メルカリで税務調査はある?取引回数で判断?知っておきたい基礎知識
メルカリは買取業者を通さず個人対個人で取引をするため、通常より高額で販売できます。
そのため悪事や不正が働きやすく、ときには税務調査がくることがあります。
この記事でわかること
・調査対象になりやすいメルカリ事業者
・メルカリの確定申告の基礎知識
・メルカリで税務調査に備えて注意すべきこと
メルカリを利用した場合に生じる税務に関する基礎知識を解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
メルカリの税務調査は回数ではなく「内容」で判断
メルカリをしていると、税務調査を受ける場合があります。
税務調査をおこなうかの判断は、メルカリの取引回数の多さではありません。
取引回数が少なくても、税務の法令や規定違反が疑われる内容の取引をしている場合に、税務調査が実施されます。
税務調査の結果、違反が発覚すれば、重いペナルティを受けることもあるでしょう。
国税局がメルカリの取引内容をどうして把握しているかというと、国税局には電子商取引専門調査チームがあるからです。
電子商取引専門調査チームとは、電子商取引をおこなっている法人個人すべての事業者を対象に、税務調査や情報収集を専門的におこなう組織です。
特に、メルカリなどフリマアプリ市場は利用者や取引量が急増していることもあり、調査対象になりやすい傾向にあります。
次に紹介する税務調査の対象になりやすい事業者は気をつけてください。
メルカリで税務調査の対象になりやすい事業者
メルカリで取引している会社や個人のうち、税務調査の対象になりやすいケースを3つ紹介します。
もし該当したときは、できるだけ早く正しい税務処理になるよう対応しましょう。
【調査対象①】必要な確定申告をしていなかった
メルカリでの取引で利益がでており、申告が必要な内容であるにもかかわらず、確定申告をしていなかった場合、税務調査の対象になりやすくなります。
メルカリでも確定申告が必要な取引があります。
少しの金額だから確定申告しなくてもバレないだろうと思うのは危険な考えです。
税務署は先述した調査チームによる情報や、独自の調査情報を持っているからです。
また、メルカリの確定申告をしなかった場合にはペナルティとしての税金が課されることも注意しましょう。
【調査対象②】納税していなかった
確定申告をしていないうえに、意図的に納税をしていないと、税務調査の対象になりやすくなります。
納税義務から逃げている、いわゆる脱税と判断されるからです。
万が一、確定申告はしたが納税を忘れてしまい、納税期限を過ぎてしまったときは、税務署に相談し、なるべく早く納付しましょう。
また、悪意はないが事情があって税金を払うことができないときには、救済措置があるので、税理士や税務署に相談してください。
【調査対象③】申告内容が間違っていた
確定申告をしていても、その申告内容が間違っていれば、税務調査の対象になりやすいです。
法律や要件の認識違い、計算ミスなど悪意のない間違いであれば、正しい申告による追徴課税とその分の納税が遅れたことによる延滞税などが課されます。
しかし、意図的に売上を少なくしたり、架空の経費を計上したりして、隠ぺいや改ざんなどの不正行為をおこなっている場合には、追徴課税の他に重加算税というペナルティが発生します。
重加算税の税率は、追加本税の35%〜40%です。
【メルカリの確定申告】知っておきたい基礎知識
メルカリを運営するうえで、確定申告が必要なのはどのようなときなのかを解説します。
取引内容に当てはめながら、確定申告が必要かどうかを確認してください。
生活用品や不用品は申告不要!
