フリーランスから法人化を検討すべき時期&知っておくべき注意点

 

フリーランスとして働いていると、利益が大きくなったり、事業幅が広がるなどをきっかけに「法人にした方が良いかも…?」と思うタイミングがくるかもしれません。

 

では、フリーランスが法人化を検討すべき時期は、いつがベストなのでしょうか?

 

▼この記事でわかること
・フリーランスが法人化を検討すべき時期
・法人化を考えるフリーランスがおさえるべき注意点
・フリーランスが法人化するときにすべきこと

 

この記事では、フリーランスが法人化を検討するべきタイミングや、法人化する前に知っておくべき注意点をご紹介します。

 

記事の最後には「よし、法人化しよう!」と決めたフリーランスがまずすべきこともお伝えするので、事業や利益の拡大を目指している人は参考にしてみてください。

 

結論からお伝えすると、フリーランスが法人化を検討すべきタイミングは、課税所得が800万円を超えたとき、あるいは課税売上が1,000万円を超えそうなときです。

 

この記事で、詳しく解説します。

 

 

目次

フリーランスと法人の違いとは?

 

フリーランスと法人の違いは主に、法務局へ設立登記をしているかどうかです。

フリーランス(個人事業主)は設立登記が不要で、資本金を用意する必要もありません。

 

原則としては開業届を出してから個人事業主になれますが、提出はあくまで任意であり、義務ではないです。

 

また、フリーランスと法人では税金の仕組みも異なり、申告方法や必要書類も大きく違います。

 

フリーランス時代は自力で確定申告をしていた、という人も、法人化する場合には顧問税理士を雇い、記帳をはじめ経理まわりを任せることになるでしょう。

 

フリーランスが法人化すべき時期がくる理由とは?

 

フリーランスが法人化する理由は主に、節税対策です。

日本では、利益が大きいほど税率が高くなる「累進課税」制度をとっています。

 

フリーランスや個人事業主が負担しなくてはいけない税率は最大で45%と、所得のほとんど半分です。

 

一方で法人の場合には最高税率が23.2%と、フリーランスと比べると低く設定されています。

 

フリーランスが法人化すべき時期とは?

 

フリーランスが法人化を考え始めとすべき時期は、事業内容や働きかたによっても異なります。

 

一概に「このタイミングで法人化した方が良い!」というルールはありませんが、基本的な判断基準としては主に2つあります。

①課税所得が800万円を超えたとき
②売上が1,000万円を超えそうなとき

 

厳密にいうと上記が当てはまらない可能性は大いにありうるため、収益が伸びてきた段階で税理士に相談することを強くおすすめします。

 

とはいえ、まずは自分で考えてみたい、という方に向けて、基本的な判断基準の理由をお伝えしていきます。

 

【法人化する時期①】課税所得が800万円を超えたとき

 

フリーランスの所得税率が7段階に細かく分けられていることに対し、法人税率は年間800万円以下の部分が15%、それ以上の部分が23.2%と設定されています。

 

フリーランスの所得が8,999,000円までの場合には23%、超えると33%に跳ね上がるため、まず1つの法人化のタイミングは8,999,000円を超えたときです。

法人であれば800万円以下の部分は15%を適用できることや、控除額、その他の法人経営費用を考えると、800万円を超えた時点で法人化がベストな傾向があります。

 

【法人化する時期②】売上が1,000万円を超えそうなとき

 

課税売上高が1,000万円を超えた事業者は、消費税の課税事業主となり、納税義務がうまれます。

 

基準期間は2期前であり、1,000万円を超えた年にすぐ消費税の支払い義務が生じるわけではありません。

 

フリーランスのまま課税売上高が1,000万円を超えた場合、フリーランス本人に消費税の支払い義務が生じます。

一方で法人化をしておけば、法人に支払い義務が生じることになります。

 

個人の資産を守るためには、1,000万円を超える前に法人化を検討すべきでしょう。

また、法人化した場合には、設立から2期までは消費税が免税されます。

 

つまり、1期目で課税売上が1,000万円を超えた場合にも、2期までは免税事業者として消費税の支払いが免除されるということです。

 

ただし消費税に関しては、2023年10月以降から導入されるインボイス制度が深く関わります。

一概に免税事業者であることがいいとは限らないので、1,000万円を超えるタイミングは税理士からの助けが必須になるタイミングだと考えると良いでしょう。

 

フリーランスが法人化をするときの注意点とは?

 

フリーランスが法人化をするタイミングは主に、収益が伸びてきたタイミングだと思って問題ありません。

 

しかし、法人化をするためには費用がかかります。

 

さらに、今まで自由度が高いフリーランスとしての働き方に慣れていると、法人としての制約が増えるため面倒な部分も出てくるでしょう。

▼フリーランスが法人化するときの注意点
①時間と費用がかかる
②事務所が必要になる
③経理が本格化する

それぞれ解説していきます。

 

【法人化するときの注意点①】時間と費用がかかる

 

法人化をするときには、一定以上の時間と費用がかかります。

たとえば下記は、法人化にあたり必ず必要になる費用です。

・登記代
・印紙代
・社会保険料
・法人住民税
・事務所の家賃

 

株式会社を設立する場合には、登記代や印紙代だけでも25万円前後が必要になります。

 

【法人化するときの注意点②】事務所が必要になる

 

法人化をする場合には、設立登記のために事務所を設置する必要があります。(バーチャルオフィスでもOK)

自宅を事務所として登録することもできますが、その場合には住所を公開しなくてはいけなくなるため、プライバシー面であまりおすすめできません。

 

利用用途も限られるため、事務所を借りて、住所とする人が多いです。

 

【法人化するときの注意点③】経理が本格化する

 

法人化すると、経理面が複雑になります。

フリーランス時代には自分ひとりでなんとか確定申告をしていた場合にも、法人化をすると簡単にはいきません。

 

経理まわりについては、ほとんどの人が税理士に依頼します。

 

プロに任せてしまえば解決する部分なので、多少の費用はかかりますが、あまり心配する必要の少ない部分です。

 

フリーランスが法人化する方法とは?

 

フリーランスが法人化をするときには、いくつかの作業を同時に行う必要があります。

・法人設立登記
・個人事業主の廃業の手続き
・銀行口座やクレジットカードの作成
・経理まわりの見直し
・節税対策

 

事業主本人にしかできないこともあれば、税理士などのプロに丸投げできる業務もあります。

 

全て自分でおこなうには時間と手間がかかりすぎるため、多くの事業主が法人化のタイミングで税理士を雇い、二人三脚で法人化にいどんでいます。

 

【まとめ】事業拡大したいフリーランスは法人化を検討しよう

 

現在すでに事業がうまくいっており、課税所得が800万円を超えている場合や、1,000万円を目前としている場合には、法人化を検討すべきタイミングでしょう。

 

ただし、法人になるということは今後、帳簿付けや申告に手間がかかるため、本格的に始動するつもりでひと踏ん張りする必要があります。

 


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この記事を書いた人

株式会社トライパートナーズ 代表取締役 山崎友也

当サイト「タックスボイス」運営者です。

相談実績1,000件以上。

税理士紹介のコーディネーターをしています。
日々電車に揺られ西に東に奔走しています。

税理士さんについて知らない社長さまも多く、考え方のギャップを
埋めたい!と思いブログサイトを立ち上げました。

IT、建設業、美容室、飲食店、eBay、せどり、不動産業、エンジニアなど。

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