【法人カード】名義人以外が使うことはできる?社員が使うには?
経費としての決済をシンプルにするために、社員にも法人のクレジットカードを使わせる方も多いはず。
しかし問題は、「法人カードはそのまま社員に持たせても良いものなのか」という点です。
結論、法人カードに申し込みをした人以外の社員が法人カードを使うことはできません。
〜この記事でわかること〜
・法人カードとは?
・法人カードを使える人は誰?
・社員に会社のカードを持たせたい場合の対処法
・追加カードとは?
法人カードを社員にも使わせたい場合には、「追加カード」を用意する必要があります。
この記事では、法人が法人用のクレジットカードを社員に使わせられない理由から、社員に使わせるための方法まで解説します。
法人カードを使える人は誰?→名義人だけです
クレジットカードには必ず、「名義人」が設定されます。
名義人とはクレジットカードの持ち主のことであり、クレジットカードを申し込んだ本人だけです。
当然、他人名義でクレジットカードを申し込むことはできないので、申し込みができるのも本人だけとなります。
クレジットカードの名義人は唯一の所有者であり権利者であるため、名義人以外の人が利用することはどんな理由があっても認められません。
また、クレジットカードの裏面にサインがないものは利用できません。
法人カードの名義人は誰になる?
「法人カード」は法人として作るクレジットカードのように聞こえますが、名義人は法人ではありません。
法人カードの名義人は、法人なら「申し込みをした代表者」、個人事業主なら「申し込みをした個人事業主本人」です。
例えクレジットカードに法人の名前が入っていたとしても、名義人は代表者個人です。
また個人利用のクレジットカード同様、裏面にサインがない場合には利用できません。
サインは代表者の個人名を書くことになります。
法人カードの支払口座はどこになる?→法人名義の口座です
法人カードの名義は、基本的に法人の代表者です。
とはいえ法人のためのカードなので、支払口座は法人名義の銀行口座になります。
法人名義の銀行口座から引き落とされるため、法人カードで支払った経費をまとめて経理処理しやすくなります。
では次に、法人の代表者以外が法人カードを使いたい場合について解説します。
法人の代表者以外がカードを使う方法とは?追加カードを作ろう
法人の代表者以外に法人カードを持たせたい場合は、「追加カード」を作りましょう。
追加カードを作ることで、代表者以外の人でもクレジットカードで直接経費の支払いができるようになります。
追加カードとは?→1人1枚発行するものです
追加カードは、法人の代表以外の名前で発行できるクレジットカードです。
社員の名義で発行できるため、名義人となる社員であれば誰でも法人の1人としてカードが使えるようになります。
ただし、追加カードにも名義人が必要なので、1枚につき1社員だけが利用できることになります。
1枚の追加カードを数名の社員で使い回すことはできません。
必ず、追加カードを使わせたい特定の社員に対して1枚の追加カードを発行しましょう。
追加カードは審査が不要!重要なのは会社の信用
追加カードは親カードである代表名義の法人カードに対し、追加をして発行するものなので、基本的に審査は不要です。
必要なのは、社員個人に対してではなく法人に対しての信用が必要です。
社員個人の信用情報(遅延の有無)などを気にする必要はありません。
追加カードを作るメリットとは?
「社員に法人カードを持たせたい」と思っているなら、追加カードは便利な手です。
追加カードを作る主なメリットは、下記の通り。
①経費処置をまとめられる
②カード付帯の特典が使える
③ポイントを貯められる
それぞれのメリットについて、詳しく解説します!
追加カードを作るメリット①:経費処置をまとめられる
追加カードも法人カードと同様、法人口座から支払いができます。
現金を扱う場合、一度社員が自費で建て替えてから経費処理を通してお金が戻ってくるプロセスですが、追加カードでの支払いができれば社員の負担も軽減されます。
経費処置がシンプルになるため、会計処理が全体的に楽になるのが最大のメリットでしょう。
追加カードを作るメリット②:カード付帯の特典が使える
カードに付帯する保険や優待特典を利用できます。
法人カードがハイスペックであるほど、社員にとっても嬉しい特典がついてきます。
例えば追加カードで頻繁に出張をする社員などは、保険や優待サービスの恩恵を受けやすいでしょう。
追加カードを作るメリット③:ポイントを貯められる
現金で払う場合には適応されないポイントも、カードを使うことで効率的に貯められます。
追加カードのポイントは、主契約者の法人カードと合算されるため、1人でカードを使うよりもポイントが貯まりやすいです。
追加カードを作るデメリットとは?注意点
一方で、追加カードを作ることのデメリットもおさえておきましょう。
下記の2点には注意して、追加カードの発行を検討してください。
①追加カードに発行上限がある
②カードごとに年会費がかかる
それぞれのデメリットについて、詳しく解説します。
追加カードを作るデメリット①:追加カードに発行上限がある
追加カードは何枚でも発行できるわけではなく、カード会社によって上限が設定されています。
複数人に対してカード発行する可能性があるなら、追加カードの発行上限を気にしてカード会社を選ぶのがコツです。
とはいえ、個人事業主や中小企業であればそこまで気にする点ではないでしょう。
どうしても何十枚も必要な場合は、複数のカード会社でカード発行することも視野に入れると良いです。
追加カードを作るデメリット②:カードごとに年会費がかかる
カード会社によっては、追加カード1枚ごとに年会費がかかることがあります。
年会費は全て経費にできますが、どうしても気になるという場合は、追加カードの年会費が無料のカード会社を選びましょう。
特に複数人に対してカードを作りたい場合には、年会費はかさんでしまいがちです。
それでも追加カードを用意した方が経理業務が減るため、全体的にはメリットが多いことがほとんど。
なお、年会費を経費として記帳する際には、勘定科目は「支払い手数料」などで問題ありません。
追加カードで経理を楽にしよう!税理士に依頼も◎
法人カードは使い回すことができませんが、社員1人ひとりに追加カードを作れば解決できることをお伝えしました。
▼この記事のまとめ
・法人カードは名義人の代表者しか使えない
・追加カードも1社員1枚作る必要がある
・クレジットカードは何カードでも使いまわせない
・支払口座をまとめられるので経理業務が楽になる
・年会費がかかっても経費として計上できる
追加カードを作りたい主な理由が経理業務の簡略化なら、いっそプロに依頼してしまうことも検討してみるといいでしょう。
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