【ひとり社長】たった一人でも法人として活動することのメリット!
今回は事業をスタートしたばかりの方が個人事業主ではなく、法人として活動するメリットを中心に書いていきたいと思います。
法人としての信用は依然として強い!
例えば何かの集まりに出席した時、あなたが【個人】としての名刺を渡すか、【法人の役員】としての名刺を渡すか、で相手の反応が違うという体験をすることがあると思います。
あなたのビジネスの内容が同じだとしても、です。
多くの人はそれほどに肩書やステータスを、根拠なく評価するものなのです。
「そんなことで自分を判断されたくない」という抵抗はもちろんあることでしょう。
しかし、法人としてのほうがモノやサービスが売れるとすれば、このフィルターは外す必要があるのです。
目的がビジネスで結果を出すことであるなら、より効率がよい選択をすることが、たとえ自身のポリシーに反していても正しいケースがあります。
法人からの信用も変わる!
法人は法人との取引を好むケースが多いです。
「正式に国に登記されている事業者であるという信用」
「法人同士の取引が多いという信用」
こうしたことを重視します。
故に、法人にしか提供しない製品やサービスがあり、個人よりも法人であることが、扱える商材のバリエーションを広げることのできる手段でもあるのです。
また、同じ商材であるにも関わらず、個人と法人で報酬が区別されていたりもします。
法人にする事で得られる2つのメリット
①法人しか取引しない会社もある!
法人しかできない取引は実際存在します。
建設関係に多いですが、会社のルールで「法人しか取引を行わない」とルールとして決めている企業も珍しくありません。
その手軽さから個人事業主からスタートしたはいいけど、相手が土俵に乗ってくれなければそもそも仕事を獲得する上ではデメリットになってしまうのです。
②法人に有利な融資もある!
金融機関は売り上げ、利益、キャッシュフロー、資産、現預金、経営者の資質など様々な事柄を審査してお金を貸します。
しかしその中でも、より重要視しているのが、その人の事業に対する「本気度」です。
仮に新しく事業をスタートする際の融資を実行する場合は、なおさらその人の信用と本気度を見ていきます。
「法人として事業をしている」ことは少なくとも、個人事業主に比べて、本気度は伺えます。
もちろん個人事業主であっても、事業の発展が見込めて、将来有望だと思えば、融資は受けられますが、「個人か法人か」比べた時には信用度と本気度がまるで違ってきます。
一つの要素に過ぎませんが、頭に置いておいて損はありません。
ひとり会社を設立する3つのデメリット
逆にひとりで会社を設立する上でのデメリットはあるのでしょうか。
デメリットは3つです。
会社設立の費用がかかる!
税理士の料金が高くなる!
社会保険の強制加入がある!
①会社設立費用がかかる!
会社を設立するには、必ず費用がかかります。
かかる費用としては以下のものが挙げられます。
●定款認証代・印紙代
●登録免許税
●登記簿謄本代、印鑑証明書代
●行政書士、司法書士に支払う代行費
以上の費用がかかります。
行政書士に任せる料金や司法書士に任せる料金は代行費のため、多少金額の大小はありますが、その他の項目は実費の為、必ず発生する経費になります。
この費用はざっと見積もって30万円ほど見ておく事をお勧めします。
結構な金額と感じる方も多いと思いますが、法人を設立する際の一つの壁であり、本気度を測る指標です。
「30万が高いし、無駄な出費にしか思えないので、やめておこう。」
「売り上げが低いし、メリットに感じないからやめておこう。」
法人設立費用は一種の「フィルター」になっています。
それほど個人事業主と違って、法人は手間と費用がかかるものです。
②税理士費用が多くかかる!
税理士費用も個人に比べて多くかかります。
法人の申告書は個人事業主の確定申告に比べてかなり手間になります。
その分手間代として税理士コストも高くなってしまうのです。
個人の確定申告は申告のみで5万円〜がほとんどでしたが、法人はその倍以上はかかってきます。
売り上げによって変わってきますが、法人決算のみで10万円〜
顧問契約を頼めば月1万〜みておいた方がいいでしょう。
〜税理士費用〜
●個人の確定申告代行→年間5万円〜
●法人の顧問料→月1万〜(決算申告のみでも10万〜)
社会保険加入が強制になる!
会社を設立すると、社会保険に加入することが義務づけられます。
こんな声が聞こえてきそうですが、会社を起業したら、社長一人でも社会保険に加入しなければなりません。
個人事業主から開業された方は、国民健康保険に加入していた人も多いと思います。
健康保険法第3条と厚生年金保険法第9条に「適用事業所に使用される者」はそれぞれ「被保険者」である旨が規定されているためです。
この「使用される者」は従業員でなく会社の社長であっても、会社から報酬を受けているので、当てはまってしまうのです。
【まとめ】法人設立は一つの手段
長く生きていれば多くの人、多くの局面と出会います。
故に、常に同じスタンスで生きることは難しいのではないでしょうか。
その時その時で必要なことを選択する、今回でいえば法人も持っておくということが、ビジネスで結果を出す手段の一つであることは、知っておいて損はないかもしれません。