【記帳代行は誰に任せればいい?】税理士が行うメリットは?在宅はどう?
「経理がやめてしまった」
「自ら会計ソフトに入力するのは時間がなさすぎる」
「正確に記帳作業ができる人いないかな」
経理が急にやめてしまい、困っている社長も多いと思います。
また本業が忙しくなってしまい、「記帳作業を誰かに頼みたい」と考えている社長も少なくないでしょう。
いざ社長自ら経理と同じ仕事をするのは、大変です。
1枚1枚領収書をチェックして、ソフトに打ち込む作業は、向き不向きもあり、時間を取られ、本業に差し支えることも多いと思います。
それほど記帳作業はとても骨の折れる仕事です。
年間を通して、発生するこのわずらわしい打ち込み作業から解放されるには、「社長以外の誰か」に頼まなければなりません。
今回は、記帳代行を誰に頼めばいいのか?に焦点を当ててメリットデメリットについてもまとめていきたいと思います。
【記帳代行とは?】どのような事をやってくれるのか?
ここでおさらいです。
記帳代行とは本来どういうものを言うのでしょうか。
記帳代行とは「帳簿作成を代行してもらうこと」を言います。
もっといえば、会社が集めた領収書や請求書、領収書のコピー、現金出納帳などを会計ソフトに打ち込みし、総勘定元帳や試算表を作成する業務を代行してもらうことです。
個人事業主(フリーランス)や法人は帳簿を作成することにより、青色申告が行うことができます。
青色申告にはメリットが多くある為、もし青色申告の恩恵を受けるには帳簿作成をきちんと行うことは必須ということです。
しかし帳簿作成には専門的な「会計の知識」が必要です。
会計ソフトがこれだけ機能面で充実したとはいえ、全くの素人がゼロから行えば時間が取られてしまいます。
そこできちんと簿記の知識を理解した人に記帳代行をしてもらうことにより、手間のかかる作業を解放し、営業や経営に集中してもらうことができます。
記帳代行は税理士以外でもできるのか?
記帳代行は税理士の独占業務ではありません。
税理士の独占業務はきちんと決められていますが、詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
その為会計ソフトに入力をきちんと行うことができれば、誰でもできます。
しかし税理士資格がない人が、記帳代行以外の節税アドバイスや申告書を作成したり、税理士の独占業務をしてしまったらアウトです。
どうしても記帳と損益の報告はセットで考えしまうことも多いですが、きちんと記帳代行と税務アドバイス、申告書作成は分けて考えなければなりません。
記帳代行を任せるとき5つの選択肢がある
記帳代行を任せるとき5つの選択肢があります。
パートを雇う
在宅に外注して頼む
記帳代行会社に頼む
行政書士や社労士など士業に頼む
税理士に頼む
そこでこの5つの選択肢のうち、メリットデメリットを分けてご説明したいと思います。
パートを雇う
会社でパートを雇って、記帳代行をしてもらうという方法です。
経理畑の経験が長い、もしくは会計事務所の勤務経験があるなど、経験のある人を雇うことができれば、それだけ会社にとってもメリットが高くあります。
メリット
時給で雇うため、低価格で記帳代行をしてもらえます。
また記帳代行以外に、雑務や請求書発行や経理業務(取引先の振込、営業補助など)も一緒に行ってもらえるため、優秀な人を雇うことができれば、費用対効果の高い仕事が期待できます。
またオフィス作業のため、仕事を共有することができ、情報が流出するリスクが減るため、秘密がより守られます。
デメリット
パートのため、その人が短期間でやめてしまうことも考えられます。
その場合、新しい人に1から教えなければならないという手間が発生します。
またその人が思ったより、スキルが低い場合、「会社のお荷物になってしまう」可能性は考えられます。
パートによってはスキルがまちまちの為、品質の保証は確約できない点がデメリットです。
在宅に外注して頼む
最近、子育てブランクのある主婦さんが、在宅で記帳代行をしてもらうことも珍しくなくなってきました。
チャットワークやスカイプなどのITツールが発達したおかげも手伝って、オフィスに行かなくても、リモートで指示して仕事をこなすことができるようになりました。
子育て中の主婦さんで、どうしても通勤に時間を取れず、自宅作業を望んでいる方はたくさんいます。
メリット
安価で記帳を頼める可能性が高くなります。
例えば「1仕訳いくら?」という報酬型をとっている方が多いです。
だいたいの目安としては1仕訳8円〜30円の範囲です。
経理のボリュームがそれほど多くなければ、1万円以下で抑えられる可能性も高くなります。
また全国で優秀な人材を募集できる点もメリットです。
