【個人成りとは?】個人成りのメリットは?手続きの注意点はある?

目次

個人成りとは?

 

個人成りとは、事業縮小などに伴い、法人形態から個人事業主(フリーランス)に戻ることを言います。

 

【法人成り】は聞いたことがあるけど、【個人成り】と言う言葉はあまり聞き馴染みがない方も多いと思います。

 

個人成りを考える背景にはこのような社長の考えがあります。

 

昔と違って、年商も半分以下に減ってしまい、個人と変わらない規模になった

 

取引先が減って、法人形態である必要がなくなった

 

もっと身軽に仕事をしたい!

 

会社にかかるコストを削減したい

 

 

事業が軌道に乗ったことで法人化し、税金対策をすることが当たり前と感じることが多かったですが、競争の激化や、取引先の減少により、法人でいる必要がなくなったと考える社長も少なくありません。

 

 

今回は個人成りのメリットや注意点についてお話ししたいと思います。

 

 

【法人から個人事業主へ】個人成りのメリットとは?

 

個人成りをするとどう言うメリットがあるでしょうか。

 

個人成りで一番目に見えるメリットは【法人にしていると掛かっていたコストを減らすことができる】

 

いわば経費削減ができるところです。

 

ポイントは3つです。

 

●社会保険料の負担を減らせる

●税理士の費用を減らすことができる

●消費税を2年間免除にできる

 

 

それでは一つ一つ見ていきましょう。

 

【個人成りメリット1】社会保険料の負担を減らせる

 

法人では1人社長でも社会保険に入ることが義務づけられています。

 

社会保険の負担が重いと感じる社長は多いと思います。

仮に社会保険が所得から控除され、所得税や住民税が減ることはありますが、会社の負担は大きなもの。

 

法人個人で支払う税金を30%の負担になるようであれば、個人事業主(フリーランス)で仕事をするほうが、負担が減る場合もあります。

 

 

【個人成りメリット2】税理士の費用を減らすことができる

 

法人は個人に比べると、税務申告も複雑と言われています。

会計がよく分からない人がやろうと思っても、すぐにできるものではありません。

 

簿記の仕組みも勉強をする必要があり、時間をかけなければなりません。

難しい、煩雑のため、税理士を雇うわけですが、そのぶん個人よりも法人の方が、顧問料が高いことは言うまでもありません。

 

しかし個人でも確定申告をする必要がありますが、法人申告と比べれば、圧倒的にシンプルと言えます。

今会計ソフトが充実していますので、自分で申告を行おうと思えば、することができます。

仮に税理士を雇ったとしても、法人より、個人の申告料金も安くなるため、スポットで申告の時だけ付き合うと言う方法もアリです。

 

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【個人成りメリット3】消費税を2年間免除できる

 

個人成りをすることで、再度、2年間の消費税免除を受けることができます。

これは、法人のとき、課税売り上げになっていたとしても、です。

 

2期と期間は決められており短期間ですが、消費税が10%に上がったこともあり、増えた税負担を減らすことはメリットです。

 

 

コスト削減で言えば、上の3つが大きなメリットになります。

コスト削減は目に見えてそれだけでメリットですがそのほかにも、個人成りをするメリットについて考えてみました。

 

 

【個人成りその他のメリット】税務調査が減る傾向になる

 

税務調査率は、法人に比べると、個人の方が少ないと言われています。

 

【税務調査率】

法人 3.1% 個人  1.1%  (平成27年調べ)

 

 

申告者が増えて、税務署の対応が追いついていないこともありますし、税務署側も多くの申告者の中からターゲットを絞るのが、困難になっていると背景もあります。

 

きちんと確定申告を行なっていれば、それほど、「税務署もうるさくない」と言うことでしょう。

 

しかし間違った計算、適当な申告をしていれば、小規模な事業主でも調査が入ることは当然のことです。法人がより調査は入られないことがはっきりしていますが、その点は注意しておきましょう。

 

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【個人成りその他のメリット】気持ちが楽になる

 

社長の相談を受ける中で、個人成りを決意したことで、肩の荷が降りたと感じる方も多いようです。

 

もちろんコストを削減したいこともありますが、拡大志向から縮小志向に舵を切った気持ちの現れが個人成りなのかもしれません。

 

 

従業員もおらず、家族だけになった

取引先も長年の付き合いのあるところだけになった

これから事業を見直して縮小していきたい

 

 

 

何十年会社を動かしてきて、一旦落ち着いて、自分の仕事を見直しをしたい気持ちを持っている社長が多くいます。

そのための個人成りは、肩の荷を下ろす一つの方法なのかもかしれません。

 

 

【それでも個人成りをするか?】4つのポイント!

