【家族経営の奥さんに要注意?!】会社の経理を奥さんに任せるデメリット
自分の会社の経理を奥さんに任せ家族経営をしようと考えるのは、社長目線になれば不思議なことではありません。
特に中小企業であれば家族経営をすることも珍しくないので、「経理は奥さんに丸投げしている」という経営者が、周りにもいるのではないでしょうか?
しかし税理士紹介をしていると、「奥様に経理を任せていた結果、税務調査が来ることになってしまったので助けてほしい」と相談をいただくことも多いです。
▼この記事でわかること
・家族経営で奥さんに経理を任せる人が多い理由
・なぜ奥さんに経理を任せるべきではないのか?
・家族経営で奥さんに任せたほうが良い仕事内容
・安全に節税対策をする方法
結論として奥様に経理を任せるのは、会社経営面・税務処理面・節税面いずれに関しても危険をともなうためおすすめしません。
この記事では、家族経営で経理を奥さんに任せることのメリットやデメリットをご紹介します。
家族経営で奥さんに仕事を任せたい理由とは?
家族経営で奥さんに仕事を任せたいと考える経営者が多い理由は、主に下記があげられます。
①経営理念が共有しやすい
②家庭の都合も柔軟に対応できる
③節税につながる
このようなポイントだけを見ると、奥さんに仕事を任せることは悪いことではないように見えます。
ただし任せたほうが良いのは、経理以外の仕事です。
詳しくご紹介していきます。
奥さんに経理を任せたい理由①:経営理念が共有しやすい
奥さんが経営に関われば、社長の意志を尊重し理解してくれやすいです。
経営理念の共有をするのも難しいことではなく、同じ方向を向いて仕事をする仲間になってくれるはず。
トップダウンがスムーズに行われるため、特に奥さんが実力者である場合には、外部の人を雇うよりも経営を効率化しやすいでしょう。
奥さんに経理を任せたい理由②:家庭の都合も柔軟に対応できる
たとえば突然子供が熱を出してしまったなどの場合にも、仕事を休んで急遽病院へ行きやすいはず。
経理の仕事であれば日頃から余裕を持って作業ができるのも、奥さんとしてはポイントが高いでしょう。
今日やらなくてはいけないことがあるという場合以外であれば、都合にあわせてフレキシブルに働きやすい環境になります。
社長としても、奥さんが家庭のために柔軟に動ける状態でいてくれると助かるはずです。
奥さんに経理を任せたい理由③:節税につながる
家族が働くことにより、節税対策をほどこすことができます。
年の半分以上を会社のために働いてくれる家族に対しては、経費計上ができる給与を支払うことが可能です。
ただし、隙間時間に片手間で仕事をするだけでは認められないため、しっかりと仕事をしてもらう必要があります。
経理を任せることで、信頼のできる人物に会社の経営状況を把握してもらえるのも良いです。
社長としては心強い存在を、節税を施しながら雇用できることになります。
家族経営で経理を奥さんに任せるデメリット
では、家族経営で経理を奥さんに任せるデメリットもご紹介していきます。
①社員とトラブルになりやすい
②夫婦でいる時間が続きマンネリする
③税務署に目をつけられやすくなる
かなり重要なので、それぞれ解説します。
奥さんが経理をするデメリット①;社員とトラブルになりやすい
奥さんに経理を任せてしまうと、社員の経費に関しても厳しく言いすぎる傾向があります。
どうしても奥さんは会社を家庭の延長線上としてとらえやすいため、どこにお金をかけるべきかを私情込みで考えがちです。
「経費を使いすぎじゃないか」
「これは削れる部分ではないのか」
「このプロジェクトはもっと費用をおさえるべき」
など、ペン1本の経費にも文句をつける奥さんは珍しくありません。
しかしその一方で、自分の食費や家庭で利用するものに関しては経費にしているなど、社員としては納得できない一面も見られやすいです。
そのうえで社員よりも給料が多いとなると、社員との信頼関係も崩れやすく、トラブルのきっかけにもなり得ます。
奥さんが経理をするデメリット②:夫婦でいる時間が続きマンネリする
家庭でも会社でも夫婦で顔をあわせやすい環境にいると、夫婦としての時間がマンネリしやすいです。
毎日顔をあわせ、お互いの時間を把握できすぎてしまうことから、生活そのものに疲れてしまいやすくなります。
さらに夫婦が重役を牛耳っているとなれば、他の従業員としても気を遣いです。
アットホームな環境だと思っているのは夫婦だけで、従業員としては夫婦の自分勝手な経営にうんざりしているかもしれません。
ずっと隣にいたい夫婦としては重役同士がちょうど良いのかもしれませんが、一緒にいすぎることが夫婦関係にとって常に良いこととは限りません。
さらに従業員にとっても居心地の悪い職場となってしまえば、現場の士気も下がってしまうでしょう。
奥さんが経理をするデメリット③:税務署に目をつけられやすくなる
奥さんが経理をしている法人は、税務署に目をつけられやすいと考えておくべきでしょう。
経理を担当しているのが奥さんの場合、会社の持ちものの私物化が進みやすい傾向があります。
特に経費を個人都合で利用しやすくなり、自家用車やプライベートの食事会を経費にしてしまう人が多いです。
税務署側はプロなので、怪しい部分のある法人は経験上で嗅ぎ分けています。
素人である奥さんが家族経営で経理を担当しているとなれば、経費の横領をしている可能性が高いと考えられ、粗探しのターゲットにしやすいでしょう。
【家族経営】奥さんに任せるべき仕事とは?
家族経営で奥さんに経理を任せるのはおすすめしません。
一方で奥さんだからこそ任せるべきなのは、電話対応です。
理由は主に、下記があげられます。
・責任を持ってお客様対応してくれる
・クレームによる改善点を見つけやすい
・お客様からの声を社長に伝えやすい
電話対応はお客様と会社をつなぐ、とても重要な役割です。
会社の顔として責任感を持って対応してくれる人に任せるべきポジションといえます。
さらに奥さんであれば、お客様の声を社長の耳まで届けられる距離にいるはず。
電話対応は、他の誰でもなく奥さんだからこそぴったりな仕事なのです。
家族経営の経理を奥さんに任せるのはNG!解決策は?
家族経営をすること自体は、節税効果や生活面での利便性を考えると、悪いことではありません。
しかし、家族経営をしている法人こそ、経理はプロに任せておかなくては危険です。
税務署は顧問税理士がついている法人に対し、税務調査をしにくいという傾向があります。
なぜなら、税務のプロである税理士を通して調査をするよりも、プロが守りに入らない素人法人を相手にしたほうが、粗探しが簡単だからです。
家族経営をするなら、経理は奥さんではなく税理士に依頼をすべきでしょう。
税理士を雇用する費用はもちろん経費にできるため、節税対策もできます。
税理士に依頼をすることで会社の透明性も上がり、社員からも信頼を得やすいです。
【まとめ】家族経営で奥さんに任せるべきなのは経理ではない!
家族経営で奥さんに仕事を任せること自体には、メリットは大きいです。
しかし、経理を任せるのはおすすめしません。
経理は会社の信頼性を担う重要な役割であり、親族である奥さんが担当するのは相性が悪いです。
税務署から目をつけられたくないのであれば、税理士を雇ってプロと一緒に節税対策を施しましょう。
タックスボイスでは税理士を無料でご紹介しております。
家族経営にお困りの方、不安のある方は、お気軽にご相談ください。