銀行融資を断られる会社の特徴は?融資否認の理由と対策
銀行が融資を実行するうえで、判断基準とする項目は大きく3つあります。
3つの項目に問題があると、融資を断られる可能性が高くなります。
・資金使途が妥当か
・返済能力があるか
・融資期間中に会社が倒産しないか
つまり、会社が融資を申し込む際には、これらに問題がないことを証明し、銀行を納得させなければなりません。
この記事では、融資を断られる理由を解説し、問題解決のための対策を紹介します。
現在の業績で融資を受けられるのか気になる方や、融資を受けるための対策を検討されている方は、ぜひ最後までご覧ください。
銀行融資を断られる会社の6つの特徴
銀行から融資を断られる会社には、次の6つの特徴があります。
それぞれ確認しましょう。
①資金の使い方が明確でない
②赤字決算が続いている
③税金や公共料金を滞納している
④信用情報に傷がある
⑤粉飾決算が発覚した
⑥融資の限度額に達した
①資金の使い方が明確でない
銀行に資金の使い方が明確ではないと判断されると、融資を断られてしまいます。
融資を受ける目的が明確であれば、事業計画は説得力のあるものとなり、資金の使い方や金額も具体的に提示することができます。
しかし、申込理由が融資限度額いっぱいに借りられるだけ借りたいという内容では、資金使途が不明瞭であると銀行は判断し融資を実行しません。
銀行は資金使途が明確な事業計画に対して、融資をおこなうということを知っておきましょう。
②赤字決算が続いている
赤字決算が続いていることで、銀行に返済能力と安全性がないと判断されることも、融資を断られる理由です。
1期だけ赤字なのであれば、臨時で大きな支出があったのだろうと問題視されませんが、赤字が続くと会社自体が慢性的な赤字体質だと評価されてしまいます。
しかし、赤字だと必ず断られるのかといえば、そうではありません。
赤字であってもその原因や回復の見通し次第で、問題ではないと判断されることもあります。
赤字決算は融資の判断材料であって、銀行は会社の現状を見極めたうえで融資を実行します。
③税金や公共料金を滞納している
税金や公共料金の支払いが遅れると、銀行に返済能力がないと評価されてしまいます。
会社の支払いのうち優先順位の高いものが、税金と公共料金です。
その支払いが遅れているということは、銀行への返済も危ういのではないかと結論付けるおそれがあります。
特に、日本政策金融公庫は政府系金融機関なので、税金の未納や滞納があると、融資を受けるのはかなり厳しくなります。
税金や公共料金の滞納がないということは、会社自身の信用につながるのです。
④信用情報に傷がある
信用情報についた傷も、銀行に返済能力がないと判断される理由になります。
信用情報とは、クレジットカードやローンの利用と支払いの情報です。
また、良くない情報として、取引先への支払いが滞ったり給与の未払いが続いていたりといった情報も、銀行には入ってきます。
特に、地域の金融機関であれば地元の情報収集を怠りません。
信用情報は数年残ることがあります。
現在の状況ではなく、過去の情報から融資を断られる場合があることも知っておきましょう。
⑤粉飾決算が発覚した
粉飾決算は不正行為です。
赤字であるからといって、融資を受けるための粉飾決算は絶対にしてはいけません。
偽装した決算書は辻褄を合わせるために不自然であることが多く、銀行はすぐに見抜きます。
粉飾決算が銀行に発覚した場合は、融資が実行されないことに加えて、すでに実行された融資についても一括返済を求められるケースがあります。
粉飾は社会的信用を失うばかりではなく、場合によってはペナルティがあることを理解しておきましょう。
⑥融資の限度額に達した
融資の限度額に達していれば、それ以上の融資は断られることがあります。
融資限度額は銀行によって設定されています。
限度額決定の要素は、おもに会社の返済能力や決算書の内容、担保力、保証能力などです。
それぞれが高い評価であっても、すでに多くの融資を受けているなら、新規の融資を断られる可能性があります。
銀行の融資担当者によっては、限度額が近づいていることを教えてくれる場合もあるようです。
自身がすでに受けている融資額はしっかりと把握しておきましょう。
融資を否認されない対策
銀行から融資を否認されないために、対策できることを5つ紹介します。
融資を受けたい場合は、実施しておくとよいでしょう。
①資金使途が明確な事業計画を作る
②会社を黒字化する
③支払いは期日までに確実におこなう
④粉飾をしない
⑤税理士事務所などから紹介してもらう
①資金使途が明確な事業計画を作る
融資を申し込む際には、明確な資金使途が必要です。
融資申込時には資金使途を含めた事業計画の提出が求められ、銀行の融資担当者との面談もおこなわれます。
面談では、融資を受けたお金を何にどれくらい使うのかという計画に加えて、その返済計画も説明できなければなりません。
面談は経営者が受けるので、財務担当者と資金使途についてよく話し合い、銀行の担当者が納得するような明確な事業計画を作りましょう。
②会社を黒字化する
赤字が続いていれば、早急に黒字化対策が必要です。
たとえば、売上増強策、経費削減策、組織改革など、具体的な改善案を立案しましょう。
実行可能で実現性の高い計画が望ましいです。
改善案がまとまれば、赤字解消に向けて対策を講じます。
そのうえで、銀行へは赤字の決算書だけでなく、黒字化対策の取り組み内容と成果、見通しを事業計画に記載しましょう。
その際には、具体例や数値を使うことで、説得力のある計画書になります。
③支払いは期日までに確実におこなう
税金や公共料金は期日までに確実に支払う必要があります。
支払期日を守れているかという情報は、信用に大きく影響します。
もしも会社が倒産した場合、税金や公共料金の支払いが優先されるので、融資が回収不能になるリスクがあるからです。
よって、税金などの支払いが滞りそうな厳しい資金繰りである場合は、すぐに改善しなくてはなりません。
資金繰りには、経費の見直しや事業縮小が効果的です。
支払いを滞納してしまう前に必ず対策しましょう。
④粉飾をしない
粉飾決算は不正行為であり、絶対にしてはいけません。
そのうえで、どのような処理が粉飾になるのかを理解しておきましょう。
特に、意図せず粉飾になってしまう場合があるので注意しなければなりません。
意図せず粉飾になってしまうケースとは、故意ではなくても知識不足が原因でおこる不正処理です。
不良在庫の消し忘れ、貸し倒れた売上債権の損失計上もれなどが当たります。
作成した決算書が、粉飾になっていないかどうか必ず確認しましょう。
⑤税理士事務所などから紹介してもらう
銀行は融資申込者に税理士の関与があると、融資をおこないやすくなります。
事業計画や決算書が税理士によって裏付けられているので、信用できると判断するからです。
また、税理士に相談すれば、意図しない粉飾決算を防ぐことができるというメリットもあります。
税理士は銀行との融資交渉もサポートしています。
融資を受けるために、税理士の力を借りましょう。
【まとめ】融資否認の理由を知って事前に対策しよう
銀行が融資を断るのは、資金使途や返済能力、会社の安全性について問題があると判断した場合です。
融資を申し込む際には、会社の現状を確認し、対策が必要であればすぐに実行しましょう。
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