【ストックビジネスとは?】ストックビジネスについてまとめてみた!
事業において収益の上げ方は2種類あります。
それはフロー収入のビジネスとストック収入のビジネスの2つです。
フロービジネスとは?
単発で終わってしまう収入の事です。フロー収入で成り立っているビジネスは常に新規の取引により成り立っているとも言えます。
例えば労働力を1回投入したり、物を1回売ったりする事で、もたらされる収入の事。つまりスポット的であるのが特徴です。
不動産で言えば、不動産の仲介業は1回の仲介手数料で終わってしまうため、フロー収入で成り立っているビジネスといえます。
小売店や飲食店も1回物やサービスを売ってしまったら、収入が単発で終わってしまうためフロービジネスになります。
ストックビジネスとは?
ストック収入は売り上げが継続的に入ってくる収入のことです。ストック収入で成り立っているビジネスは、いわば継続的に収益を生むことで資産価値を上げ続けていく事ができると言えます。
収益が毎月蓄積されていくため、長くサービスを提供していれば、ある一定ラインを超えると、事業の安定を望むことができ、成長を続けることができるビジネスです。
スポーツジムの会員費、携帯電話の通信料、塾の運営費などは、月ごとの月額課金制をとっているので、すべてストックビジネスといえます。
中小企業はストック収入をベースに組み立てることが大切!
事業をスタートするときにストックビジネスを中心に事業を組み立てることは大切です。
それは先行き不透明な未来に、ストックビジネスによる毎月の売り上げの担保が、会社に安心と安定をもたらしてくれるからです。
成長を続けている大企業を見てみると、ガス、水道、電気などのインフラ事業、警備保証会社、インクジェットプリンター会社など、ストックビジネスを事業モデルとして取り入れている会社は常に右肩あがりに伸びています。
大企業のように大きなサービスを提供する事は難しいですが、中小企業がストックビジネスを取り入れることにより、来月の売り上げをゼロからスタートしなければならないという不安な状況は無くなります。
同じ業界で見るフロービジネスとストックビジネスの違い
同じ業界でもフロービジネスとストック収入が混在しているビジネスモデルや、一見同じ仕事に見えるけど、どちらも全く異なるビジネスモデルで成り立っていることがあります。
不動産はフローとストックが混在している
例えば、マンションを一戸持っているオーナーで見ていきましょう。
不動産で得られる収入は大きく分けて2つあります。
1つは毎月の家賃収入によるストック収入です。テナントや住居を貸していれば、賃借人より決まったお金が毎月入ってきます。これは継続的に賃借人が借りている間は入ってくる収入のため、ストック収入といえます。
2つめはこのマンションを何十年か経過して売却したことで得られるキャピタルゲインはフロー収入です。キャピタルゲインとは、購入金額から売却金額の差により生まれた収益のことです。これは売却した際に、スポット的に入ってくるお金のため、フロー収入といえます。
毎月の家賃収入→ストック収入
売却した時の利益→フロー収入
不動産のマンション一戸、例にあげてみても毎月の収入とスポットの収入が2種類、混在しているので、とても理にかなったビジネスと言えます。
不動産の管理業と仲介業は全く異なるビジネスモデル
不動産管理業は、オーナーからの管理物件を増やすことで、毎月管理手数料を受け取るビジネスです。管理物件が増えれば増えるほど、毎月売り上げがたつ為、ストックビジネスといえます。
しかし不動産仲介業は違います。
不動産の仲介業の仕事は、不動産が欲しいお客さんに希望の不動産を紹介し、仲介手数料を受け取るビジネスです。仲介手数料はそのお客さんに対して不動産を紹介し、1回きりの手数料しか生まないため、フロービジネスといえます。
不動産管理業→ストック収入
不動産仲介業→フロー収入
人材紹介業と派遣業も全く異なるビジネスモデル
また人材紹介業と人材派遣業をとってみても違います。
人材紹介業は企業に人を紹介して、年収に応じて、紹介手数料をもらうビジネスですが、1回紹介したら、収入が終わってしまうためフロービジネスと言えます。
しかし人材派遣業は人材紹介業とは違います。
派遣した人材が企業で働いてくれている期間中は、毎月の収入が入ってくるので、継続的に売り上げが立ちます。そのためストック収入といえます。
人材派遣業は派遣先からもらう派遣料と、派遣した人材に支払う時給の差額が収入になりますから、人材の数が長期的にうまく稼働していれば、安定しているビジネスといえます。
人材紹介業→フロー収入
人材派遣業→ストック収入
中古車販売業とレンタカービジネスも異なるビジネスモデル
中古車販売は車を一回売って稼ぐ小売業です。1回売ったら収入が終わるため、フロー収入ですが、毎月会員費と利用料を支払うレンタカービジネスはストック収入といえます。
会員の数が増えれば増えるほど、毎月の会員費は増えていきますので、同じ車業界でもビジネスが全く異なります。
中古車販売業→フロー収入
レンタカー業→ストック収入
なんでフロー収入よりストック収入の方が優秀とされているのか?
