税務調査は事前通知がある?準備は?調査の流れと対応方法
税務署から電話がかかってきたら、それは税務調査の事前通知かもしれません。
税務調査を受けるときのポイントは、専門的な知識と経験による万全の準備と調査対応です。
「税理士に確認して折り返します」と電話口で応対しましょう。
▼この記事でわかること
・税務調査の事前通知への答え方
・税務調査の流れ
・税務調査の対応方法
・税務調査を受けるときの注意点
当記事では税務調査を乗り切るために、何をすべきかをわかりやすく解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
税務調査は事前通知がある
税務調査は、調査がおこなわれる前に税務署から事前通知があります。
ここでは事前通知の方法と対応の仕方を紹介します。
また、例外的に事前通知がないケースもあるので、突然の税務調査に慌てないためにもチェックしておきましょう。
事前通知とは?→電話で通知される
税務署からの事前通知は、電話で通知されることになっています。
国税庁は原則電話による口頭で通知し、納税者から書面通知を要望されても交付しないと公表しています。
参考:国税庁 税務調査手続に関するFAQ(一般納税者向け)問12
国税庁 税務調査手続に関するFAQ(一般納税者向け)
事前通知への回答は「税理士に確認して折り返す」がベスト!
事前通知があったときは「税理士に確認して折り返します」と回答し、税理士に相談しましょう。
税務調査の準備や調査対応は、専門的な知識が必要とされます。
税務調査に慣れた税理士に任せずに、自分で対応してしまうと失敗するおそれがあります。
事前通知がないケース
悪質性が高い場合、証拠隠ぺいなどを防ぐ目的で強制的に調査されます。
この強制調査の際には、事前通知はおこなわれません。
また、現金での取引がメインの飲食店などは、実際の現金残高などを調べるために、事前通知をせず実地調査がおこなわれる場合があります。
税務調査の流れ
税務調査は、以下の流れで進みます。
・事前通知
・日程調整
・調査準備
・実地調査
・調査結果
それぞれを詳しく確認しましょう。
①税務署から事前通知がくる
税務調査は税務署による事前通知から始まります。
通知内容は次のような項目です。
・調査の日時と目的
・調査する税目
・調査する期間
・調査で確認する帳簿書類
・調査で訪問する調査官の氏名と所属
・調査の内容によって事前通知以外の項目も調査対象となること
②日程調整をおこなう
事前通知の際に提示された調査日程が、どうしても都合がつかないときは日程を調整することができます。
また、病気やケガなどのやむを得ない理由がある場合には、延期の申し出をすることも可能です。
しかし、正当な理由がないにもかかわらず、調査を先延ばしたり断ったりすることはできません。
③必要書類などの準備をおこなう
税務調査で確認される帳簿書類を準備します。
具体的には税理士の指示を仰いでください。
おもに必要になるのは次のような書類です。
・申告書類
・総勘定元帳、出納帳、売掛帳、買掛帳などの帳簿
・請求書、領収証などの帳票や契約書関係
・源泉徴収簿などの給与関係の書類
④調査官が調査をおこなう
指定された場所(通常は調査対象の会社)に調査官が出向き、実際の帳簿を確認したり、経営者や経理担当者、営業担当者などからヒアリングをしたりして、申告内容に間違いがないかを調査します。
調査日数は会社の規模や調査内容によりますが、1〜3日間が一般的です。
⑤調査結果の連絡を受ける
税務調査の結果は、調査後1か月程度で通知されます。
このとき、申告内容に間違い(否認といいます)があれば修正申告が求められますが、修正をおこなわず指導にとどまることもあります。
その際は、指導後の会計処理に注意が必要です。
もちろん何も修正すべき点がない(是認といいます)という調査結果になることもあります。
対応方法のポイントは万全に準備すること
税務調査の対応方法で最も重要なのは、万全に準備することです。
事前通知から調査日までの限られた時間で正確に準備できるよう、ポイントを確認しておきましょう。
調査対応はプロにまかせよう!まずは税理士に相談!
