【限界利益とは?】わかりやすく計算式や目安を解説~初心者向け~

 

事業をやっているなら、「限界利益」の概念を知っておくと、事業存続を見極める指標になります。

 

「限界利益」とは、「事業が継続できるか」を数値化して判断するための指標のことです。

 

事業の利益を明確化することで、収益性があるのか判断するときに使います。

 

▼この記事でわかること
・限界利益とは?
・限界利益率の計算方法
・固定費や変動費とは
・事業を存続すべきかの判断ポイント

 

この記事では、限界利益とは何かから、事業を継続すべきか判断するために用いる計算方法まで詳しく解説します。

目次

限界利益とは?→売上から変動費を引いた利益分

 

限界利益を出すことにより、事業を存続すべきかどうかを判断する指標となります。

 

「限界」とは業界用語でいうと「利ザヤ」のことで、英語では「marginal(空白)」。

つまり「限界利益」とは、「原価と売値の差である利益」という意味です。

 

具体的には、利益から「変動費」と呼ばれる「販売にあたり変動しうる費用」を引いたときに残るものが「限界利益」です。

 

例えば、原材料や消耗品費用などが挙げられます。

 

限界利益の計算方法は下記の通りになります。

 

▼限界利益の計算方法
売上−変動費=限界利益

 

売上が100万円で変動費が80万円の場合、限界利益は20万円となります。

つまり、この事業には20万円の利益性があり、続ければ黒字が大きくなる可能性を見出せます。

 

一方で売上が100万円であることに対し、変動費が120万円の場合、限界利益はマイナス20万円となり赤字です。

一見売上が100万円出ているように見えますが、続けるほど赤字が増えることがわかります。

 

つまり、事業を続けるためには売上だけに着目するのではなく、純粋な利益を見る必要があるということです。

 

と言われても、ピンとこない人もいるはずです。

もう少し詳しく解説していきます。

 

限界利益の計算に必要な「変動費」とは?

 

限界利益を割り出すときに確認する「変動費」とは、例えば下記のようなものが当てはまります。

・仕入費用
・原材料費用
・販売手数料
・仕入原価

 

基本的には、売上によって変動しうる費用です。

つまり、家賃や社員への給料などの「固定費」は無視して計算します。

 

例えば、40円で仕入れたアイスを100円で売る場合、変動費は40円・限界利益は60円であると考えられます。

 

一方で、もしアイスが売れ残ってしまい80円に値下げして売る場合の限界利益は、販売額80円−変動費40円で、40円になってしまいます。

それでも売れずに40円で販売した場合、限界利益は0円です。

 

売上額が大きいほど変動費も比例して上がりますが、この変動費により利益がマイナスになってしまっていたら、事業としてもマイナスです。

このように、事業を存続させるべきかどうかの指標として、限界利益を活用することができます。

 

「営業利益」とは?変動費だけでなく固定費用も計算

 

 

「限界利益」が「変動費」を引いたときの利益を確認するものだとお伝えしました。

「限界利益」では、家賃や社員への給料といった「固定費」は無視して割り出します。

 

とはいえ、事業を継続するためには「固定費」も必要不可欠であり、固定費が払えなければ事業の継続も難しくなりますね。

 

そこで、「変動費」と「固定費」を売上高から引いたものを「営業利益」として算出します。

営業利益がわかることで、事業全体をみたときに黒字になっているかどうかがわかります。

 

▼営業利益の計算方法
売上高−(変動費+固定費)=営業利益

 

ここまで見ると、「営業利益だけわかれば良いのに、なんで限界利益も割り出す必要があるんだ」と思うかもしれません。

 

限界利益を出すことには意味があるので、下記で詳しく解説します。

 

今の事業は継続すべき?判断基準とは

 

限界利益と営業利益それぞれを計算したとき、「限界利益では黒字だけど、営業利益は赤字」となることも。

 

営業利益が赤字だと、事業の継続は難しいように見えるかもしれませんが、そうとも限りません。

 

