【税理士への断り方】税理士を断るときはこう言えばいい!
税理士に断りを入れるとき、このように感じる方も少なくありません。
この記事では私が、【税理士の変更の現場】に多く直面した経験の中で、ストレスがなく今までの税理士と円満に解約させる方法をお話しします。
税理士側にとっても、社長様にとっても穏便に解決できるよう、様々な税理士の変更に成功して来た経験から、中立の立場でお話ししたいと思います。
ぜひご参考ください。
税理士に変更を伝えるとき何て言えばいいのか?
税理士に変更を伝えるとき、一番いいのは「当たり障りのないこと」を言うことです。
もっと言えば「やむを得ない事情で断ること」が一番です。
税理士さんも長年付き合っていたお客さんから断られるのは、気分のいいものではありません。
断る方も、税理士の気持ちを考えると、気持ちのいいものではないはずです。
税理士にもプライドがありますので、なるべく傷つけないでいうのが良いトークです。
一番いいのが下の3つです。
- 身内が税理士になったのでその方にお任せすることにした。
- 取引先の会社に勧められた税理士にお願いすることにした。
- 親しい社長仲間に勧められた税理士にお願いすることにした。
いずれも「先生は悪くないけど、やむを得ない事情で解約をします」という言い方です。
3つのトークは全て、社長と関わりの深い人が関係しています。
ここまで言えば、税理士側も「納得される方」が多く、きちんと断りに応じてくれるはずです。
反対にダメな例です。
- 先生より安いところ見つけたから、他に決めたよ
- 担当者の質が良くないから、いい担当者がいるところに決めたよ
- もっと業界に詳しい人に任せることにしたよ
全て税理士事務所に非があるように言い方です。
あんまりないと思いますが、ストレートに不満を言うことは
「ケンカ別れ」を招いてしまうのでやめておきましょう。
税理士との付き合いは、資料を返してもらうところまでが付き合いです。
ストレートに不満を言って、税理士を傷つけてしまい、資料を返却してもらえないことも考えられます。
次の税理士に引き継ぐ上で支障が出ますので、絶対言ってはいけないNGトークです。
事務員さんに契約解除を言ってもダメ、所長に直接いうべき!
事務員さんに直接契約解除を言っても応じてくれない、場合があります。
契約解除は所長に直接いうべきです。
いつも接している事務員さんに解約をいうのは簡単ですが、所長に伝わるまで時間がかかってしまうことが考えられます。
事務員さんも「お客さんから契約を解消された」ことは所長には言いづらいはずです。
そのため、直接所長に言って契約を解除してもらうことが一番です。
税理士は契約を拒否してくる可能性もある。なぜ?
すんなり契約解除に応じてくれればいいのですが、場合によっては「納得できず引き留めにかかる税理士さん」もいます。
ちゃんと理由がありますので、税理士さん側の考えを理解しておくことも大切です。
(理由1)いいお客さんだから!
御社がいいお客さんであればあるほど、手放したくないのです。
いいお客さんの条件は、「顧問料を高く支払っている」だけではありません。
- きちんと決めたことを行なってくれる
- 資料の受け渡しがスムーズ
- 社長の人柄がいい(会社の雰囲気がいい)
これにプラスして、税理士の作業が少なく、顧問料が高ければ「いいお客さん」という判断になり、他の税理士に渡したくなくなるのです。
あらゆる引き留め工作にあうことも珍しくありません。
変更を躊躇してしまう事もあるかもしれませんが、今までの付き合い方を振り返って、それでも税理士の変更を希望する方が多くいます。
もし断りづらくなってしまった場合は、顧問契約解約通知書を送る事で明確な意思を示す事が出来ます。
必要な方はぜひご活用ください。
その他に、税理士さんが契約を拒否する理由は以下の事が考えられます。
(理由2)自分のミスを相手の税理士に知られたくない!
上記の理由もあります。
税理士さん側も長い間、関与していると、「致命的にならないミス」が存在している可能性があります。
例えば、間違った処理をしてしまったけど、長年任せっきりにしてしまったため、税理士さんしか気づいていないミスがあります。
税務調査が入る事がなければ明るみに出ることもありません。
しかも税務調査が入っても最長5年〜7年しか調査対象になりません。
これは会社の帳簿の保管義務が5年〜7年のためです。
つまり過去のミスは風化してしまうため、時効になってしまうのです。
しかし対象期間で税理士を変更されてしまうと、他の税理士に自分のミスがわかってしまい、自らの評判を落とすことにもつながってしまうのです。
そのため、契約解除を拒否し、ミスを知られたくないよう、強い引き留めにあうことがあります。
(理由3)新規開拓に困っているから!
通常、税理士の仕事はあまり切り替えが起きない業種です。
税理士さんと40年以上付き合う方もいます。
切り替えがなかなか起きないからこそ、新陳代謝が悪く、開業したばかりの税理士は新しいお客さんをなかなか獲得できないと言われています。
新規開拓でバンバンとっている税理士さんは、次のお客さんがいるので、あまり未練なく手放すケースが多いです。
ちなみに新規開拓が進んでいる税理士さんは、
●ネットでの露出が多い
●広告を多く打っている
●人を多く採用しているなど
事業拡大の為に、色々施策を練っていますので、判断がつきやすいと思います。
しかし新規開拓がなかなか進まない税理士さんだと、既存のお客さんには離れてしまっては困るのです。契約解除されてしまうと大変なのです。
地域柄もあるとは思いますが、囲い込みが激しい税理士さんは、すんなりいかないケースも多くあります。
契約解除に応じてくれない場合はどうする??
強い引き留めにあい、契約解除に応じてくれない場合は、その税理士が在籍している
税理士会に相談するのは一つの手です。
「これは解除したときに資料を返却してもらえない場合も同じ」で税理士会に相談することが一番です。
時間稼ぎしてなかなか取り持ってくれない、土俵に上がって来ないので関係を断つこともできない事業主も多くいます。
税理士会に「税理士に契約を解除したけど、応じてくれない」ことを相談し、直接担当者からその税理士に話してもらうのです。
納税者のデメリットになってはならない為、きちんと対処してくれるはずです。
返却してもらう書類は??
もちろん会社で保管していれば問題ないのですが、税理士が所有しているケースも珍しくありません。新しい税理士に引き継ぐためには以下の書類の準備が必要です。
決算書2〜3期分
総勘定元帳2〜3期分
試算表、仕訳帳
領収書、請求書など
給与関係書類
会計データ
以上です。
引き継ぐ税理士さんによっても必要な書類は変わってきますので、確認が必要です。
【まとめ】契約解除には複数の壁が存在する
今回は契約解除のトークと円満に税理士と解約するためのお話しをしました。
契約解除には複数の壁が存在します。
●断り方、およびタイミング
●前税理士のあらゆる引き留め
●資料の引き継ぎ などです。
長年お世話になった税理士さんに契約解除の話をするのは、どうしても腰が重たくなります。
従業員にも相談できないナイーブな話のため、もし税理士の解除に関して、不安やお困りのことがございましたら、ぜひご相談ください。