【税理士もオススメのセーフティ共済とは?】加入するメリット・注意点は?
今回は、最大240万まで全額損金にし、節税メリットがあるセーフティ共済(倒産防止共済)についてお話ししたいと思います。
セーフティ共済は、税理士の多くがおすすめする節税対策の一つです。
それはセーフティ共済にはメリットが多くあり、デメリットと呼べるものがほとんどないからです。(私もセーフティ共済を行なっています)
しかし加入する上では注意点もありますので、今回はこちらのセーフティ共済のメリット、注意点についてお話しします。
【はじめに】セーフティ共済(倒産防止共済)とは?
まずセーフティ共済とはなんのことでしょう。
簡単に言えば、セーフティ共済は、取引先の倒産リスクから守ってくれる制度です。
起業をすれば、こんなリスクが考えられます。
△取引先が急に倒産してしまった
△メインの取引先の資金繰りの悪化が続き、未入金が続いている
△売掛金が増えている
特に、大きい取引先に依存しがちな中小企業では、「取引先の倒産、資金繰り悪化」はとても深刻な問題ですし、なかなか予想ができないものです。
未入金の売掛金の回収もままならなくなれば、御社の資金繰りも一気に悪くなってしまいます。
この取引先の倒産リスクに対して、一役買うのが、セーフティ共済です。
取引先が倒産した場合は、掛金総額の10倍までの融資を受けることができます(最大8000万円)
ちなみに無担保、無保証、無利子で、です。
セーフティ共済に加入をすることで、不測の事態が起きた時に、共済金の資金の貸付を受けられるというものなのです。
これはメリットの中でもお話ししますが、経営危機を乗り越えるための助けになってくれる制度のため、多くの中小企業が加入しています。
セーフティ共済(倒産防止共済)のメリット
セーフティ共済のメリットはどんなメリットがあるのでしょうか。
下にポイントをまとめておきます。
〜セーフティ共済メリット〜
●掛け金が全額経費にできる
●解約すれば、全額戻ってくる
●期末に一括払込みができる(年払いができる)
●資金調達ができる
それでは一つ一つみていきましょう。
【セーフティ共済メリット①】掛け金が全額経費にできる
これが、セーフティ共済が節税対策に有効と言われる理由です。
払い込んだ掛け金は全額が必要経費にすることができます。
月額は5000円〜20万円の範囲で、5000円きざみで自由に設定することができます。
つまり支払い能力に応じて、自分で選択することができるのです。
掛け金の増減は、月ごとに変更することができるため、自由度が高いと言えます。
詳しくはこちらをごらんください。
最低5000円なので、毎月のキャッシュフローに悪影響を与えることが考えにくいといえます。
【セーフティ共済メリット②】解約すれば、全額戻ってくる
セーフティ共済を解約すれば、全額掛金が戻ってきます。
これは解約手当金と呼ばれるものです。
しかしここで注意が必要なのは、40ヶ月以上加入していなければ、100%掛け金が戻ってきません。
1年2年などの短期解約は、元本割れのリスクがあるので、確認が必要です。
下の表をごらんください。
1か月~11か月 | 0% |
---|---|
12か月~23か月 | 80% |
24か月~29か月 | 85% |
30か月~35か月 | 90% |
36か月~39か月 | 95% |
40か月以上 | 100% |
これは任意解約した時に戻ってくる解約手当金の率です。
40ヶ月未満(3年半ほど)でも80%以上と払い戻し率は高く設定されていますが、元本割れは避けたいので、40ヶ月以上は確実に加入しておくことをおすすめします。
【セーフティ共済メリット③】期末に一括払込みができる(年払いができる)
セーフティ共済ですが、実は一括払いをすることができます。
●今期は利益が出すぎてしまったので、キャッシュが余っている
●今期に何とか節税したい
こういう会社は、期末に掛け金の年払いを選択して、一括で納めることで、まとめて経費にすることができます。
つまり毎年期末にならないと、どれくらい利益が出るか読めないという会社は、年払いにすることで、期末にいっきに税金を減らすことができるということです。
