【法人に税理士がいないのは危険?】信用を失わない会社作りとは?
法人を設立すれば、「税理士をつける」というのが一般的な考え方です。
それは法人の申告書は複雑で、税理士の力を借りずに自分で申告をすれば、余計な時間と手間をかけてしまうことが主な理由です。
しかし中には、会社を設立したのに、税理士に頼んでおらず、
【税務署への届け出も出していない】【申告すらしていない】という相談をいただくことがあります。
今回は「法人に税理士が付いていないのは、信用を失う可能性が高くなるのでリスクが大きい」というお話しをしたいと思います。
法人に税理士がついていないリスク
法人に税理士がついていないリスクについて、3つのポイントをあげていきたいと思います。
リスク1 帳簿を作り忘れてしまう
リスク2 申告を忘れてしまう
リスク3 取引先の信用を失う
それでは順を追って見ていきましょう。
リスク1 帳簿を作り忘れてしまう
帳簿とは、総勘定元帳や仕訳表、現金出納帳など事業の取引を記録した資料です。
個人事業主の時は、確定申告の1週間前くらいから、一気に領収書や請求書を集めて、3月15日のギリギリで申告に間に合わせる方も多いはずです。
当然やっとの事で申告を終わらせたけど、「帳簿は作成していない」という方も少なくありません。
しかし法人になるとそうはいきません。
きちんと帳簿を作成し、7年間はきちんと保管しておく義務があります。
税務調査がきてから過去に遡って慌てて数字を合わせて、帳簿を作成する方もいますが、おそらく間違った帳簿になる可能性が高くなります。
調査が入った時、「この会社はきちんと財務状況を管理していないな」とみられてしまい、定期的に税務調査が入る事も考えられます。
リスク2 申告を忘れてしまう
きちんと申告をされている方にとっては、信じられないかもしれませんが、申告を忘れてしまう事業主がいます。
単純に申告時期を忘れていたという方もいますが、申告自体が面倒だからしないという方もいます。
前者は会社を設立して申告時期を誰にも教えてもらわなかった事、また本業が忙しく、うっかり申告時期を過ぎてしまった事が主な理由です。
会社を設立し、登記を代行をしてもらうのは、行政書士や司法書士の仕事です。
初めてお付き合いをする士業ですが、行政書士や司法書士は会社の決算や申告まではタッチはしておらず、アドバイスをしてくれる方も限られています。
そのため、「誰も申告時期を教えてくれなかった」このような事態に陥ってしまうのです。
しかし悪質なのは、申告自体面倒だからしないという方です。
このような心理の方がいる事も事実です。
無申告の代表的な例として、先日芸能界にこんなニュースが流れました。
【チュートリアルの徳井さんが申告漏れを指摘された!】
最近ではチュートリアルの徳井義実さんが、申告漏れと所得隠しで多額の追徴課税とペナルティを受けました。
その額は3700万円以上。
会社を設立してから、9年間、期限内に申告をした事がなく、無申告だったから驚きです。結果的に信用を失くし、芸能界からも姿を消していきました。
これは顧問税理士が付いていなかった事に由来します。
顧問税理士が付いていれば、きちんと監視の目があり、催促があったと思いますが、毎月みてくれる税理士はいなかったとの事で取引の信用を失ってしまいました。
リスク3 取引先の信用を失う
徳井さんの話に通じるところがありますが、申告をしていない為に取引先の信用を失うことが考えられます。
2期連続で申告をしなければ青色申告が取り消されてしまいます。
取引先も「この会社はきちんとしていない」と判断して、取引を中止する可能性もあります。財務状況を理解し、ブラックな要素がない会社と付き合いたいと思うはずですし、大手企業ほど、シビアにビジネスの相手を見ます。
税理士がいなかったがゆえに、申告の意識が薄くなり、将来に渡って取引できる仕事を失い、何十億という損失があっては、デメリットしかありません。
以上が考えられる3つのリスクになります。
税理士をつけないと会社の信用を失う可能性が高くなる可能性があることがわかりました。
それでは次に税理士をつけるタイミングはいつ頃がいいか?お話ししたいと思います。
税理士をつけるタイミングはいつがいいか?
ベストのタイミングは【会社設立と同時に付き合うこと】がいいと思います。
期のスタートから付き合う事で、税理士も内容が把握しやすいですし、適切な会計処理ができるというメリットがあります。
もちろん顧問契約をした方が、税理士側も手厚いサービスができますので、年商規模が上がる見込みがあったら、顧問契約をする事をおすすめします。
税理士事務所によってはスタートアップ企業に、【顧問料を安く設定している】ところが多くあります。
最初のハードルを低くして付き合う事で、税理士の相性や仕事振りを確かめたいという方にとっては、税理士に【スタートアップ割】を打診して見るのもベストです。
期の途中でも関与は可能か?
期の途中からでも税理士との関与が可能です。
しかし決算の直前は、税理士も対応に困ってしまいます。短期間で会計処理をおこなう分、時間を大幅に割かなければならないからです。
場合によっては、断る方も出てくるでしょう。決算期から3ヶ月前以上、余裕を持って税理士に依頼されることをおすすめします。
また未申告の期からやってほしいという方もいると思います。
ここでも税理士で対応できる方とできない方が分かれます。
税理士が一番気になるのが、「この人はちゃんと料金を払ってくれるのか?」という気持ちがあります。
未申告ということは、「この社長はルーズな人かもしれない」と判断されてしまうからです。
場合によっては、申告料金の半分を最初に請求するという税理士事務所もありますので、事前確認が必要です。
【まとめ】税理士に任せる事で効率的になる!
今回は税理士に頼まないリスクについてお話ししました。
個人事業主の確定申告はシンプルなもので、自分で青色申告ができた方も多いと思います。
しかし法人の確定申告書は複雑でその量は膨大です。計算自体も難しい為、よほど時間がある方以外は、税理士に依頼した方が、効率的です。
届出の時期や、あらゆる税金を毎年気にしなければなりません。
税理士の管理のもと、会社を見てもらうことで、社長は本業に集中でき、切り離して考えることができます。