【法人】マンション購入のメリット|法人名義と個人名義、トクなのはどっち?
マンションの購入を検討しているとき、「法人名義にした方が良いのでは?」という考えがふと浮かんだ社長様へ。
前提としてお伝えすると、法人名義でマンションを購入することは可能です。
では、法人名義でマンションを購入するメリットはあるのでしょうか?
〜この記事でわかること〜
・マンションを法人名義で購入するメリット
・個人名義でマンションを購入すべき人とは
・法人名義と個人名義のおすすめケース
結論をお伝えすると、【税制面では法人で購入した方がメリットが大きい】です。
ただし、不動産購入の資金が十分に用意できないなら、個人で購入した方がいい可能性が高いです。
この記事では、マンション購入を法人名義と個人名義どちらでした方が良いのか、最終的にトクなのはどちらなのか、詳しく解説します。
【注意】個人事業主は事業名義で不動産を所有できない!
今回の記事では、法人が不動産を購入できるとお伝えしています。
「法人」には株式会社や合同会社、社団法人などの「法人登記がされている」法人形態の全てが含まれています。
一方で個人事業主は、【屋号などの事業名義】では不動産を購入および所有することはできません。
不動産購入を通して節税対策をしたいなら、法人化するか個人名義で取得する必要があります。
法人化においてはタイミングを間違えると、損失が大きくなってしまうので注意です。
詳しくは別記事で解説しています。
それでは本題に入ります。
法人名義でマンション購入をするメリットとは?
個人事業主の方なら、法人化してでもマンション名義を法人にした方が良いケースもあります。
結論、すでに法人化すべきと判断し、法人成りしているなら、マンション購入は法人名義にした方がトクであることがほとんどです。
例えば、下記のようなメリットがあげられます。
①節税対策になる
②経費の幅が広がる
③赤字が出ても翌年に繰り越せる
④相続税がかからない
上記のメリットは必ずしも全ての法人に当てはまるわけではなく、状況によっては有利に動かないケースがあるため、不動産購入をするなら税理士に相談をすることを強くおすすめします。
それでは、メリットそれぞれについて詳しく解説します。
法人名義でマンション購入のメリット①:節税対策になる
たとえば、マンションの所有期間が5年以下の場合、譲渡所得で課せられる課税額は法人が低くなっています。
個人の税率が39.63%であることに対し、法人の場合は33.583%と、約6%もの差が出るのは大きいでしょう。
不動産投資を視野に入れており、5年以内に売却する予定があるなら、法人名義で不動産売買をするのがおすすめです。
法人名義でマンション購入のメリット②:経費の幅が広がる
不動産を個人で購入した場合には、全て自分のふところにある財布内でやりくりをすることになります。
一方で法人名義で購入した場合、経費として計上できるものが多いです。
・管理費
・修繕費
・賃貸管理代行費用
・租税公課
・火災保険料
・地震保険料
例えば、法人名義で社長の社宅としてマンションを購入した場合、建物の所得費は損金として減価償却することができます。
なお、社長が社宅にタダで住むことはできず、家賃料相当額は徴収されなくてはいけません。
法人名義でマンション購入のメリット③:赤字が出ても翌年に繰り越せる
法人の場合、たとえ、その不動産が自宅だった場合にも、損失を会社の利益と相殺することができます。
さらに、賃貸マンションを法人名義で経営している場合、万が一事業で赤字が出た際には、翌年以降に繰り越すことが可能です。
たとえ翌年に黒字だった場合にも、前年度の繰越赤字と利益を相殺できるため、法人税や住民税がおさえられることがあります。
法人の場合は繰越期間が最長で10年と長いのも大きなメリットです。
法人名義でマンション購入のメリット④:相続税がかからない
マンションを自宅にする場合にも、投資用の不動産にする場合にも、個人名義で購入している場合、不動産の所有者は個人となります。
つまり、該当する不動産を譲渡あるいは相続する場合、贈与税や相続税の支払い義務が生じます。
一方で法人名義で購入した不動産の場合、該当不動産の所有者は個人ではなく法人となります。
この場合、法人が所有している不動産であると判断されるため、例え代表者が亡くなり変わった場合にも、新しい代表者へ相続されるということはありません。
つまり、法人が所有している不動産には贈与税や相続税がかからなくなります。
ただし、株の相続が必要な場合には相続税が生じるため、より厳密に言うなら不要となるのは「登録免許税」や「不動産所得税」です。
これから法人化して不動産購入を視野に入れている人は特に、総合的な節税シミュレーションをしてから実行してください。
素人判断では損をする可能性が高いため、税理士の判断をあおぐことをおすすめします。
個人名義でマンション購入をした方が良いケースとは?
上記のような例を見ると、マンションの購入は常に法人名義でした方が良いように見えるかもしれませんが、そうとは限らないです。
個人名義で購入した方が良いケースの例は、例えば住宅ローンの借り入れをしたいときです。
法人は原則、住宅ローンを利用することができません。
そもそも資金が足りず、ローンをしないと不動産購入ができない場合には、法人名義での不動産購入ができる準備が整っていないと言える可能性も高いです。
法人が融資を受ける場合、事業融資は個人の住宅ローン時と比べて金利が高く設定されていることがほとんどなので、損失も大きくなります。
住宅ローンができなければ、住宅借入金の控除も受けることができなくなります。
住宅ローン控除は、住宅ローン残高が毎年、所得税から1%控除されるという制度です。
個人の場合には控除を10年間受けられるため、法人名義で購入するときと比較してどちらがトクかをシュミレーションしてみましょう。
法人名義でマンションを購入するのは正解?判断は慎重に
ただし、マンション購入の名義に関しては非常に複雑な話になるため、一概に「こうならどっちが良い」とは言い切れないのが正直なところ。
現状だけでなく、今後の収益見込みや相続を視野に入れたとき、正しい答えは変わっていきます。
今回お伝えしたメリットについても、常にそうとは限らないです。
特に不動産の購入にあたり大きな資金が動くため、素人判断ではなく担当の税理士と相談をして慎重に判断することをおすすめします。
法人成りしているなら、すでに税理士を雇っていることがほとんどなはず。
担当の税理士に相談し、アドバイスを仰ぐのが最適です。
【税理士なしで不動産購入は危険!】税務署に目をつけられるかも
もしまだ税理士に依頼をしていないなら、不動産購入は税理士依頼を始める最適なタイミングです。
不動産購入を視野に入れるほど大きな資産を動かす予定があるなら、税務署から脱税を疑われる可能性も高くなります。
タックスボイスでは、お悩みににあわせて税理士を紹介することが可能です。
直接税理士に料金を交渉しにくいという方も、タックスボイスが代わりに交渉させていただくので、相場よりも安くなることが多いです。
税理士への依頼を視野に入れているなら、お気軽にご相談ください。