メルカリで生活用品や不用品を売った場合、申告は必要ありません。
国税庁では、所得税が課税されない譲渡所得として「家具、じゅう器、通勤用の自動車、衣服などの生活に通常必要な動産」をあげています。
譲渡所得とは、資産を譲ったり売ったりした所得(もうけ)のことです。
【要申告】30万円超の貴金属などを売却
同じ不用品を売った譲渡所得でも、貴金属などの高額なものは、課税対象となり確定申告が必要です。
具体的には、1点または1組の販売額が30万円を超えると申告が必要になります。
宝石や美術品をはじめ、プレミアがつく希少価値の高い商品など取引価格が高額になるものは注意しましょう。
【要申告】営利目的のハンドメイド販売や転売
不用品の処分ではなく、営利目的の取引は確定申告が必要です。
たとえば、自身で作成したアクセサリーなどを販売したり、新品・中古品の転売したりしたときは、売上から経費をひいた「所得(もうけ)」に税金がかかります。
特に、中古品転売をおこなうときには古物商許可証が必要です。古物商許可証なしに営業すると、罰金や懲役などの刑罰を課される場合があります。
【要申告】本業メルカリは総所得金額48万円超
営利目的つまり事業としてのメルカリの場合、所得が48万円を超えると確定申告が必要です。
基準となる48万円は、メルカリ以外の所得も含めた総所得金額のことです。
たとえば、メルカリでの所得が20万円であっても、ヤフオクでの所得が30万円あれば、確定申告しなければなりません。
ただし、要件を満たせば、48万円以下や赤字でも確定申告をしたほうがいい場合もあります。詳しくは税理士に相談してください。
【要申告】会社員の副業は総所得金額20万円超
副業でのメルカリの場合は、所得が20万円を超えると、確定申告が必要です。
基準となる20万円は、メルカリ以外の所得も含めた総所得金額のことです。
たとえば、メルカリ以外にも仮想通貨など、給与以外の合算所得が20万円を超えれば、確定申告しなければなりません。
ただし、給与所得以外の所得が20万円以下でも、医療費控除やふるさと納税、住宅ローン控除などを受けたい場合は確定申告が必要になります。
【要申告】主婦・学生は総所得金額48万円超
メルカリ以外に所得のない専業主婦や学生の場合は、所得が48万円を超えると、確定申告が必要です。
さらに、専業主婦や学生が所得48万円を超えると、それぞれ48万円まで認められている世帯主の配偶者控除や扶養控除が適用できなくなり、世帯主が支払う税金も増えてしまいます。
営利目的のつもりではなくても、課税対象のものを売るときは注意しましょう。
【税理士に相談】楽器やスポーツ用品などの場合
楽器やスポーツ用品など趣味のものは、不用品と認められない場合があります。
たとえば、ピアノやゴルフクラブ、トレーニングマシンなど、高額であり生活に通常必要ではない商品をメルカリで売った場合は、申告が必要かどうかを専門的な知識によって判断しなければなりません。
確定申告が必要か不安な場合は、税理士に相談することをおすすめします。
メルカリの税務調査に備えて注意すべきこと
税務調査を受けるとなると、相当な時間と労力が必要になります。
また結果次第では、追徴課税やペナルティが発生します。
税務調査の連絡が来てから慌てることがないよう備えておきましょう。
①無申告に気づいたらすぐに申告する
過去のメルカリの所得で、確定申告が必要だったことに気づいたら、すぐに申告しましょう。
税務調査で発覚する前に自主的に申告すれば、ペナルティが軽減されます。
②帳簿書類を保存しておく
メルカリの売上帳簿や経費の領収書など、帳簿書類は正確に保存しておきましょう。
特に、経費の計上には、その根拠書類の備え付けが必須で、書類不備の場合には経費として認められないことがあります。
申告の判断が難しいときは税理士に相談する
自身がおこなっているメルカリの取引について、確定申告が必要なのかどうか判断が難しいときは、迷わず税理士に相談しましょう。
特に、メルカリ本業やメルカリ以外の所得がある場合には、判断が専門的になります。
税務調査で困らないように、事前に相談しておくと安心です。
【まとめ】メルカリは税務調査対策をしておこう
メルカリの取引内容によって、税務調査がくる場合があります。
メルカリは取引内容が多種多様で、確定申告が必要なのかどうか判断が難しいです。
誤ると税務調査の対象になりやすいため、なるべく早く対処しましょう。
「自身のメルカリ取引は確定申告が必要なのかわからない」
「申告をしていないことに気づいて焦っている」
このような悩みをお持ちの方は、タックスボイスへご相談ください。
タックスボイスは全国の提携税理士を無料で紹介するサービスです。
メルカリの確定申告や税務調査対応をよく知る税理士を味方につければ、安心してメルカリに専念できるため、ぜひ一度ご検討ください。