どうしてもパートを雇うとオフィスに近い人材に限定されてしまいます。しかし在宅は場所を選ばないため、極端な話、北海道ある会社が沖縄の人材を在宅として頼むことも可能です。
デメリット
「情報がどこまで守れるか」セキュリティ面が甘いのは事実です。
自宅で作業を行うため、個室ではなく、リビングで仕事をすることもあります。
入力作業する以外の誰かが帳簿の中身を見てしまうリスクはあります。やはりオフィス作業ほど情報が守られていることは少ないですし、何かのきっかけで漏洩してしまう可能性もゼロではありません。
そのため、在宅で頼む時は、その人の仕事環境をきちんと確認する必要が出てきます。
記帳代行会社に頼む
ホームページを検索すると、記帳代行をメインに行なっている会社が多くあります。
記帳代行会社は大きく2つに分かれます。
それは
●税理士事務所が経営している記帳代行会社
●税理士とは全く関係のない記帳代行会社
です。
税理士事務所が母体の記帳代行会社は、税理士事務所に記帳を頼んでいるのと、ほぼかわりません。
しかし税理士とは関係のない記帳だけを行っている会社は少し勝手が違います。
外注という点では一緒ですのでメリットデメリットを見ていきましょう。
メリット
仮にサービスがあまり良くなかった場合、しがらみなく簡単に代行会社を変更ができるという点はメリットです。
雇っていないため、きちんとこなしてくれる会社をこちらで選ぶことができるのが外注するメリットです。
また情報がきちんと守られています。税理士事務所が運営していれば、より守秘義務が守られ、品質も確かなものが出てくるはずです。
デメリット
専門に代行作業を行なっているため金額が高めというのはあります。
1仕訳あたりの単価以外に、基本料金を取っている会社も多く、月の代行料金が高くなってしまうことは否めません。
基本料金+1仕訳の単価
また仕訳の量がたくさんあれば、単価が下がりますが、あまり仕訳数がないところは1仕分けあたりの単価が高額になることもありますので、確認が必要です。
行政書士などの他士業に頼む
税理士以外の他士業が記帳代行を行なっているケースもあります。
特に行政書士は、本業の仕事で食べられない人も多く、仕事の形態もスポットでの仕事が多いため、毎月の記帳代行料を魅力に感じ、記帳代行サービスに参入する方もいます。
メリット
やはり士業の安心感はあります。税理士同様、行政書士も「守秘義務」があるため、安易に外部に情報が漏れることもないでしょう。
また行政書士が記帳代行を行えば、行政書士の仕事も付随して行なってもらえることはメリットです。
資格や許認可を必要としている建設業はいいと思いますが、全くの畑違いのため、記帳代行は別個に考えて、税理士に頼んだ方がいいという意見も多くあります。
デメリット
前述していますが、会計業務と行政書士の仕事は畑違いのため、記帳代行の品質は保証できません。
スキルで言えば、長年やっている経理のパートや会計事務所経験がある在宅主婦のほうが、記帳代行という点においては慣れています。
そのため、あえて行政書士に頼むという選択肢があるか微妙なところです。
税理士に頼む
記帳代行の外注先としては、税理士に頼むことは一番メリットが高いとされています。
メリット
まず税理士が行うことにより、より正確な会計入力が可能になります。
また会計チェックと報告義務がセットになっているのがメリットです。
どうしても試算表ができたタイミングで損益の報告、アドバイスが必要としている事業主
様は多くいます。税理士側としても記帳代行を行なっていれば、会社の内情をより見やすいですし、的確な対策も打ちやすいこともあります。
デメリット
税理士事務所によっては少し記帳代行料が高くなるケースもあります。
それは在宅やパートと違い、高品質な記帳が出来上がるからです。
単純に打ち込み作業をするより、税の解釈によって、きちんとした試算表が出来上がります。
そのため在宅に頼めば、1仕訳あたり30円ほどで済んでいた料金が100円以上になってしまうことはあります。
以上記帳代行サービスを誰に頼んだらいいか?まとめた表です。
クオリティ | 安全性 | 価格 | |
---|---|---|---|
パート | △(スキルが分かれる) | ◎ | ◎ |
在宅 | ○ | △(仕事環境次第) | ◎ |
記帳代行会社 | ○ | ◎ | △ |
他士業 | △ | ◎ | △ |
税理士 | ◎ | ◎ | ○(交渉次第) |
記帳代行は料金面、スキル面を比較して任せる
今回は5つの付き合い方をお話ししました。
それぞれの良さがありますので、料金面やスキル面を比較しながら、記帳代行をお願いされることをおすすめします。
特に会計業務はミスが少なく、正確な数字を出す必要がありますので、安かろう悪かろうでは意味がありません。
ぜひ記帳代行に関してご相談ありましたらお問い合わせお待ちしております。