税務署のOBは税務調査に強いは本当か?【税理士選びのポイント】
税務署OB税理士は今や全体の税理士の3分の1を占めると言われています。
税理士の平均年齢が65歳と高いのは税務署の仕事を23年間勤めて退官し、
税理士の仕事を始める税務署OBの存在が大きいからとも言われています。
今回はそんな税務署の仕事をしてきたOB税理士は本当に税務調査に強いのか?という点について知っていきたいと思います。
税理士さんには2種類いる【試験組or税務署OB】
試験組の税理士
試験を受けて税理士の資格を自力で取得した税理士。(大学院の2科目免除組も含まれる)合格は狭き門で5科目合格が必要の為、5年〜10年かけて取得する方も多いです。
税務署OB税理士
税務署OBは試験組と違って、税務署の仕事を23年間行っていると、試験が免除されて研修だけ受けると自動的に税理士資格を取得できてしまいます。
税務署目線で物事を言えるので、税務調査に強いというキャッチコピーで仕事を取得している方もいます。
税務調査に強い税理士さんとはどういうことか?
税務調査に強いということを色々考えてみましたが、調査に強いということは大きく3つに分かれてくると思います。
1つめは税務調査が入る前の準備の段階で税理士さんがどう処理をしているか?という点と2つめは実際、税務調査が入ってしまった時の対応はどうか?という点と3つめは税理士さんそのもののマインドいわばスタンスはどうか?と3つに分かれくると思います。
税務調査に強い税理士の見分けるポイント
1税務調査に入る前の準備はきちんとしている
2税務調査が入ってしまった時の対応
3税理士が持っているスタンス、マインド
グレーな経費部分を理解し、正しい申告をしている(準備)
これは準備段階です。
正しい税務処理をしていれば税務調査で突かれる可能性は少なくなります。
つまり無駄な税金がほとんど取られないという状態です。
それには正しい知識と経験が必要です。
またコミュニケーションをとり、会社のことをきちんと理解していないと準備がきちんとできているという状態まで築けるものではありません。
また税務調査で突かれてところは、白黒はっきりしたところではなく、グレーな部分です。
その部分をより白に近づけるためには日頃からお互いの意見のすり合わせが必要です。
調査員に対して交渉がうまい(対応)
調査員が指摘した項目について、被害をなるべく出させない交渉をしてくれる。
調査ではグレーな部分が調査対象になります。
そこをきちんと理解して会社のために白に持って行ったり、押しすぎて不信感を煽ることなく、時には、調査員に対して穏便に対応することも求められます。
いわば強力なネゴシエーターです。
近年調査員に現場の決裁権はなく、調査員を束ねている上官に決裁権があるため、
時にその場の話し合いが膠着してしまった時には、上官にもきちんと交渉ができるような税理士さんが交渉がうまいといえます。
会社側に立って税金をなるべく出させない(スタンス)
ここではスタンスの話がメインになりますが、税金をなるべく出させない税理士さんは間違いなく税務署に顔を向けている方ではありません。
会社目線に立っている方です。
そのような税理士さんのスタンスは頼もしく、心強い存在です。
税務署OBだから税務調査に強いは本当か?
税務調査に強い理由を挙げましたが、税務署OBというキャッチコピーだけで3つ全てに当てはめることができるでしょうか。
答えはNOです。
重要なことは試験組や税務署OBということで税務調査が強いかどうかを見るのではありません。
税理士本人のこと、つまりスタンスや考え方、準備をきちんと行ってくれるかなどを聞いて税務調査が強いか否かで判断する方がいいかもしれません。
そもそも税理士側がきちんと会社のことを考えれば結論がわかってくると思います。
もっというと、税務署は様々な部署に分かれています。
そのOBの方が法人税部門、個人税部門、資産税部門、徴収部門どこに在籍してたのかを知る必要があると思います。
つまり徴収部門にいた方は法人税に関しては全く知らない。
個人税部門のにいた人は法人税部門のこと知らないということも考えられます。
【まとめ】税務調査強い税理士はきちんと見極めが必要
いかがでしたでしょうか。
ただシンプルに税務署OBだから税務調査だから鬼に金棒だ。安心というのは危険です。
私は税務署のOBで税務調査に強いですというのは契約をしてもらうためのきっかけにすぎないかもしれません。
契約する前段階での税理士さん本人によるスタンスや考え方を確認することがとても重要なことです。