介護事業(ビジネス)を開業するまでの10のステップとは?
訪問介護ビジネスを考えているけどどんなステップを踏めばいいのかわからない。
今回は介護ビジネスの疑問にお答えしていきます。
今回は訪問介護ビジネスをされている経営者に話しをうかがい、記事としてまとめたものです。
その方は、都内で従業員20名ほどで訪問介護をされており、数年前に事業をスタートさせました。
今回お話しする「開業のステップ」も実体験が基本なので、ご参考にいただけると思います。
記事のまとめです。
●訪問介護ビジネスの開業は10個のステップに分かれている。
1意思決定
2資格取得
3エリア選定
4人材確保
5立地選定
6内外装、備品購入
7資金調達
8指定申請
9あいさつ回り
10開業
それでは順を追って見ていきましょう。
訪問介護ビジネスを開業するまでの10のステップとは?
【訪問介護事業ステップ】①意思決定
まず訪問介護事業を開業するにあたり、
「どういう業態で開業するのか?」を決める必要があります。
介護事業一つとってみても様々な業態が存在しますし、
在宅の介護保険サービスでも以下のような種類があります。
訪問介護
訪問入浴介護
訪問看護
訪問リハビリ
デイサービス
通所リハビリ など
介護事業で「どの方向性で行くか?」を決めることからスタートします。
●自ら現場に立って、仕事をするのか?
●フランチャイズで本部から派遣されたマネージャーに任せて現場にタッチしないのか?
この2つをとってもみても、事業主の関与度合いが変わってきます。
「意思決定」によって事業計画もそれに応じて変化するため、このステップから始まります。
【訪問介護事業ステップ】②資格取得
介護事業においては、「資格がなければ相手にしてもらえないこと」もあります。
開業するにあたって、必要な資格が当然あります。
サービス提供責任者は介護福祉士などの資格も必要で、有資格者がいることで介護報酬の加算がえられることもあるので、種類によって確認しておく必要があります。
【訪問介護事業ステップ】③エリア選定
エリア選定においては3つのポイントがあります。
1集客の視点
2人材採用の視点
3自宅との距離感
この3つです。
1集客の視点
集客の視点で言えば、「どの地域で行えば利用者が多く見込めるか?」
「同じサービスを提供している事業所がどれくらいあるか?」
これはエリア選びにおいて大きく影響してきます。
2人材採用の視点
介護ビジネスは「労働集約型」のビジネスです。
そのため、質のいい人材をどれだけ獲得できるか?
これが事業の拡大にも直結しています。
人材採用が厳しい現在で、「人の集まりやすい地域」や「通いやすいエリアなど」定めて選定していく考えがあります。
3自宅との距離
事業主が住んでいる「自宅」との距離からエリアを選定するという考えもあります。
事業主が率先して現場に立つのであれば、近い地域の方が自転車や車ですぐ通えるなどメリットがあります。
【訪問介護事業ステップ】④人材確保
次に人材確保です。ポイントは2つです。
1人材要件の確認
2人材採用
1人材要件の確認
介護事業を行うにあたり、気をつけておきたいポイントの一つに、「人員配置基準」というのがあります。
人員配置基準とは、介護事業をする上で、資格を持った責任者やヘルパーさんを
常時どれくらいの人数、揃えておかなければならないか定める基準です。
2人材採用
介護スタッフの人脈があればいいですが、ない方は「タウンワーク」や「アイデム」など介護系の求人広告に頼って、人集めをしなければなりません。
有資格者はどの事業所でも求められており、人材不足が続いていますので、早めの対策を打つことが必要になります。
【訪問介護事業ステップ】⑤立地選定
立地選定では以下の2つがポイントになります。
1駅からの距離
2視認性
1駅からの距離
駅から近いところに事業所を設ければ、家賃は郊外よりも当然高くなり、駅から離れれば、安くなります。
最初の初期投資の兼ね合いもありますが、安くおさえたい人は駅から離れたマンションの1室で開業される方もいるようです。
2視認性
マンションの1室であれば、家賃は安く済みますが、目につきやすい看板があったり、従業員の安心を重視して、目で見てわかりやすい位置に出店をすることも必要です。
【訪問介護事業ステップ】⑥内外装・備品購入
次に内外装と備品購入です。ポイントは3つあります。
1設備要件の確認
2ソフト導入の必要性
3コスト
1設備要件の確認
介護事業では間取りの決まりがあったり、事業とプライベート空間を分けて確保する必要があったりと、設備の要件があります。
これにより備品の購入で何が必要なのかが明確になってきます。
2ソフト導入の必要性
介護業界はまだ昔ながらの体質が残っており、「アナログ業界」と言われています。
報告書などもFAXのやりとりがメインですが、ソフトを導入してヘルパーさんからの報告を電子化することによって、時間コストを積極的に削減している事業主も多いとのことです。
3コスト
内外装と備品はどれだけのコストがかかるのか?
これ初期費用にも関わってきますので、きっちり確認しておく必要が出てきます。
【訪問介護事業ステップ】⑦資金調達
訪問介護事業をスタートするにあたり、1番オススメの資金調達方法は、日本政策金融機関での「新制度融資制度」の借り入れです。
新制度融資に関してはこちらの記事に詳しくお話ししています。
【訪問介護事業ステップ】⑧指定申請
指定申請のポイントは2つあります。
1指定申請前研修(オープン3ヶ月前の末日までに申し込み)
2指定申請(オープン2ヶ月前の末日までに申請)
指定申請はオープンの2ヶ月前までに、内装の写真、人員の報告などが申請に際して必要になります。
つまり2ヶ月前から「人件費」が発生することを確認しておきます。
持ち出しのランニングコストも初期投資の中に組み込む必要がでてきます。
【訪問介護事業ステップ】⑨挨拶回り
開業する前にケアマネージャーに「開業の挨拶回り」をする必要があります。
一般の会社の営業活動とは違い、介護保険サービスはケアマネージャーより利用者を紹介してもらう流れになります。
つまりケアマネージャーに対して営業活動をしなければなりません。
ケアマネージャーがいるところはどこか?
居宅介護事業所や地域包括支援センターなどです。
利用者の増加を見込む為にも、必要な活動になります。
そして最後、開業という手順になります。
介護事業をスタートする上で、介護に強い専門家(税理士・社労士)が必要になる
今回は介護事業を始める事業主に特化してお話しをしました。
今回の記事を参考にしながら、ぼんやりしていた事業のイメージを明確にしていただければ嬉しいです。
介護事業のスタートにおいては、「資金調達」や「指定申請」などはじめての事が絡んできます。
税理士や行政書士、または社労士の力を借りる必要も出てくると思います。
介護業界に強い税理士や行政書士、社労士と付き合うことで運営までのスピードを無駄なく速くスタートすることができます。
事業主の方で、税理士社労士などを探している方は、ぜひご相談ください。