【現金出納帳】手書きじゃないとダメ?手書きはダメ?どっちが正しい?
「現金出納帳は手書きじゃないとダメ」と言われることがあります。
でも反対に、「現金出納帳は手書きはダメ」と言われることもあります。
いったいどちらが正しいのでしょうか?
結論をお伝えすると、どちらでも問題はありません。
重要なのは内容であって、手書きかどうかは問題ではないのです。
とはいえ、「手書きじゃないとダメ」とか「手書きではダメ」と言う人たちにも、理由があります。
▼この記事でわかること
・現金出納帳をつける理由
・現金出納帳が不要なケース
・現金出納帳を手書きにすべき理由
・現金出納帳を手書きにすべきではない理由
まず、現金出納帳が必要な理由はご存知でしょうか?
現金出納帳の必要性を理解した上で、自分の事業の場合に手書きが必要かどうかを判断してみてください。
この記事では、現金出納帳が必要だと思っている方に向けて、現金出納帳がどんなものなのかをしっかり理解できるよう解説します!
そもそも現金出納帳をつける理由とは?
そもそも、現金出納帳(げんきんすいとうちょう)が必要な理由は、何でしょうか?
現金出納帳が必要な理由は、主に下記のような理由です。
・経費漏れを防ぐため
・不正をなくすため
・税務調査時の証明にするため
現金出納帳とは、現金の入出金を表すことで「現金が今どれだけどこにあり、何に使われたか」を説明するための表です。
現金は一度おろすと、行き先がわからなくなりがちになります。
というのも、通帳からおろされた現金が全て「経費」として記録されているだけでは、内容をいくらでも不正できてしまうはず。
そこで、「おろした後の現金の使われ方と、あり場所にも記録をつけよう」というのが現金出納帳の目的です。
おろした現金が
・どこにあるのか
・何に使われたのか
・いくら残っているのか
これらを証明するために必要とされています。
基本的には入出金や決済時など、お金の動きがあった時点で記録するものなので、「現金出納帳の残高」と「手持ちの現金」は同じになるはずです。
もし現金出納帳の残高がマイナスになっていたら、どこかで管理ミスが起きているということ。
あるはずの現金がどこかに消えてしまっているのは、おかしいですよね。
つまり現金出納帳は、資産をきちんと管理し、それを証明するために必要になります。
現金出納帳を作らなくてもよい場合とは?
現金出納帳は、現金の動きを記録するためのものです。
つまり、現金出納帳が不要になるのは、現金を全く使っていないケースです。
・決済は全て預金を使う
・クレジットカードで買い物をする
・収支は銀行振込だけを使う
・電子マネーだけで完結させる
上記のように、現金をおろす機会が一切ないのであれば、現金出納帳は作る必要がありません。
なお、仕入れや決済、支出、経費…全てのお金の動きがオンライン上に記録されている必要があります。
つまり、完璧なキャッシュレス状態であれば、現金の動きを証明する現金出納帳は不要です。
大切なのは、お金の動きを証明できるかどうかということです。
現金出納帳を手書きにする3つの理由
現金出納帳はエクセルなどを使って提出することもできます。
しかし、「現金出納帳は手書きじゃないとダメ!」という人は少なくありません。
主な理由としては、下記があげられます。
①経営状況を実感できる
②節約につながる
③嘘をつきにくくなる
「手書きじゃないとダメ」というのはあくまで「手書きにした方が良い」という意味であり、法律の決まり事などという意味ではありません。
つまり、手書きにしても、手書きにしなくても、問題はないです。
それでも「手書きじゃなきゃダメ!」と言うほど推奨する人がいる理由を解説します。
現金出納帳を手書きにする理由①:経営状況を実感できる
パソコンなどでエクセルや会計ソフトを使う場合と比べて、自分の手を動かす方が経営状況を実感できると考える人がいます。
デジタルで記録する場合にも人の手は必要ですが、利用するほどに転記の自動化がスムーズになるなど、作業が楽になりがちです。
経営状況を自分の目で確認しながら記録をすることは、業績アップにもつながるかもしれません。
現金出納帳を手書きにする理由②:節約につながる
普段「なんとなく」払ってしまっているお金も、自分の手で記録をすることでしっかりと向き合う機会になります。
無駄遣いに目がいくようになったり、「記録が面倒だから」という理由でより効率的に動けるようになるかもしれません。
お金の動きを細かく把握しておきたいというときは、手書きで現金出納帳をつけた方が良い場合もありますね。
現金出納帳を手書きにする理由③:嘘をつきにくくなる
手書きをするとミスをした場合にどうしても、消して書き直すという動作が必要になります。
そこで、何度も訂正をした跡があると、改ざんしている可能性を見極めることができるという人がいるようです。
嘘がないことを証明するために、あえて手書きで提出することが良いと言われることがあります。
現金出納帳を手書きにすべきではない3つの理由
それでは、現金出納帳を手書きにすべきではない理由もご紹介していきます。
①ミスがなおしにくい
②作業が非効率的
③書き方を覚えなくてはいけない
アナログしかなかった時代と比べて、現代ではエクセルや会計ソフトで効率的に作業ができるようになりました。
手書き以外の方法がある今、手書きにすべきではない理由も知った上で、どちらの方が良いかを判断してみてください。
現金出納帳の手書きはNGな理由①:ミスがなおしにくい
万が一ミスが起きてしまった場合に、手書きの場合には訂正に時間がかかります。
さらに、人が書く文字にはクセや疲れが出てしまうものなので、文字の乱れや見間違いやがミスを発生させる可能性も。
現金出納帳をもとに作る総勘定元帳への転記時には、同じ数字を繰り返し書く必要も出てきます。
ひとつのミスがあると、ミスから連なる広範囲のやり直しを必要にすることもあるので、手書きを訂正するリスクが大きいです。
現金出納帳の手書きはNGな理由②:作業が非効率的
一つひとつ手作業で数字を入れていくというのは、パソコンへ数字を入力する場合と比べて手間です。
特に、パソコンなら一瞬で終わる転記にも、手書きでは倍の手間と時間を要することになります。
同じ記録を何度も手書きで写さなくてはいけないのは非効率的のため、その時間を業務にあてたいと考える経営者さんは多いです。
現金出納帳の手書きがNGな理由③:書き方を覚えなくてはいけない
手書きをする場合には、書き方から学習し覚える必要があります。
一方で会計ソフトを使えば、指示通りに数値を打ち込むだけで形になるのでお手軽です。
スキルとして習得したいというのであれば学習するのも良いですが、デジタルやAIが発展する将来的には、このスキルが必要とされる可能性は低いかもしれません。
まとめ:現金出納帳は手書きじゃないとダメ?→決まりはない!
現金出納帳は、手書きでもデジタルでも、問題ありません。
自分のやりやすい方で作成すれば良いですが、おすすめなのはデジタルです。
現金出納帳の記録が実際の現金の動きと一致していなくては不自然なので、まとめてではなく日頃から記録することを心がけてみてください。
「現金出納帳を自分で作る暇がない」
「現金出納帳の書き方を学ぶ時間がない」
「現金出納帳を自分で作れる自信がない」
このような人は、税理士に業務を丸投げしてみてはいかがでしょうか。
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