【会社を複数作る】会社経営で複数法人を持つことは意味があるの?
今回は複数会社をもつメリットについてお話ししたいと思います。
知り合いの会社が何個も会社を持っているけど、何か複数持っていることで得しているのかな?と感じている人も多いのではないでしょうか。
確かに〇〇建設株式会社という屋号を持っていると思ったら、他にも〇〇不動産会社や、〇〇解体会社も持っていたなど。業種ごとに分けているところも少なくありません。
今回は複数会社を持つことのメリット、デメリットについてお話ししていきたいと思います。
会社を複数作るメリット
新しく会社を作ってから2年間、消費税が免除になる!
まず消費税の優遇措置の観点からです。
新しく、資本金1000万未満の会社を作ると、その会社は2期に渡って消費税がかからないというメリットがあります。
新しく作った会社で売り上げを受注すれば、消費税の面で言えば2年間は得、ということです。
税金上、とても負担の大きいのが消費税ですが、これが免除になるのは、かなりメリットのある特典です。
会社の事業規模にもよりますが、場合によっては、数百万単位で消費税を払わなくてもいい会社も出てくると思います。
短期的ではありますが、別法人を作るメリットは出てきます。
軽減税率を存分に活かせる!
2つ面は利益分散の観点です。
複数法人を作る方は、この日本の税金制度をきちんと把握しているなと感じます。
軽減税率とは、法人の課税所得に対してかかるものです。
これは累進課税のため、課税所得が多ければ大きいほど、税金を支払う仕組みになっています。中小企業の場合、課税所得が800万未満であるならば、法人税の減税率が適用になります。
法人税は、
800万までは19%
800万を超える額に対しては23.2%
税金がかかります。【平成30年4月1日以降】
法人事業税に関して言えば、
400万までは5%
400万〜800万以下は7.3%
800万を超える部分に関しては9.6%
そのため、2つの会社に分けて、利益を分散することで最低税率に抑えられることができます。(上記は東京都の法人事業税)
所得が大幅に出過ぎる会社が、節税会社を作って利益分散するのはとても理にかなったことだと言えます。
交際費800万まで全額経費にできる!
中小企業は交際費が800万までが全額経費にできます。
もし既存の会社で1600万を交際費で使っていたら、800万は経費扱いになりますが、残りの800万は経費になりません。
しかしもう一個会社を作って、うまく交際費を分けることができれば、800万×2社分で1600万を全額交際費として扱えます。
特に建設会社や不動産会社など、お金を大きく動かす仕事や、付き合いの多い業種は、交際費800万の上限を使って、会社を分けているところも多くあります。
事業リスクを分散できる!
何のリスクというと、会社の事業リスクです。
例えば、建設会社が下請けの重大な過失により、ダメージを与えられてしまった場合、一つの会社に一点集中でその損害を被る事になれば、会社全体に影響が出てしまいます。
しかし、もう一つ会社があれば、リスクを分散でき、広がりを最小限に抑えることができます。
最悪、その会社を手放すことで解決できることもあるかもしれません。
このご時世、何の事業リスクが潜んでいるか分かりませんので、このように別法人設立により、リスクを分散しているところは多くあります。
優秀な社員を独立させることもできる!
社長の大事に育てた社員を、独立させて自分の会社を持たすことで、独り立ちさせることができます。
自分が取締役になることで、お互い会社を成長させることができますし、取引を行うことで、双方メリットのある形で、うまく会社を伸ばすこともできます。
また「独立ができる」ことも謳うことができれば、採用面でも優秀な社員を獲得できる可能性が高くなりますし、会社や社長のブランディングにもつなげることもできます。
会社を複数作るデメリット
次に会社を複数作るデメリットについて見ていきます。
経理作業が2倍かかる!
会社が分かれているということは、その分、経理作業が2倍かかることを確認しておかなければなりません。
それぞれ経費を分ける必要がありますし、書類の整理に倍かかり、処理が煩雑になる可能性があります。
また決算を別で行わなければならない為、税理士の顧問料や、決算費用も2倍かかることも考えなければなりません。
税務調査の可能性も上がる!
会社を運営していれば、税務調査が入ることはもちろん考えられますが、その回数も2倍になることはデメリットです。
税務調査では会社間でのお金の動きや関連会社との兼ね合いも細かく見られます。
【まとめ】きちんとしたサポートをしてもらい適切な判断をする!
今回は法人を複数作るメリットデメリットについてお話ししました。
税金上の観点、事業メリットの観点から見て、新しく法人を立ち上げてもいいのか悪いのかは、ケースバイケースの為、売り上げや税金面など現状をしっかり見ていかなければなりません。
しかしきちんと、会社にとって何が有益かをアドバイスをしてもらえる税理士がいなければ、判断に困ってしまいます。
節税対策や会社設立をサポートしてくれる税理士をお探しでしたらぜひ一度ご相談ください。