【体験談part2】トランクルーム経営は儲かるの?運営編
前回の続きです。
前回の記事を読んでいない方はこちら!
まず本業で時間を取られている私にとって自主管理は考えていませんでした。
トランクルームの運営のノウハウもありませんでしたし、どの物件を取得したらいいか?などわからないことも多かった為、はじめからフランチャイズで運営しようと考えました。
運営代行してくれるところをネットで探し始めたのが2013年。
その当時トランクルームをフランチャイズで行なっている会社は数えるほどしかありませんでした。
いえ実際にはネットで大々的に加盟店の募集をしないまでも、管理会社はもっとあったかもしれませんが、おそらくそのほとんどが「地主や不動産オーナー」が相手です。
「使ってない土地やテナントを有効活用するようにトランクールをすすめる」会社は多かったですが、運営できそうな賃貸物件を見つけてきて、運営管理まで行なってくれる会社はさらに絞られてきたのです。
その中でも一つの会社とご縁があり、そこにフランチャイズ加盟したのが、2014年です。
加盟金は高額だったものの、総投資に対しての利回りを考えていたので、あまり気になりませんでした。
加盟金を支払い、物件を紹介され、それから数ヶ月も経たないうちに工事までこぎつけることができました。
契約後、加盟店から紹介された店舗のシミュレーションと競合分析など、多店舗の成功例など、経営してもなるべくリスクのない計画を行なってもらいました。
詳しい事は書けませんが、物件のおおまかな収支計画では以下のようなシミュレーションでした。
初期投資 500万以上
テナント賃料 12万
最大売り上げ 28万以上
10年間の平均実質利回り 24%以上
物件のスペック的にはとてもいいと思い、こちらの店舗で運営することも決めました。
半年以内に損益分岐点を超える計算だった為、半年間の運転資金をうまく賄うことができれば問題ありませんでした。
しかしシミュレーションにいく事は簡単な事ではありませんでした。
【実体験】トランクルームの3つの事実
以下は私が経験した3つの実体験です。
【事実1】パーテーション工事がなかなか進まない!
トランクルームは当然ながら、物件にパーテーションを設置して造作を加えなければなりません。
地面にカーペットを敷き、鍵を設置し、看板を取り付け、セキュリティを整えなければならないのです。
この工事が3ヶ月以上進みませんでした。当初は1ヶ月以内に工事が終わる計画でしたが、工事業者が忙しく、納期が大幅に遅れたのです。
そのぶんの賃料は持ち出しです。
つまり賃料が何もせずに12万が毎月かかってきます。
3ヶ月遅れていることは当然36万の追加資金がかかってきます。
「早く工事を完了してほしい」
しかしこちらでコントロールができませんでした。いたずらに時間が経ってしまったのです。
自主管理であれば、工事業者に直接はっぱをかけることができますが、それができない状況だったのです。
これも全てフランチャイズの意向に沿わなければなりません。
フランチャイズに任せることは、任せるのが楽だし、工事業者の選定、その他諸々、頭をなるべく使わないで手間が省ける点はメリットですが、同時に全ての選択肢を委ねてしまっているデメリットもあります。
教訓
- 想定外のことも視野に入れなければならない
- フランチャイズはあらゆる選択肢を委ねていることを理解しなければならない
【事実2】シミュレーション通りにいかないことが多い
3ヶ月後に工事が完了し、利用者の募集をかけたところ、ポンポンと3人ほど
契約が決まりました。
「トランクルームの需要はありそうだ」
可能性を再確認し、安心しましたが、それから損益分岐点が超えるか超えないかの微妙なラインをしいられるようになりました。
フランチャイズもある程度、他店舗の経験で理想のシミュレーションを完成させましたが、事業は生モノですので、予測できません。
スタートしてから半年で損益分岐点は超えてくるという話でしたが、その後1年経ち、さらにもう1年経過してもなかなか超えてこない。
賃料収入が5万〜9万程を行ったりきたりしていました。
私の場合は家賃12万で借りていましたので、12万以上を賃料収入が超えなければなりません。
マイナスが続けば当然ながら「持ち出し」が発生するということです。投下した資金500万もあるので、早く回収しなければならないという焦りもあります。
それでも体力に余裕があれば、静観してみてもよかったのもかもしれませんが、早く結果を出しかった私には、トランクルームは向いていないと感じました。
教訓
- シミュレーションは悲観的に見る
- トランクルームはコツコツ型のビジネス。2年以上持ち出しが続くこともある
