【税理士選びのポイント】いい税理士とはどんな税理士?
税理士さんとは一番身近にお金の話をできる専門家です。
そんな身近な相談相手がいい人でないと、長い事業期間に支障をきたすことも考えられます。
税理士さんとはじめて付き合う、何十年付き合ってきた税理士さんを初めて切り替える。
そのタイミングで知っておきたい【いい税理士さんの特徴】を今回はお話ししたいと思います。
いい税理士さんは早いもの勝ち!?
税理士事務所は1人が持てるお客さんの数が限られています。
数でいうと20件から30件ほど。
50件以上回しているというスーパー税理士さんもいますが、適正なサービスを全顧問先さんに行き渡らせるためには大体20件くらいがベストの数になります。
実際20件と聞くと少ないように聞こえると思います。
いい税理士さんは自分の持てる顧問件の数をすぐにクリアしてしまい厳選した、いいお客様と長いお付き合いをしたいと考えます。
そのため、自分の身の丈に合わない、また対応できないと、最初の契約の時点で断ってしまいます。
そのため、いい税理士さんは早い者勝ちです。早くそのいい税理士さんと出会い、契約しなければなりません。
こうしている間にもいい税理士さんは顧問先を増やし続け、
あなたが契約したい!と言った頃にはもう引き受けられないという状況になっていることも十分ありうるのです。
いい税理士さんの特徴
共感してくれる
様々な問題が発生した時に、税理士さんが社長の意見に共感してくれることは重要です。
痛みを分かっている税理士さんだと、「きちんとこの人は問題を理解してくれている人」と安心感を得られることができますし、この人と長い付き合いができるなと思うことができるからです。
なかには社長の話していることを遮ってまで自分の意見を押し通す税理士さんがいます。
経営上、大事な舵を間違った方向に進ませていてはいけない!という親切心からでしたらいいのですが、自らの立場を守るためのプライドで言うのは、社長も疑心暗鬼になってしまい、相談したいことも相談できなくなってしまいます。
最悪コミュニケーションが取りにくく感じてしまい、疎遠になってしまうことも考えられます。
社長さまの意見にきちんと共感した上で、様々なアドバイスをしてくれる税理士さんはいい税理士といえます。
節税アドバイスを一緒に考えてくれる
節税をすることは企業が存続する上で、重要な経営手段です。
ときには税金を払ったほうが、内部留保ができ、会社が長く存続する上では重要なことと位置付ける方もいます。
しかしここでいう節税は意味のない経費をたくさん使って体力を消耗させる「やりすぎる節税」ではなく、払わなくてもいい税金を無駄に払わないようにするための「やるべき節税」を指します。
税理士さんによっては税務署よりの考えで国のために税金を多く払いなさいと考える方もいますが、税金を多く払いすぎてしまっては会社の体力をジリジリ奪ってしまうことになります。
今期これくらい利益が出るかもしれないので、こういうやり方で節税しましょう。と会社のためを思ってきちんと説明をいただける税理士さんは大事なパートナーになってくれるでしょう。
税理士業=サービス業という認識がある
ひと昔前までは税理士さんも「先生、先生」と呼ばれ、もてはやされた時代がありました。
今でも態度が横柄で上から目線で物事を言われる税理士さんもいますが、お金を払っている会社側としたら、あまり気持ちのいいものではありません。
税理士の数は多くなり、税理士さんを選べる時代になりました。
きちんとサービス業を意識した税理士さんは低姿勢で、会社に対してきちんとしたサービスをしようと心がけています。
目に見えないサービスを売っているから、会社に貢献してなんぼという精神があるからこそ、そういう姿勢が目に見えるのかもしれません。
フットワークが軽い
税理士さんによっては腰が重く、すぐに対応してくれない方もいます。
フットワークの軽さはとりわけ若手の税理士さんに多いですが、すぐに相談できるというのは、迅速な判断を下さなければならない経営者にとって重要なことです。
フットワークの軽さは、税理士さんがどれだけ意欲的に税理士業に取り組んでいるかにもよりますので、見極めることが必要です。
レスポンスが早い
相談したいときに相談できないというのは、なんとも言えないストレスを感じます。
またレスポンスが遅れてしまうことで業務がストップしてしまい、本来時間を割かなければならない本業に差し支えが出てくることも考えられます。
携帯に電話したけど、1日経っても連絡がこない。資料を送ったのに、連絡すらない。
きちんと届いたのかわからない。そんな話もよく耳にします。
レスポンスが早く、聞きたいときにアドバイスが聞けるというのは、とても重要なことです。
専門用語を使わず、きちんと説明してくれる
「税務、会計」興味を持って勉強した社長は少ないものです。
専門用語も多いですし、そもそもわからないことが多いので、「税理士」という専門家を雇ったという方も多いはずです。
それだけ、税務と会計は複雑なもので、法改正も毎年繰り返されますので、きちんとわかりやすく噛み砕いて説明してくれる税理士さんは大切な存在です。
税理士さんによっては専門用語を駆使して、説明する方がいます。
聞きなれない用語がいろいろ飛び出てくるので、何を言われてもちんぷんかんぷんという社長も多いのではないでしょうか。
社長にも税金のことをわかっている前提で話をすると、理解するのが大変です。
いい税理士さんはなるべくシンプルに解説し、社長さまにも分かりやすく説明してくれるものです。
分かりにくいことを放置して会社のメリットを逃してしまうことはもったいないことです。
すべて担当者に任せず、税理士本人も対応してくれる
規模が大きい税理士事務所は、顧問料の大小にもよりますが、担当スタッフを一人つけて顧問を行うことが多くなります。
担当スタッフが決算まで一切合切を担当して、所長はその顧問先のことをまったく知らないということは考えられます。
例えば税務調査があったときに、所長が顧問先の内情をほとんど知らなかったので、あまり役に立たず、味方になってくれなかった。とう話を聞いたことがあります。
全て担当者任せにせず、重要な決算前の対策や会社にとって重要な舵取りの際は、所長がきちんとアドバイスをくれる事務所は、最低限必要なことです。
税務調査に強い
所長の経験値にも左右されますが、税務調査を多くこなしている税理士さんはそれだけ経験が豊富なものです。
税務調査に強いということは、税務署よりの考えで不必要な税金を払ってもらうという考えではなく、会社のお金を守るために、会社側の立場にたって「一緒に頑張ってくれる」ということです。
税務調査は毎年入るところは少ないですが、何年に1回は入ると言われています。
そのときに会社のことを考えてくれる税理士さんはいい税理士の典型です。
【まとめ】税理士さんとの相性がすべて
いい税理士さんは会社にもたらす利益も大きく、読みづらい現代を生きる社長さまにとっても、いかに頼れる存在になり得るかかがお分かりいただけたと思います。
それは暗闇を照らす灯りのようの存在です。しかし税理士さんもいち人間のため、あまりに相性の悪い社長にもモチベーションが上がらなくなってしまいます。
お互いの意図している要望を理解し、それをきちんと合致させなければ、いい税理士さんにめぐり合うことが自体が難しくなってしまうのです。
「うちは毎年同じような売り上げだし、赤字だから節税対策は必要ない」という会社に「節税アドバイスをきちんとしてくれる税理士さん」は不要だからです。
「ただ税務申告を格安でやってくれればいい」という社長さまに「きちんとしたサービスを行う代わりに顧問料は高く設定している」とう税理士事務所はそもそも考えが違うため、長く付き合うことがむずかしくなってしまいます。
社長さまがどのような考えを持っているか、それによっていい税理士のタイプがかわってくるからです。
まずどのようなことを税理士さんに求めるか?整理されることをおすすめします。