【税理士選びのポイント】税理士事務所は大きいほうがいい?小さいほうがいい?
税理士事務所とひとことで言ってもいろいろな事務所があります。
100人以上でやっている大きい税理士事務所から一人でやっている小さな税理士事務所もあります。
どの規模の税理士さんに任せればちゃんとしたサービスが受けられるようになるか?というのは、おつきあいする上では少し頭を悩ますところだと思います。
今日は大きい税理士事務所と小さい税理士事務所どちらに任せればいいか。
学んでいきたいと思います。
大きい税理士事務所の特徴とは?
●テナントのワンフロアを借りて運営しているところが多い。
●税理士の資格も持ったスタッフを多く抱えているところもあるので、所長以外に外回りを担当するベテランを複数揃えています。
●個人事務所と比べて一気に会社組織のような形態になります。
●顧問先数も小規模事務所に比べると多くあるため、いろいろな案件を扱っているため、情報量は多くあります。
●事務所によっては、「相続専門チーム」「医療専門チーム」「国際税務チーム」など専門ごとに業務を分けているところもあります。
大きい税理士事務所に任せるメリット、デメリット
大きい税理士事務所のメリット
サービスの幅が広い
税理士事務所の中には、弁護士や社労士、司法書士などの他士業を事務所内で抱えていることもあります。
大きい会社はひとつの事務所で税務以外のサービスをワンストップで頼めるのが魅力です。
業務の幅が広いので、税務顧問以外にもスポット的に相続税の申告や場合によっては経理全般のアウトソースなど、会社に合わせたメニューを提供しています。
記帳代行をできるケースが多く、丸投げがしやすくなる
記帳代行とは税理士事務所側で会計ソフトに入力してもらうサービスです。
抱えている人員が多いため、キャパシティが広く、記帳代行など時間がかかる業務を代行して受けられるケースが多いです。
忙しい社長などは記帳代行をやってほしいという方も多いでしょう。
経理を丸投げで対応してくれるのはとても魅力です。
万が一のことが起きても他の税理士(スタッフ)がいる。
極端な話、税理士さんが病気になったり、亡くなったとしても組織で運営している為、代わりに運営してくれる税理士さんがいます。
そのためサービスを受けられなくなると言う心配はなくなります。
大きい税理士事務所のデメリット
料金体系がしっかり決まっており、融通がきかない
料金体系がしっかり決まっていると言うことは融通がきくことがなくなります。
30名以下の税理士事務所は、初回面談のとき、所長が同席するケースが多い為、料金の交渉が通りやすいことはあります。
しかし大きい税理士事務所になりますと、所長が面談に同席するケースが少なく、担当者の裁量に委ねられます。
そうなると顧問料の融通が効きにくく、料金も高く払いがちになります。
担当者が辞めることが多い
人員を多く抱えていると、それだけ案件をこなす顧問先の量が多いと言うことです。
一人あたりの業務量も多いため、担当者がやめてしまう事も多くなることがあります。
3年以内にやめることは頻繁にある為、新しい担当者に変わると、経理の内容をまた1から説明しなければならない手間は、どうしても発生します。
担当者のスキルが低いことがある。(未経験者が多い)
担当者の中には新しく税理士業界に入った、資格を持っていない未経験の人も多くいます。
実務経験が乏しく、まだ初心者の方も多いことがあります。
場合によってはそのような税務の素人が担当についてしまうケースがあると、適切なサービスが受けられない可能性が大きくなります。
大きい税理士事務所の安心感で契約したけど、担当者のスキルが低く満足のいく税務サービスを受けられなかった事はよく聞きます。
小さい税理士事務所の特徴とは?
●マンションの1室や自宅で行なっていることが多い。
●所長税理士が担当する確率が高い。
●顧問先が絞られているため、所長の目が届きやすく、少数精鋭のサービスができる。
●担当者任せにして、所長がお客さんのことを全く知らないということがない。
●所長の力量=事務所の力量になることが多く、相続、事業承継など、少し専門分野になると、受けられない税理士がいることも事実。
●今後社長さまが交代して事業承継の必要が出てくる、相続対策が必要になるなど、特殊な業務が発生する予定のときは、契約する前の段階で確認をすることが必要。
小さい税理士事務所に任せるメリット、デメリット
小さい税理士事務所のメリット
税理士対応になりアドバイスを受けられる
小さく運営しているところの強みはズバリ税理士本人がついてくれるという事です。
少数精鋭でやっている為、担当者任せにせず、税理士が担当してくれるため、直接税務アドバイスを受けられるのが最大のメリットです。
事務所と契約するのではなく、その人と契約するイメージです。
顧問料の融通がききやすい
お客さんに合わせて料金を提示するところが多く、料金の融通が効きやすい事務所が多いです。
初回面談の際、所長が同席することが多い為、その場で料金を交渉することができます。
社長の意見が通りやすい
税理士本人が対応してる為、会社の要望や希望が通りやすいことも多いでしょう。
会社の要望が通りやすいと言うことは経営のメリットを多く享受できることです。
会社の右腕、パートナーとしての意味合いも強くなりますので、長いお付き合いも可能になるでしょう。
きめ細かい社長の要望に応えてくれる可能性が高くなります。
小さい税理士事務所に任せるデメリット
税理士さんが忙しいことが多い
少人数で運営していると多くの案件を抱えるとどうしても税理士さん本人が忙しくなってしまい、時間を割くことが難しくなってしまいます。
打ち合わせに入っているときは電話に出られないなど、急な対応してほしい場合は比較的、余裕を持った時間設定を求められます。
経理の丸投げができにくくなってしまう
税理士さんが持てる顧問件数が限られてしまうため、あまり記帳代行を受けたがらない方も多くいます。
それだけで他の業務も多く抱えているため、記帳代行など時間のとられる仕事を受けづらくなります。
万が一のとき代わりの人がいない
税理士さんが病気で入院などした場合、代わりの人がいなくなるため、対応に困ってしまうことがあります。
比較的年齢が若ければそのような心配はないと思いますが、年配の税理士さんは病気などの心配も出てきます。
【まとめ】その税理士さんときちんとコミュニケーションをとれるか
いかがでしたでしょうか。
大きい税理士事務所、小さい税理士事務所、それぞれメリットもあり、デメリットもあります。
今社長が置かれているステージに合わせて、税理士さんを選ばれるのが一番ですが、
最終的に選ぶ基準は【この税理士さんは相談しやすいか】という点で選ぶのが一番です。
フレンドリーな社長が硬い税務署上がりの方を選んでも相談がしにくいでしょうし、真面目で職人気質な社長がフレンドリーな税理士さんを選んでもそれはうまくいかないでしょう。
最終的には【人】です。
長年の付き合いができなければ、関係が希薄になってしまい、コミュニケーションが深まりづらくなってしまいます。
会社の状況を一緒に共有して解決していくことで、お互いの信頼関係を深めていけるのだと思います。