【個人事業主のブラックリスト状態】資金調達できない?融資を受ける手段とは?
個人事業主が金融関係でとどこおりがあると、場合によっては「ブラックリスト」状態になってしまいます。
「ブラックリスト」状態とはつまり、「金融関係において信頼できない可能性がある」ことを示しているようなものです。
しかし、個人事業主であれば起業や事業拡大のため、資金が必要になることもあるでしょう。
ブラックリストにのっている個人事業主は、融資を受けることができるでしょうか?
▼この記事でわかること!
・ブラックリスト状態での資金調達が難しい理由
・金融事故の履歴が解除されるタイミングとは?
・融資以外に資金調達をする方法とは?
結論をお伝えすると、ブラックリスト状態で事業資金の融資を受けるのは難しいです。
資金が必要な場合には、融資以外の方法で調達を試みる必要があります。
この記事では、ブラックリスト状態になってしまう原因から、解除に必要な期間、融資以外に資金調達をする方法を詳しくご紹介します。
【個人事業主】ブラックリスト状態とは?
金融に関する情報は、「信用機関」といわれる場所に登録されていきます。
一般的に「ブラックリスト」状態と言われているのは、信用機関に事故情報が履歴として残ってしまうことです。
実際には「ブラックリスト」というもの自体は存在していないのですが、信用機関に金融事故のネガティブな情報が記録されてしまっている状態を、「ブラックリスト」状態などと呼んでいます。
信用機関は主に3つ存在しており、内容によって記録にあたる信用機関が異なります。
▼3つの信用機関
・株式会社シーアイシー(CIC):分割払いや融資に関する情報を記録する
・日本信用情報機構(JICC):クレジットカードなどに関する情報を記録する
・全国銀行個人信用情報センター(KSC):銀行に関する情報を主に記録する
上記3つの連携は強く、いずれか1つにでも情報が記載されると共有され、どのような融資に関しても難しくなってしまいます。
金融事故の大きさや内容に関係なく、履歴を残さないことが重要です。
【個人事業主のブラックリスト】金融事故とは?
金融事故を起こすとブラックリストとして記録されてしまう、とお伝えしました。
では、金融事故とは具体的になんでしょうか?
▼ブラックリストにのる原因と解除にかかる期間
①クレジットカードの未払い/支払い遅延:5〜10年
②クレジットカードの多重申込:約6ヶ月
③自己破産/任意整理など債務整理:5〜10年
④携帯電話の支払い遅延:約5年
⑤奨学金の未払い/返済遅延:返済から5年
⑥保証会社などによる代位弁済:返済が完了から約5年
特にクレジットカードや携帯電話の支払いは、気づかずに滞納してしまっていた、というケースも多いです。
また、クレジットカードを1ヶ月以内に多数申し込んだ場合にも、ブラックリストにのってしまう可能性があるので注意しましょう。
枚数には限度が決められているわけではなく信用機関の判断によるため、一度に多くのクレジットカードを作るのはおすすめしません。
「金融事故=すぐブラックリストにのる」わけではない!
延滞したらすぐブラックリスト入りしてしまう、というわけではありません。
基本的に「3ヶ月間の支払い延滞」や「61日以上の料金未払い」の状態になった場合に、ブラックリストにのってしまうと考えておくべきでしょう。
とはいえ延滞や未払いのないように、日頃から気をつけておくのが一番です。
「1ヶ月の延滞に気づかなかった」などという場合には、すみやかに支払いを済ませましょう。
融資以外の資金調達手段とは?
ブラックリスト状態であっても、起業や事業拡大をすることは可能です。
しかし融資は受けられないため、資金調達のためにはほかの手段を考えるしかないでしょう。
資金調達方法としては、下記のような手段があげられます。
①親族や友人から出資してもらう
②創業にあたるメンバーとの共同出資をする
③ファクタリングを受ける
④クラウドファンディングを活用する
⑤補助金や給付金を活用する
それぞれ詳しくご紹介します。
【融資以外の資金調達法①】親族や友人から出資してもらう
周りの人から出資をつのる、というのは今すぐできる手段としては有効です。
「利益が出たらお金を返す」という約束でお金を借りるというケースが多いですが、経営のめどはしっかりとたててから相談するようにしましょう。
ただし、お金の貸し借りは人間関係にヒビを作ってしまうことも多いため、あまりおすすめはできません。
【融資以外の資金調達法②】創業にあたるメンバーとの共同出資をする
一緒に創業にあたるメンバーを探し、共同出資をするのも手です。
1人で資金をなんとかできない場合には、数名で集まって起業や事業拡大をしてみてはいかがでしょうか。
ただしメンバーを選ぶ際には、信頼性や実力が問われるものです。
創業メンバーとの共同出資は、誰にでもできる選択肢にはならないかもしれません。
【融資以外の資金調達法③】ファクタリングを受ける
「ファクタリング」とは売掛金を売却することで、資金調達をする方法を意味します。
手数料が引かれたうえで、売買した代金を受け取ることができます。
ファクタリングは、資金繰りを改善したいときに活用されることが多いです。
ただし手数料が高額である場合、受け取れる金額が減ってしまうため注意しましょう。
【融資以外の資金調達法④】クラウドファンディングを活用する
出資してくれる人を集めるためには、クラウドファンディングサービスを活用するのもいいでしょう。
ただし、クラウドファンディングで資金を調達するためには魅力的なサービス内容を開示できなくてはいけず、アイディアを盗まれる可能性も危惧しなくてはいけません。
リスクはありますが、事業内容によってはクラウドファンディングで大成功をおさめられることもあります。
しっかりと準備をして、クラウドファンディングに試みてはいかがでしょうか。
【融資以外の資金調達法⑤】補助金や給付金を活用する
活用できる補助金や給付金を探してみるのも大切です。
補助金や給付金、助成金などは多くの場合に、返済の必要がありません。
信用機関からの評価も不要で、条件さえクリアしていれば受け取ることができます。
事業内容によっては対象となる補助金や給付金がみつかる可能性があるので、確認してみましょう。
【まとめ】個人事業主がブラック状態だと融資は難しい
個人事業主がブラック状態だと、融資による資金調達は難しいです。
とはいえ起業や事業拡大をあきらめるのはまだはやく、ほかの方法を試してみる価値はあります。
たとえば世間に求められているサービスかどうかを判断するステップとして割り切って、クラウファンディングの活用を検討してみてみるのもいいでしょう。
とはいえまずは、条件さえクリアしていれば受け取れる補助金や給付金の有無を確認するのが先決です。
「補助金や給付金に関する相談をしたい」
「節税を極めて支出を減らすことから始めたい」
「ごたついている資金や経理の状態を整理したい」
このようなかたは、ひとまず税理士に相談し解決策をあおいでみてはいかがでしょうか?
資金に関して頭を抱えているだけでは、状況が解決へ向かうことはありません。
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