税務調査の対応は、税務調査に強い税理士に任せましょう。
調査当日だけでなく、事前準備から専門的な視点で力になってもらえます。
顧問税理士がいる場合は、事前通知があったことをすぐに相談してください。
税務調査の対応をしてくれる税理士と契約していない場合でも、事前通知から調査当日まで時間があるので、すぐに税理士を探しましょう。
ただし、焦ってよく調べずに契約するのは危険です。
税理士の中でも、税務調査に強い税理士とあまり経験のない税理士がいるからです。
税理士を探すときは、安心な紹介サービスなどの利用をおすすめします。
帳簿書類やデータなどを準備する
事前通知で指示のあった帳簿書類を指定の年度分準備しましょう。
通常は3年から5年です。
たとえば、総勘定元帳を会計ソフトから印刷していない場合は、印刷してファイリングしておきます。
また、準備した帳簿書類の内容も確認しておきましょう。
ファイルにしているのを忘れている書類や、重複など必要ではない書類がまぎれこんでいないかどうか、税務調査前に必ず再度確認し、漏れや間違いがあれば対応します。
調査官がよくチェックするポイントに、外注費や修繕費があげられます。
調査官に取引処理の根拠を説明できるように、必要な書類を整備しておくと安心です。
契約書・議事録を見直す
契約書や議事録も税務調査では重要な信ぴょう書類です。
特に、業務委託に関する契約は、委任契約ごとに契約書があるかを確認しましょう。
また、印紙税についても注意が必要です。
手元にある契約書で印紙税の課税文書に該当するものは、印紙の貼り忘れがないかチェックしましょう。
議事録にも経費計上において重要な事項が記載されています。
それは役員報酬の支給額です。
役員報酬の変更は株主総会で決定される項目なので、議事録を作成していなかったり金額が違っていたりすると、役員報酬が経費として認められない場合があります。
会社概要や取引の流れを再確認する
調査官から質問があった場合、しっかりと説明できるように、あらためて会社概要や取引の流れを確認しておきましょう。
税務調査で調査官は、経理に関する質問以外にも会社概要や事業、人事、業務に関する質問もおこないます。
経理に関する質問は、税理士や経理担当者が対応しますが、会社概要などは経営者が応答する必要があります。
特に、普段とは違う多額の取引や外注費と人件費の実態は、税務調査で質問されやすい項目です。
会社や店舗内をチェックする
調査官は書類だけでなく、会社や店舗内の状態もチェックしています。
会社にあるものは会社に関するものが基本です。
プライベートなものがあると、公私混同が日常的におこなわれているのでは?と誤解を招いてしまうおそれがあります。
調査官には質問検査権があり、納税者は質問に対して黙秘権がないので、調査官がデスクを見せてほしいと言った場合には見せなければなりません。
会社には余計なものは置かないことが鉄則です。
税務調査に立ち会う経営者や経理担当者だけではなく、従業員にも事前に説明し注意を呼びかけましょう。
税務調査の対応方法で注意すべきこと
税務調査に対応するうえで、注意すべきことがあります。
特に調査に慣れていなければ、注意点に十分気をつけて対応しましょう!
税務調査を恐れず冷静に対応する
税務調査に関して「税務調査は恐ろしい」というイメージを持つ人が多いですが、それは誤解です。
税務調査の目的はあくまで法令遵守を指導することなので、恐れずに冷静に対応しましょう。
調査官の質問にあいまいな回答をしない
調査官からの質問には正確な回答を正直に答えましょう。
あいまいな答えや黙秘、虚偽の回答をしてはいけません。
質問にすぐ回答するのが難しい場合、あいまいに答えず、一度持ち帰って後日回答するようにしましょう。
【まとめ】税務調査の事前通知があったら万全に準備して対応しよう!
税務調査の事前通知がきたら、まずは税理士に相談して、万全の準備をしましょう。
帳簿や必要書類が法令や要件に沿って作成されているかを確認することが、準備するうえで1番のポイントです。
「税務調査でなにを準備すればよいかわからない」
「税務調査の対応をしてくれる税理士がいない」
このようなお悩みをお持ちの方は、タックスボイスの利用を検討されてはいかがでしょうか。
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