【建設業に強い税理士の料金相場はいくら? 】やっぱり顧問契約がいい?
建設業は浮き沈みのある業界でもあり、工期が長く、経費の持ち出し期間が長ければ、会社経営に影響が出ます。
また建設特有の会計処理や、仕事の種類も多いため、建設業に強い税理士と付き合いたい社長も多いと思います。
それが事業を始めたばかりで、「これから初めて税理士をつける」となればなおさら、です。
しかしここで気になるのは料金面についてです。
今回は実際に税理士を紹介した事例を挙げて、税理士と新規契約する社長様に向けて、建設業に強い税理士の料金についてお話ししたいと思います。
建設業に強い税理士とは?↓
【建設業の税理士】税理士の相場は月3万〜で考えておくといい
【建設業】とひとえに言っても、仕事の種類はバラバラです。
そのため料金も一律というわけはありません。
建設業界に限りませんが、税理士の料金は、
年商、従業員数、訪問回数、経理のボリュームにより変わってきます。
税理士料金は「手間賃」です。
税理士の行う作業が増えれば増えるほど、時間をかければかけるほど、料金は高くなります。
その反対で、関与度合いが少なく、内容がシンプルであればあるほど、料金は安くなります。
しかし法人は記帳代行を含めて月3万円くらいの頭でいると、多くの税理士の相場に当てはまってくる可能性が高くなります。
ここで月3万円が高いと感じた方は、税理士の関与度合いを下げ、料金の交渉をする必要があります。
税理士費用を安くする記事↓
逆に月3万円が安いと感じた方は、もう少し余分に顧問料を払うことで、煩わしいことを税理士に一任できるかもしれません。
もし自分たちの規模に対して、料金がどれくらいか知りたい方はご相談ください。
また税理士の料金には、月の顧問料とは別に、【決算申告料】というのがあります。決算料は申告をするときにかかる料金です。
決算申告は税理士にとっても、「手間が増えて負荷がかかるところ」です。
そのため、月の顧問料の数ヶ月分を請求する税理士が一般的です。
相場としては、月の顧問料の4〜6ヶ月分を請求します。
つまり月3万の顧問料だった場合、決算申告料は12万〜18万ということになります。【ここでは年末調整の料金は省きます】
税理士の料金は確かに3万円〜で考えておけばいいけど
確かに、法人は月3万〜くらいという頭でいれば、範囲に収まってきます。
しかしご存知の方も多いでしょうが、税理士費用は現在、自由化されて各税理士事務所が自分たちで決めていいことになりました。
そのため、税理士費用は事務所によって違い、中には数倍の開きになっている事も珍しくありません。
「この売り上げだったら、この料金!」と、はっきりとした相場を示したいところですが、これといった明確な料金相場はないことも事実です。
そこで実際に税理士を紹介したお客様の事例をご紹介するので、ご参考にしていただければと思います。
【建設業の料金】税理士を紹介した顧客料金の事例
【事例1】神奈川県川崎市 建設業 設備多能工・管工事業 年商1億ほど
ビルや大型施設、競技施設などの管工事を行なっている法人様です。
長年1人の税理士さんと付き合っていましたが、ご年配の税理士さんで引退を考えられた為、新しい税理士さんを紹介しました。
大手のゼネコンからの仕事がほとんどのため、取引先も少なく、経理内容もシンプルです。
経理状況はエクセルで社長が現金出納帳を管理。ある程度まとまっているため、税理士も記帳代行をしやすいとのことでした。
訪問回数 2ヶ月に一回
記帳代行 あり
月3万 決算18万
【事例2】愛知県名古屋市 建設業 大工工事業 年商6000万ほど
一戸建てなどの住宅の建設に携わっておられる工務店様です。
社長と税理士さんとの間で考え方にギャップが生じてしまい、税理士さん側から解約を伝えられてしまったとのことでした。
税理士に断られたの記事↓
訪問回数が少なくていいという考えの社長様で、税理士とのやりとりをほとんどメールと電話で考えられていました。
記帳代行 あり
訪問回数 4ヶ月に一回程度
月2.5万 決算15万
【実例3】神奈川県横浜市 建設業 クレーン、トラック賃貸業 年商3億ほど
重機のレンタルをされている法人様です。
税理士さんが引退され、その税理士のお仲間の税理士さんに引き継がれましたが、1人税理士という事もあり、レスポンスや対応が遅くなりがちとの事で税理士の紹介を行いました。
決算間際になっても何も対策を打たれていないことに不安を覚えたのです。
経理状況は、自社内で経理担当者が記帳入力ができている点。
会計ソフトは違いましたが、新しい税理士が使っている会計ソフトに変更してもらいました。
会計ソフトの変更の記事↓
記帳代行 なし
訪問回数 毎月一回訪問
月4万 決算16万
【事例4】神奈川県鎌倉市 建設業 水道工事、配管工事業 年商6000万ほど
水道工事や住宅の配管工事などをされている法人様でした。
税理士と馬が合わず、解約をされてしまったとの事です。
本業が忙しく、税理士と会って打ち合わせする時間がほとんど取れないとの事で、電話とメールのやり取りを希望されていました。
税理士側もほとんど訪問がいらない点から、記帳代行があっても、顧問料を抑える事ができました。
記帳代行 あり
訪問回数 年に1回ほど
月2万 決算10万
【事例5】東京都葛飾区 建設業 電気工事、配管工事業 年商3000万ほど
電気工事を行なっておられる法人様です。
税理士との付き合いがありましたが、急に値上げをしてきたり、よくわからない請求が来たりと不信感があったため、信用ができる税理士を求めていました。
なんで値上げをしてきたのか原因はこちらの記事で↓
奥様はご年配の方でしたが、手書きできっちり帳面をつけておられたため、税理士も記帳代行をしやすく、顧問料も抑えることができました。
記帳代行 あり
訪問回数 半年に1回
月2万 決算料込み
以上5件の税理士の料金事例挙げました。
ご参考になれば嬉しいです。
税理士と顧問契約にした場合、料金はどのように支払う?