 

 

以上を踏まえた上で4つのチェックポイントを見ていきましょう。

 

 

【個人成りへの決意1】取引先は大丈夫?

取引先の中には、法人にしていなければ、取引を受け付けない会社もあります。

 

特に建設業の大手ゼネコンなどは、与信管理の為、法人形態をマストしているところもあります。

また取引のある販売代理店で、法人形態をやめたことで取引を中止させられてしまったと言う話も聞きます。

 

 

まず取引先にはチェックすべきことです。

 

【個人成りへの決意2】会社の繰越欠損金は残ってない?

 

会社の繰越欠損が多く残っている場合、その赤字を生かすことができます。

法人は10年とされています。(平成28年の税改正により、平成30年4月1日以降に開始する事業年度で生じた欠損金については)

個人の場合は3年と短いです。

この欠損金を活かすことができれば、税金が安くなる可能性が高くなります。

 

個人成りをしたことで、繰越欠損金を引き継げませんので、税理士によるシミュレーションも大事になってきます。

 

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【個人成りへの決意3】許認可が必要な事業を行っている?

 

事業をする上で、許認可が必要な仕事をしている場合、個人にしたことで新たに許認可を取得しなければなりません。

 

法人では信用があって取引していたけど、個人事業主にしたことで条件が通らない可能性も考えられます。

 

【個人成りへの決意4】法人の恩恵はないけど大丈夫?

 

例えば、社宅制度などは法人にしていたことで受けられていたメリットです。

当然個人になれば、事業部分と生活部分をあんぶんして、経費扱いしなければなりません。

また出張手当や日帰り手当に関しても個人事業主では認められていません。

 

また個人成りをすることで給与ではなくなりますので、給与所得控除も無くなります。

 

このような節税メリットより個人成りをするメリットが上回れば、個人事業主として事業をするのがベターです。

 

個人成りをする流れ

 

個人なりをするには、以下の手順を踏む必要があります。

今回はポイントだけまとめておきます。

 

① まず会社を休眠させるor会社を解散させる 

② 個人事業主として開業する

③ 法人の財産、権利を個人に移動させる

 

 

 

会社休眠をする場合は比較的簡単に手続きをすることができます。

解散をさせるよりも、スムーズに出来る為、休眠させる方法を取っていることが多いです。

 

解散させる場合は、登記が必要になり、清算結了の申告もあります。

個人成りをするのにも、手続きやお金がかかる為、専門家の判断を仰ぐことがベストです。

 

 

【まとめ】ポジティブに個人成りをする人が増えている

 

事業縮小して個人事業主になったと聞くとネガティブなイメージとして捉えられがちですが、個人成りはポジティブな意味に捉えている事業主は多いです。

 

事業をする上でいかに経費削減をするかはとても重要な事です。

 

また事業は「広げていく」よりもどのように「縮小していく」ことのほうが難しいことがあります。

 

代表取締役という肩書きは無くなりますが、昔に比べて、個人のスキルが仕事においては重要視される現代にもなりました。

 

法人から個人にすることは手続き上、もしくは、やるべきこともたくさんある為、ぜひ手間をかけたくない、代行してほしいというご依頼がありましたら、ぜひご相談下さい。

 

会社を休眠させて個人成りをする方法について書いてあります↓

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この記事を書いた人

株式会社トライパートナーズ 代表取締役 山崎友也

当サイト「タックスボイス」運営者です。

相談実績1,000件以上。

税理士紹介のコーディネーターをしています。
日々電車に揺られ西に東に奔走しています。

税理士さんについて知らない社長さまも多く、考え方のギャップを
埋めたい!と思いブログサイトを立ち上げました。

IT、建設業、美容室、飲食店、eBay、せどり、不動産業、エンジニアなど。

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