なぜなら、限界利益が黒字ということは、事業として利益を生み出す環境は作れているということです。

 

同時に、事業の足を引っ張っているのは「固定費」であることがわかります。

 

固定費である家賃や人件費を見直すことで、全体的な黒字を生み出せる可能性があるということです。

 

限界利益と営業利益それぞれを出すことで、事業全体のバランスが確認できます。

 

事業は継続すべき?限界利益率の計算方法

 

限界利益が黒字の場合、「利益を上げていく環境は整っている」と言えるとお伝えしました。

しかし、ぎりぎりの状態で黒字を継続していくのはきついものです。

 

具体的にはどれくらいの黒字になっていることが理想的でしょうか?

数字の統計としては、「限界利益率が25%以上」あると良いとされています。

 

▼限界利益率の計算方法
限界利益÷売上=限界利益率

では、具体的に限界利益率を出してみましょう。

 

売上高 変動費 限界利益
A社 60億 40億 20億
B社 30億 10億 20億

 

 

A社とB社それぞれを計算して、限界利益率を割り出します。

 

A社:20億÷60億=33%
B社:20億÷30億=66%

 

A社と比べてB社は限界利益率が倍となり、B社の方が事業効率が良いことがわかります。

つまり、一見すると売上高の高いA社の方がうまくいっているように見えますが、実際に効率が良いのはB社であり、B社の方が今後うまく事業を広げていける可能性が高いということです。

 

「固定費」も入れて黒字になる「損益分岐点」も確認しよう

 

とはいえ、固定費も含めて黒字でないと存続が苦しくなっていきます。

つまり、「営業利益」を黒字にするためには、全体でどれだけの売上が必要なのかも確認したいですね。

 

限界利益率を把握していると、黒字になるポイントである「損益分岐点」を確認できます。

 

▼損益分岐点の計算方法
固定費÷限界利益率=損益分岐点

この損益分岐点を下回っていると赤字、と判断できます。

 

【限界利益とは?】わかりやすく言うと→「事業を存続できるか」の指標

 

限界利益の出し方を知っておくと、事業を存続し続ける価値があるか悩んだときや、費用をおさえるべきポイントを割り出したいときに便利であるとお伝えしました。

 

結論をまとめると、限界利益を求めることでわかることは下記の通りです。

 

・限界利益が赤字:事業の継続はやめた方が良い
・限界利益が黒字で営業利益が赤字:存続させて利益が上がる可能性がある
・限界利益と営業利益がどちらも黒字:順調だが効率良くまわせているかを確認すると良し

 

もし限界利益が赤字の場合は、販売額を高く設定したり、原価をおさえる方法を見つけなくては、継続するほど赤字が続いてしまいます。

営業利益だけが赤字の場合は、より上手に節税対策をすることで、黒字に持っていける可能性があるでしょう。

 

営業利益だけが赤字の場合や、どちらも黒字だが限界利益率が低いという場合は、少し工夫をすれば効率アップを目指せるかもしれません。

会計業務に力を入れていないせいで、大きな損をしているとう可能性も。

 

これから事業を大きくしていきたいなら、正しく節税対策をほどこしていきましょう。

限界利益の出し方はわかるけど、具体的な節税対策を知りたいけどなんかあるかな?
もっと効率良く費用をおさえて事業に集中したいけどどうかな?
プロ目線で事業の状態を教えてもらいたい

 

 

このような方は、税理士への相談をすることで、事業を効率的に広げられるようになるはずです。

タックスボイスでは、税理士を無料でご紹介しております。

より効率的に事業を進めたいという方は、お気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

株式会社トライパートナーズ 代表取締役 山崎友也

当サイト「タックスボイス」運営者です。

相談実績1,000件以上。

税理士紹介のコーディネーターをしています。
日々電車に揺られ西に東に奔走しています。

税理士さんについて知らない社長さまも多く、考え方のギャップを
埋めたい!と思いブログサイトを立ち上げました。

IT、建設業、美容室、飲食店、eBay、せどり、不動産業、エンジニアなど。

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