事業で大切なのは【いかにそのビジネスを長期間継続できるか】です。
もちろん安定した収益を確保することが必要ですが、それは一時的な収益よりも継続的で、ずっと続く収入をいくつも確保していることが、良いに越したことはありません。
1回の打ち上げ花火よりも、長く続く線香花火をいくつも持っていた方が、事業としては長く運営できる見込みがあるので、優秀です。
しかしビジネスモデルを考えるときに、ストックビジネスより、フロービジネスが事業として組み立てやすいことは事実です。
最初から顧客数を稼がなければならない、ストックビジネスを組み立てることは難しいとされている為、より戦略を練る必要があるからです。
ストック収入にもデメリットがある!
ストックビジネスの注意点は、損益分岐点を超えるまでは、非常に時間がかかるというものです。
ストックビジネスは顧客の数に比例して売り上げが積み上がってきます。そのため、ある一定の売り上げを確保するまでに比較的、時間がかかってしまうのです。
また毎月の収入が比較的少額である場合が多く、安定している代わりに顧客数を集めるのが大変です。
そのため、単発のフロービジネスで大きな収入を得つつ、一方ストックビジネスを少しずつ積み重ねていくモデルが長い目で見れば、事業を継続していく鍵となります。
ストックビジネスに頼りすぎてしまい、初期投資を多くかけてしまっては、資金を回収するまでに体力がなくなってしまいます。
そのため、フロービジネスとストックビジネスをうまく両輪で稼働させてあげることが早く、長く事業を立ち上げやすくなるのです。
税理士業はストックビジネスとフロービジネスの融合
税理士の顧問料もストックビジネスといえます。
ある一定の顧客に毎月の顧問料が積み重なっていけば、お客さんが辞めない限り、お金が入ってきます。
また税理士は毎月の顧問料以外に決算料をもらえます。決算料であるフロー収入は単発ながらも1年に1回は必ずやってきますので、ストックビジネスに似たフロービジネスです。
そのほか税理士のフロー収入としては、税務調査の立会費用があります。税務調査の立会い費用は、1日あたり3万〜7万ほど。必ず税務調査が入るものではありませんが、スポット的にお金が入ってきます。
税務調査費用以外には、単発の書類作成業務、事業計画書作成などもフロー収入のうちに入ってきます。
税理士の収入はストック収入とフロー収入がうまく組み合わさった優秀なビジネスモデルと言えるのです。
【まとめ】ストックビジネスは今の時代になくてはならないもの
ここ数年ITの進歩が目覚ましく、Webサイトやデジタルコンテンツを提供する事で比較的安価にビジネスを立ち上げやすくなりました。
それは大企業に限らず、一般的な中小企業、もしくは個人のフリーランスの人たちが、ストックビジネスを構築しやすい環境が整ってきたと言われています。
事業を拡大する会社は、ストック収入が欠かせないビジネスモデルのため、その数を増やしていくことが必要になってきます。
先行き不透明な今の時代に、ストックビジネスはなくてはならないものになってくるでしょう。