【個人事業主ならなんでも経費になる?】フリーランスの経費まるわかり
個人事業主にとって節税対策といえば、まずは経費の計上ですね。
そこで「個人事業主ならなんでも経費にできる」と聞いたことがある人もいるはず。
経費分は所得から引くことができ、課税対象の所得が減るほど税金も減ります。
できるだけ経費を計上した方が節税対策になりますが、なんでも経費にしていいものでしょうか?
結論としては、個人事業主だからといってなんでも経費にするのはよくありません。
場合によっては税務署にばれてしまい、罰として追徴税が課せられる可能性があります。
▼この記事はこんな人におすすめ!
・経費にしていい範囲を知りたい人
・アウトな経費の判断基準を知りたい人
・まっとうに節税をする方法
この記事では、個人事業主が知っておくべき経費の範囲について、詳しくご紹介します。
個人事業主ならなんでも経費になる?
個人事業主だからといって、なんでも経費にしていいわけではありません。
利用目的が仕事関係である場合にだけ、経費にしていいとされています。
たとえば、取引先との会食費用を経費にできるのは納得です。
では、自分ひとりで利用したカフェは、経費にしてもいいのでしょうか?
回答としては、利用目的によります。
業務をするためだけに利用したカフェなら、経費にしても問題はないかもしれません。
でも、コーヒーと一緒に食事をとったなら、お腹を満たすために利用したプライベート利用と判断されてしまうため、経費にするのはグレーゾーンです。
ただし食事が取材目的である場合や、事業が飲食関係である場合には、仕事に必須の費用として経費計上が認められるケースもあります。
その費用が「生活をするために必要」なのか「業務をするために必要」なのかを判断する必要があるということです。
個人事業主はなんでも経費に…ならない!判断基準とは?
どこまでを経費にできるかどうかは、明確に法律で決められたものではありません。
では「危ない橋は渡りたくないし、グレーゾーンは経費から外しておこう」とすべきかというと、そうでもないです。
そこで基準となるのは、下記のような点です。
①税務調査官が人として納得できる理由がある
②業務がなければ支払いが不要であった
それぞれについてご紹介します。
【経費の判断基準①】税務調査官が人として納得できる理由がある
経費として計上したときに「これは事業用に利用しているものです。だから経費にしました」と堂々と胸を張って言えるかどうかを考えてみましょう。
法律上で明確な基準がないことに対しては、税務調査官も人として判断をします。
「たしかにこういう理由なら、事業用と判断するのもおかしくないだろう」と判断してもらえればいいわけですが、調査官によっても判断感覚が異なるのは事実です。
どんな調査官が相手でも納得してもらえるような理由を用意できれば、堂々と経費計上していいと考えましょう。
個人事業主がプライベートとの境界線があいまいになってしまうのは、よくあることです。
でも、悪意をもってプライベート費用を計上しているか、そうでないかは調査官にとって重要な判断基準になります。
嘘の計上は重い罰金の対象になりますが、たまたま間違ってしまっただけならそこまで問題にはなりません。
あくまで不正と判断されないように経費かどうかを見極めていきましょう。
【経費の判断基準②】業務がなければ支払いが不要であった
経費にしていいかどうかを判断するときには「業務がなければ支払いが不要であったかどうか」を考えてみてください。
たとえばカメラを購入するとき、その事業をしていなければ撮影する機会はなく、個人的に購入することがなかったのであれば、堂々と経費計上してもいいでしょう。
一方で「子供の写真を撮りたいし、事業にも使えるから一石二鳥!」という状況なら、家事按分を検討した方がいいこともあります。
ほかにも個人事業主なら、仕事用にきちんとした服が必要になることもあるでしょう。
たとえばスーツを購入した場合や、きれいめで私服としては利用しない洋服を購入した場合には、経費として計上しても問題ないことが多いです。
一方で、明らかにプライベート利用を目的としている洋服であれば、税務調査がきたときにアウトと判断されてしまいます。
もしモデル業をやっている場合などでどうしても必要だった場合には経費になるものもありますが、ジーンズやスニーカーを仕事用として購入するというのはなかなか考えにくいはずです。
(カジュアルな撮影ならあるかもしれませんが)
個人事業主がすべき経費処理・課税所得の減らし方
「事業に関係あるものなら経費にしていいから」という理由で、年末にギリギリ税金をおさえようと節税対策として飲み歩く人がいます。
このような飲み会の相手が事業関係者であれば、経費として認めてもらうことは自体は可能です。
でも、経費を払うことにより手元のお金はなくなっているわけで、節税対策の根本的な目的である「資産を残す」ことに貢献できているかというと…無駄遣いの色が強いかもしれませんね。
そこで、なるべく無駄遣いをせずに節税するためにできることをご紹介します。
①事業の投資になるものを選ぶ
②控除額を増やし課税所得を減らす
③税理士に確定申告を任せる
それぞれ詳しくお伝えします。
【ポイント①】事業の投資になるものを選ぶ
事業のためになっているものであれば、経費として支払いをする価値があるでしょう。
一方で事業の利益にならないものにお金を払ってしまえば、それは節税ではなく浪費です。
事業に関わることであれば、経費として計上することは可能です。
ところが「経費」でも「出費」であることにかわりはないため、事業の利益にならないものに手元の財産を流すのは、ただの浪費になってしまいます。
せっかく経費計上できるなら浪費ではなく、今後の利益を増やすための「投資」として支払えるものを選ぶのがおすすめです。
【ポイント②】控除額を増やし課税所得を減らす
節税対策としてできることは、経費計上だけではありません。
経費計上よりも確実に資産を確保でき、節税対策になるのは、控除額を増やすことです。
たとえば「小規模企業共済」や「iDeCo」などの掛け金は控除対象となるため、1年で数十万円もの課税所得を減らすことができます。
ほかにも「ふるさと納税」なら納税額は変わりませんが、2,000円の費用で特産品をもらうことができるので、「税金を払って資産を失う」という感覚が減るはずです。
確定申告時には青色申告をして、最大の65万円を控除額とするのも大きな節税対策になります。
【ポイント③】税理士に確定申告を任せる
オフィシャルで発表されていることではありませんが、税理士を通していると税務調査に入られにくいと言われています。
税務調査官も人なので、税理士のような税金のプロが経理を管理している個人事業主が相手になるのは、あまり都合がよくないというのは納得できるはず。
税理士はプロ目線で経費などの管理をしてくれるため、個人事業主が自分ひとりで税務処理をするときと比べて、強気で経費計上できる傾向があります。
また、税理士を雇う費用も経費計上ができるため、全体的に節税効果が高いです。
税理士に協力を求めながら、ぬかりなく税金対策をするのが賢いやり方でしょう。
【まとめ】個人事業主はなんでも経費できるわけではない!
個人事業主は法人と同様で、なんでも経費にしていいわけではありません。
あくまで事業のためになっているかどうかが、経費としての判断基準です。
とはいえ個人事業主として事業をしていると、プライベートとあいまいになったり、経理処理にまで手がまわらなくなることもあるでしょう。
タックスボイスでは、確定申告を丸投げできるだけでなく、経費もきちんと計上してくれる税理士を無料でご紹介しています。
税理士にまかせればもちろん、青色申告を使って控除額も最大限に活用可能です。
しっかり節税対策をして損をしたくない個人事業主は、お気軽にご相談ください。