おおよその料金を知れたところで、【新しく税理士を付けられる事業主様から顧問料はどういう形で払えばいいのか?】という相談もいただくため、お話ししておきます。
税理士の顧問料の支払いは全部で3種類です。
1訪問のときに手渡し
2振込
3口座引き落とし
4キャッシュレス決済
訪問のときに手渡し
訪問のときに手渡しは昔ながらの地元の税理士さんに多いやり方です。
顧問料を受け取るために毎月訪問をしている方もいます。建設業の方は訪問する時間をなかなか取れない社長様も多くいます。
そのため、手渡しというやり方も今後少なくなってくるのかなと感じます。
振込
建設業は工期が長く、入金のタイミングが遅い工事もあります。
月末に口座にどれだけ入っているか分からない事も多いと思います。そのため口座引き落としを嫌い、振込で顧問料を支払いたいという社長もいます。
口座引き落とし
一番税理士としてもおすすめしている顧問料の支払い方です。
建設業の社長の中には、忙しさのあまり顧問料を払い忘れてしまう方もいます。
お互いのために余計なことを考えずに済みますし、税理士としても多少の手数料が掛かっても安心できる方法なのです。
キャッシュレス決済
最近流行りのキャッシュレス決済に対応している税理士もちらほら出てきています。
まだ個人利用の側面が強く、浸透するのに時間がかかりそうです。
しかしキャッシュレス還元や利用者の増加に伴い、税理士の中でも導入する方も増えてきそうです。
税理士報酬の支払いはSquareやLINE Payを使えば誰でも簡単に支払い、こちらも簡単に確認できる。https://t.co/m2vpYIHrAu pic.twitter.com/HKtkE05Bcb
—酒井 基(ひふみ税理士事務所) (@motoi_sakai) 2018年12月23日
やっぱり建設業の社長に顧問契約は必要?メリットは?
ここで建設業の社長様が税理士と顧問契約することで得られるメリットを挙げたいと思います。
【建設業の税理士】常に分からないことを聞ける
税の仕組みは複雑です。
法改正は毎年起こるため、素人ではなかなかついていけないことも多いと思います。
特に建設業界は、有利になる法改正を知っていることで、納める税金も変わって来ます。
税理士の顧問契約は色々分からない事を聞けるアドバイザーの意味合いがあります。
これが年に一回決算だけを任せるスポット契約にしていたらどうでしょう。税理士からは「顧問契約していないとアドバイスができない」と言われてしまいます。
決算だけの付き合いは料金を抑えられるメリットはありますが、「決算処理だけやりますよ」という少しドライな契約だったりします。
会社を立ち上げ、これから順調に発展していく見込みがあるけど、税金のことは全くという建設業の社長様も多いと思います。
そのような方には、税理士との顧問契約をおすすめします。
【建設業の税理士】スピーディーに対応してもらえる
例えば急に資金調達の必要が出てきて、試算表を出さなければならない。
早急に資金を用意しなければ、不渡りを出してしまう。これは建設業界の特有のことです。
税理士と付き合っていればスピードが要求させる場面も出てくるでしょう。
これがスポットで決算のみだった場合はどうでしょう。決算処理だけを行い、税理士の御社に対する優先順位も下がります。
また今期は利益が大きく出そうだ、なるべく税金を払いたくないので、その対処法はあるか?と相談する事もあるでしょう。
建設業は浮き沈みのある業界と言われています。
不況の時に備えて、キャッシュを増やす努力を、迅速に税理士と一緒に考える必要があります。
【建設業の税理士】毎月の会計処理をしてくれる
税務アドバイス以外で言えば、顧問にする事で実務上のメリットがあります。
1人親方や現場で働く社長であれば、会計処理に使う時間がないということも多いと思います。
時間に余裕がない方は記帳代行を頼む事で大幅に時間を効率化することができます。
記帳代行相場はこちら!↓
【まとめ】
今回は建設業の会社の事例を挙げ、【建設業に強い税理士の料金相場について】また【顧問にしておくメリットについて】お話しました。
税理士費用は、税理士事務所によっても何倍もの開きがあります。
自由化された為、事務所によって料金が違うことは当然と言えば当然かもしれません。
しかしその現状として、税理士の比較をせず、契約してしまって、多くの支払いをすることになってしまった。という方も中にはいます。
確かに月3万円は目安ですが、会社の事情によって料金が変動します。
しかし税理士自身が御社にあった適正料金を教えてくれることは多くはありません。
税理士自身も周りの税理士事情には詳しくないことが多く、横のつながりもそこまで強くはありません。【特に大きい都市では】
他の事務所の料金事情を知る機会がないため、自分たちの事務所の料金設定が高いか安いかわからない税理士も多いのです。
それでは自分たちにあった料金を知るにはどうしたらいいか?
手前味噌になりますが、
信頼できる税理士を知っている人に紹介してもらうことが一番です。
多く税理士事務所を見て、比較していれば、紹介の立場であればわかります。
税理士事務所の内部状況も、サービスの質に関しても、です。
ぜひ建設業の会社を立ち上げたばかりの社長様、一人親方の個人事業主の方で税理士にお困りの方がいましたら、ご相談をいただければ幸いです。