段目からつまずいてしまいます。
最初の一段目でつまずいてしまえば、次の階段を登る際もスムーズにいかず、その税理士とストレスを抱えながら付き合っていなければなりません。
介護事業を運営する際の基準や会計処理を税理士が知らなければ、事業者も知らずに間違った処理をし、知らず知らずのうちに運営違反をしてしまうことになります。
最初の段階で介護事業に強い税理士と付き合うことは全ての意味で自分を守ることにつながるのです。