税理士の毎月訪問は絶対必要なのか?
税理士と顧問契約を結ぶとき【税理士がどれだけ御社に訪問してくれるか?】を事前に決めることは大切です。
それは契約した後、税理士が全く訪問をしてくれない、そんなに訪問は必要ないのに!などお互いの考え方にギャップが生まれてしまう事を避けるためです。
訪問回数をある程度決めることで、税理士も顧問料を決めやすくなります。
今回は税理士の訪問回数について、特に毎月訪問は絶対必要なのか?ついてお話ししたいと思います。
税理士の毎月訪問は何をしてくれるのか?
税理士が毎月行うサービスとは?
税理士が毎月1回訪問した際に行うサービスとしては以下が挙げられます。
- 帳簿のチェック
- 節税アドバイス
- 現状のヒアリングと問題点の洗い出し
- 税務相談
以上が一般的な毎月の顧問サービスです。
訪問時間は帳簿のチェックに時間を多く割きますが、チェックする項目が多ければ、半日から丸一日、顧問先に滞在するケースもあります。
顧問契約と聞くと、毎月訪問をするのが当たり前と思う社長様もいると思いますが、最近は訪問回数を減らすことで、お互いにいい付き合い方をしようと考える社長様も増えてきました。
しかしTKCの会計事務所は原則毎月1回訪問をしていますので、選択の余地がなかったりします。
【TKCの会計事務所とは?】
TKCとは会計事務所に情報サービスを展開している会社です。
税理士がTKCに加盟することによって、様々な情報サービスを受けることができるのです。情報サービスを受けるだけでなく、TKC会員同士、意識の共有を図ったり、顧客拡大ノウハウを共有もしています。
現在の税理士の登録者数は全国で7万人を超えていると言われています。その中でTKCに加盟している税理士は1万人ほどおり、割合にして7人に1人の税理士がTKCに加盟している計算になっています。
TKCは毎月監査を徹底している
TKCに加盟している税理士が徹底していることがあります。
それは、毎月必ず巡回監査をするというものです。
これはTKCに加盟している税理士事務所の特徴といえます。
毎月訪問を求めている会社にはいいサービスに当てはまりますが、訪問は数ヶ月に1回でいいと思っている社長様にとっては柔軟にサービスに対応できないことがデメリットに思えてしまいます。
また月次監査をする分、顧問料金も高い傾向にあります。今TKCの会計事務所とお付き合いがある会社様は、ほかの税理士事務所も比較することで、顧問料が下がる余地があります。
ぜひ一度確認をしてみてください。
毎月訪問は会社も求めているのか?
毎月訪問を会社側も絶対求めているかは少し疑問です。
社長の話を聞くと、そこまで必要には思っていないけど、税理士側が毎月1回訪問を徹底するので、それに合わせている社長様が多いことに気づきます。
「そういうものなのか」とあまり気にとめていない社長もいる中で、必要性をあまり認識していない会社にとっては、無駄な時間になり、高い顧問料を支払わなくてはなりません。
経費削減を求めているなら訪問回数の見直しを!
毎月訪問をすることで顧問料が上がる
訪問をするということはそれだけ税理士側も労力がかかります。
労力以外に、交通費や人件費、時間コストなどそのぶん経費もかかるからです。
当然3ヶ月に1回訪問と1ヶ月に1回訪問では後者のほうが金額が上がります。少しでも経費削減を求めている社長は訪問を見直しすることをお勧めします。
ITツールでコミュニケーションは十分図れる!
若い経営者に多いですが、ITツールでコミュニケーションを図るかたも増えてきました。
会計に関するITツールで代表的なものがクラウド会計です。
クラウド会計はオンラインで税理士事務所と繋がることができ、同じ画面を一緒に見ながら手直しができる点がメリットです。そのため必ずしも会社で一緒に帳簿を合わせる作業は必要がなくなってきています。
スカイプやチャットワークを使うことで直接顔を会わなくても、打ち合わせが可能になりました。毎月1回を徹底しなくても、時間が空いたときにコミュニケーションは取れますし、どうしても直接の打ち合わせが必要な場合は、数ヶ月に1回のペースで問題はなくなります。
会社側は毎月支払う顧問料を削減でき、税理士側も行く手間を省くことができれば双方メリットがあります。
昔ながらの税理士は、毎月訪問で何をしているのか?
昔ながらの税理士さんが毎月御社に訪問して何をしているのか?社長様に話しを聞くと、
以下の内容を答えられる方が多いです。
- 顧問料をもらいにいく
- 必要のない無駄話しをする
- 書類の受け渡しのみ
毎月訪問は本来すべき顧問サービスとは違い、税理士側の理由もしくは訪問しなくても事足りる内容であったりします。
税理士側も毎月訪問を強要することにより、通常より高い顧問料を負担させたり、交通費を請求したりする税理士もいます。
社長が値下げ交渉をするために【顧問料が高くないですか?】と聞けば、税理士側では【御社には毎月訪問してるから、金額が高い】ことを理由にされてしまい、交渉も上手く行かないことが多いです。
社長はそこまで毎月訪問を求めていない!
実際そこまで毎月訪問を求めていない社長が多いです。
本業も忙しい社長は、きちんと毎月時間を取るというのが、難しいと話される方も多いです。時間をせっかく取っても、必要のないことに時間を取られては、貴重な時間を無駄にしてしまいます。
毎月訪問しても少人数で経営している会社は話す事もなく、内容も限られてきます。
経理担当者も時間拘束されてしまうので、そこまで訪問してもらわなくてもいいという会社も増えてきました。
毎月訪問をした方がいい会社は?
規模の大きい会社で税理士に少し踏み込んだ立場を求めている会社は税理士に毎月訪問をされた方がいいと思います。
規模の大きい会社はそれだけ毎月お金の動きが頻繁にありますし、その動きをキャッチしなければ、税理士もアドバイスができません。小さなことでも相談できるよう信頼関係を構築することで社長の期待に応えようよとします。
いわば財務パートナーの役割を担う場合は毎月訪問をして相談にする事はメリットです。
毎月訪問をしなくても月次決算(月次チェック)は毎月してもらった方がいい!
会社の状況によって訪問回数を変えることをお話ししてきましたが、毎月の月次チェックは1ヶ月に1回行なうことをおすすめします。
クラウド会計を導入している会社は毎月の動きをリアルにチェックする事ができますが、導入していないところは資料を送って翌月の10日までに試算表を出してもらう事が必要です。
また弥生会計などに打ち込みをしているところは、税理士に会計チェックを同様の期間で行なってもらうことをお勧めします。
会社の内部状況をきちんと把握する事で、会社経営に内容を反映させていかなければならないためです。
【まとめ】社長の希望に合わせて柔軟に対応してくれる税理士を選ぶ
社長が求めていることに柔軟に対応してくれる税理士事務所が一番です。
うちは毎月訪問しかしません!と税理士言われてしまえば、数ヶ月に1回でいいと考える社長の考え方にギャップがあります。
税理士の方針だからと思ってもその後の違和感はどうしてもぬぐえません。
そうならないためにも社長の希望にしっかり沿う税理士を選ぶのがベストです。