【税理士変更】税理士事務所の担当者はなぜスキルが低いのか?
税理士事務所の担当者のスキルがないという問題
顧問税理士の不満の一つに「担当者のスキルがない」という相談があります。
ある程度、人数を抱えている税理士事務所で、担当制にしていれば「担当者のスキル問題」はどの会社でも起こりうる事です。
ひとりで運営している税理士は、とてもわかりやすいです。
それは「その税理士」が担当するからです。
しかし100件、200件と顧問先を持っている税理士事務所さんは、所長自ら担当しないケースが多いのです。
なぜそうなるのか?
それは重要な時に備えて所長は「手を空けていなければならない」のです。
重要な時とは、例えば税務調査や急なトラブルの対処などです。
顧問先が多くなるにつれて、税務調査の数が増えていきます。もちろん、顧問先で起こりうるトラブルや急な対処に迫られる事も多くなるでしょう。
その為、事務所が大きくなると、日々の会計業務は担当者に任せなければならないのです。
「所長とは昔ながらの付き合いだからな」
「一緒に二人三脚で大きくなってきたから、所長以外は考えられないよ」
長年顧問をお願いしてきて、所長自ら担当するケースは稀に見受けられます。
しかし長年、所長に任せていたけど、突然来月から「手一杯だから、担当者に任せる事にしました」と、突然担当者と付き合う事になるケースも十分ありえます。
なんで担当者にスキルがないと言われてしまうの?
それは税理士業界全体に言えることがありますが、大きい原因は3つあります。
それは以下です。
①深刻な人材不足
②昔ながらの税理士事務所で意欲的でない
③離職率が激しい
税理士事務所は、深刻な人材不足!
1つ目は深刻な人材不足です。
税理士事務所では、今なかなか人材が獲れないのです。
特に中小零細の税理士事務所です。
優秀な人材が獲れないため、そのまま顧問先のサービスに反映されてしまっている事実があります。
大手の会計事務所は莫大な採用コストを使って人材の獲得に乗り出しています。
人材紹介会社に支払う紹介料は、年収の30%が平均と言われています。
つまり年収400万円の人を一人雇えば、120万がコストとして伸し掛かってきます。
人数と年収の高い優秀な人を雇えば、それだけコストが大きくなることになります。
●人材紹介会社に支払う紹介料は人材の年収の30%ほど!
●優秀で年収の高い人ほど、コストが高くなる!
また優秀な人材は、自らのキャリアアップを図るため、業界でも名が知れた大手の会計事務所に行きやすいという事実もあります。
大手の会計事務所はもしかすると、零細の税理士事務所が扱っていないような、きらびやかな案件や、名が知れているような有名な大企業を担当できるかも知れない、という理由もあるのです。
中小零細の税理士事務所に優秀な人材が回ってこない理由は、ここにあります。
「税理士になりたい!」「会計事務所で働きたい!」と思う若者が年々減っている中、零細税理士は、未経験者や簿記3級など、一般的な人材しか雇うしかなく、そのような人材を担当につけざるを得ないという状況なのです。
昔ながらの税理士事務所は意欲的でないところがある!
昔ながらの税理士事務所だと、担当者が「意欲的ではない」という事があります。
担当者も新しいスキルを吸収しなくても、「顧問先が離れない」という思いから顧問先に最新の情報をフィードバック出来ないことがよくあります。
担当者のスキルがないと言われてしまう原因はここにもあります。
そもそも同じお客さんしか扱っていない為、勉強をしておらず、スキルが足りていないことがあります。
お互いに緊張感がなく、馴れ合いの関係になってしまうのです。
いわば「なーなーの関係」になってしまうことはよくあります。
会社側もとりわけ可もなく不可もなくという感じなので、税理士事務所としても「こんな感じでいいか」という考え方になってしまうのです。
税理士業界が離職率の激しい業界!
3つめは税理士業界が離職率の激しい業界だからです。
つまり長年この業界にいても、一つの事務所に定着している時間が短い為、スキルが身についてこない。
例えば業界に20年近くいるけれど、初歩的な会計もわからない人がいるという事実もあります。
しかし税理士事務所側もスキルがない人材を「試しに雇ってみるしかできない」のです。
事務所も頭数を揃えなければ、運営が回っていかないですし、それこそ、顧問先さんに迷惑をかけしまうからです。
業務を回す為には、このような人材でも獲得しなければならない現状があります。
その担当者に当たってしまった顧問先さんは「この人大丈夫か?」と不信感を感じてしまうのです。
税理士事務所のスキル問題。どう解決すればいいか?
担当者のスキル問題を解決するには、3つあります。
ポイントをまとめて見ました!
①ひとり税理士、少人数の税理士に頼んでみる!
②顧問料をあげてみる!
③税理士事務所を変更してみる!
ひとり税理士、少人数の税理士に頼んでみる!
まだ税理士と契約していない会社であれば、1人税理士、少人数で運営している税理士事務所に頼んで見るのも一つの手です。
1人はもちろん少人数の税理士事務所は所長が担当しているケースが多く、スキルが分かりやすく、見えやすいことが多いのです。
その為、長年に渡って信頼関係を築きやすくなることはあります。
顧問料をあげてみる!
どのビジネスも入れることですが、「安かろう悪かろう」という概念は存在します。
つまり、顧問料が安い顧問先さんには、「それ相応の担当者」がつくケースが多分にしてあるからです。
【うちは顧問料をこれくらいしか払ってないから、担当者のスキルが低くても仕方ないよな】と割り切れればいいのですが、
【顧問料を払っているのに、こんな担当者しかつかないのか!】と言われてしまえば、税理士事務所も困ってしまいます。
このような事が起きるのは、もしかすると、御社の顧問料金自体が安すぎる可能性もあります。
【自分たちの顧問料が安いのか?高いのか?そもそも分からない】という方はまず税理士の相場を調べて見て、分からない方はぜひご相談ください。
先ほど述べたように、税理士の使っている人件費が赤字になってしまっては意味がありません。その為、顧問料がダイレクトにサービスに反映されてしまうことがあります。
顧問料を上げることで、税理士事務所もスキルの高いスタッフを当てることが可能ですし、
右腕的な存在、番頭さんが登場してくる可能性も高くなります。
「この顧問先さんこれだけいただいているのに、手放したくない!」と思えば、所長自ら担当するケースも考えられます。
しかし料金をどれだけ上げればいいのか?
事務所によっても変わってきますが、月1万〜3万ほどで解決するケースもあります。
儲かっている会社は顧問料をあげることで、税理士の満足度合いを高めた方が後々、メリットになることを知っています。
優秀なスタッフにするには、月1〜3万ほどはかかる!
しかし注意が必要です!
顧問料をあげて解決するのは、付き合っている税理士事務所内に「優秀なスタッフ」や「税理士のスキルがある」ことが前提です。
そもそもその税理士事務所にスキルがなければ、顧問料をあげたところで意味がないので注意は必要です。
思い切って税理士事務所を変更してみる!
人材不足が深刻な今では、その税理士事務所自体に担当者が回っていないケースも考えられますので、思い切ってきちんとした税理士事務所に変更するのがベストです。
それは顧問料をあげても解決せず、担当者がそもそも揃っていない場合だとなおさらです。
「この税理士事務所は人材の定着がいい」
「この税理士は御社が求めていることにマッチしている」
上記のことは、【税理士事務所をよく知った人】でなければ、分からないことです。
税理士を変更することで支払っている顧問料も、もしかすると今より削減でき、優秀な税理士に巡り会えるかもしれません。
担当者のスキルが解決できない場合、税理士の変更を考えてみてはいかがでしょうか。