最大240万(月20万円の掛け金の場合)の全額経費はかなり大きいと言えます。
【セーフティ共済メリット④】資金調達ができる
取引先が倒産していなくても共済金以外にお金を借りられる制度があります。
年利0.9%という低い利率で、無担保無保証で借りられることができます。
1年以内に返す必要があります。
あくまで臨時という意味合いなので、早めに設定されています。
1年以内に返せなかった場合は、年14.6%の違約金が課せられます。
また借り入れをしてから、1年後から5ヶ月経っても返済がない場合は、支払っている掛金から貸付金+利息+違約金が差し引かれますので、ここは注意が必要です。
30万円以上の借り入れが条件で、解約手当金の95%を上限として貸し付けを受けることができます。
以上4つがセーフティ共済の主なメリットです。
次にセーフティ共済についての注意点についてあげていきたいと思います。
セーフティ共済の注意点
ポイントは下にあげておきます。
〜セーフティ共済の注意点〜
●掛け金の上限は800万円まで
●資金が寝てしまう
●短期での解約はかなり損
●資産運用ではない
何度か述べていますが、確認の意味でお伝えします。
【セーフティ共済の注意点①】掛け金の上限は800万まで!
掛け金の総額は、800万までと決まっています。
毎月20万円(年間240万)を全額経費にしている場合は、3年と少しですぐに上限に達してしまうため、大きく利益が出ている会社は、少し物足りなさを感じることもあるかもしれません。
【セーフティ共済の注意点②】資金が寝てしまう!
銀行のATMと違い、掛け金の中から「決まったお金を引き出す」ということができません。
払った掛け金がロックされてしまうので、少し自由度は限られてきます。
1年2年で解約すると、元本割れしてしまいますし、急に投資の必要が出てきた場合、資金をすぐに引き出すことができないのも、セーフティ共済の注意点と言えます。
【セーフティ共済の注意点③】短期での解約はかなり損!
すでに述べたところではありますが、40ヶ月以上加入していなければ、100%掛け金が戻ってきませんので、注意が必要です。
1年2年の短期解約は、かなり損です。
【セーフティ共済の注意点④】解約すると雑収入になる!
解約すると、掛け金がそのまま雑収入の扱いなります。
つまり解約をした年度に掛け金が返ってくればそのまま利益になり、そのぶんだけ税金がかかってしまいます。
こういう見方をする人もいるかと思います。
そのためセーフティ共済を解約するタイミングが重要です。
●退職金を出すとき
●大きい設備投資をするとき
●大きな赤字が出るとき
つまり解約した時に出る収入を、相殺できるように大きく経費がかかる時に解約するのがベストです。
【セーフティ共済の注意点⑤】資産運用ではない!
小規模企業共済と違って、掛け金を運用して増えたりすることはありません。
減ることもありませんが、資金を投入して運用益を狙いたいという人向けではないため、ここも注意が必要です。
【まとめ】セーフティ共済などきちんと節税対策を考えてくれる税理士を顧問にする
以上がセーフティ共済についてまとめてみました。
メリットの確認です。
〜セーフティ共済メリット〜
●掛け金が全額経費にできる
●解約すれば、全額戻ってくる
●期末に一括払込みができる(年払いができる)
●資金調達ができる
次に注意点です。
〜セーフティ共済の注意点〜
●掛け金の上限は800万円まで
●資金が寝てしまう
●短期での解約はかなり損
●資産運用ではない
以上になります。
今回お話したセーフティ共済は、節税対策の一つです。
これはメリットが大きいため、当たり前に顧問税理士から提案をしてもらう必要があります。
しかし税理士の中には、節税対策を提案をしてくれない税理士がいることも事実です。
セーフティ共済は年間240万円の全額経費ができるため、逆にセーフティ共済のような節税を提案してくれない税理士と付き合うことはデメリットしかありません。
●今付き合っている税理士が節税対策をしてくれない
●積極的になってくれない
このような不満がありましたらぜひご相談ください。