- 早く結果を出したい人には向いていない
【事実3】利用者の短期解約も多い、支払わない利用者もいる
トランクルームは長期利用者がいる一方で、「短期利用」する人も多いということです。
短期利用は短期解約を意味します。
短期利用をする人の特徴は一時的に荷物を置いておきたいという需要です。
つまり引っ越しやリフォームのため、一時的に荷物を保管したいという事です。
リフォームや引っ越しはそれほど長期間かかりません。そのため3ヶ月以内で解約する人も多いのが特徴です。
短期解約者が多ければ、収支は安定しません。こればかりは地域の特性や、各店舗によっても違います。むしろずっと借りている長期的な利用者が多いトランクルームもあります。
そのため一概には言えませんが、短期解約が多いことも視野に入れておかなければなりません。
また利用者が賃料(利用料)を払わないこともあります。
今でこそ保証会社をつける事が多いですが、当時はそこまで体制が整っていませんでした。
特に直接振込のケースは要注意です。
私が運営していた物件では、数人、直接振込の利用者がいましたが、滞納が相次ぐ方がいました。金額的には1万円ほどですが、その人にとってみれば家賃よりも優先順位が低いため、支払わないことがあるのです。
管理物件が増えてきたことにより、フランチャイズ本部もマンパワーが足りず、催促の対応できなくなってきました。そのため、野放しになってしまうことが多いのが現状でした。
ここでもきちんとコミュニケーションが取れるフランチャイズ本部に頼んだ方がいいと思いました。
体制は整っているか?マンパワーは足りているか?管理は十分か。確認することは必要です。
教訓
- 支払ってくれない利用者もいるため、審査はしっかりする
- フランチャイズの体制が整っているか確認する
トランクルーム事業を売却する
2年以上経過しても損益分岐点を大幅にクリアせず、他に事業を開始していた私は店舗の売却を検討しました。
経費が足を引っ張っていた為、ボディブローのようにマイナスが重くなってしまったのです。
しかしそのころはトランクルームに投資をしたい人が列をなしているという状況でした。
フランチャイズ本部に話をして、ちょうどいいタイミングで他の投資家さんに売却することができました。
市場に出していない為、本部の意向に沿う形でしたが、収支トントンくらいで売却することができました。
もしかしたら、自分で市場に出したら、もっと高値で売れたかもしれません。しかし選択肢を委ねていたため、それができなかったのも事実です。
【まとめ】トランクルームはメリットもあるがデメリットももちろんある
今回実際体験したトランクルーム経営についてお話ししました。
トランクルーム経営は投資としては優秀とされてきましたが、デメリットも当然あります。
また今回は自主管理ではなかったため、色々制限があったことも事実です。
ただ色々策を練って尽力してくれた本部には感謝しています。
トランクルーム経営は地域性がとても絡みます。これは不動産にも言えることかと思いますが、全く知らない地域でやるのはリスクです(私は全く知らない地域で運営でした笑)
もし運営するのでしたらやはりある程度予測がつく地域、ゆかりのある地域の方がベストです。
こちら教訓のまとめです。
教訓まとめ
- 想定外のことも視野に入れなければならない
- フランチャイズという形態はあらゆる選択肢を委ねていることを理解しなければならない
- シミュレーションは悲観的に見る
- トランクルームはコツコツ型のビジネス。2年以上持ち出しが続くこともある
- 早く結果を出したい人には向いていない
- 支払ってくれない利用者もいるため、審査はしっかりする
- フランチャイズの体制が整っているか確認する
また私が経験したトランクルームについての真実です。
トランクルームの真実
●儲かるか?→店舗によって一概には言えないが、結果が出ているところと出ていないところ2極化している。持ち出し期間が長くマイナス覚悟。
●月々のランニングコストの内訳は?→テナント賃借料、フランチャイズへの管理料、(テナントの)水道光熱費、口座振替にする場合は振込手数料、セキュリティ費、広告宣伝費など
●初期投資の内訳は?→FC加盟金、パーテーション設置費、看板電気設備費、内装費、火災保険、セキュリティ費、広告宣伝費、物件の仲介手数料、保証金など
●フランチャイズがいいか、自主管理がいいか→一概には言えないが、何もかも任せたい人はフランチャイズ、自分でどうにかしたい人は自主管理。最近ではフランチャイズでもいい会社ができているのが事実。
以上の教訓を踏まえてぜひ参考にしていただければ幸いです。