ネットショップ(ECサイト)に強い税理士とは?【税理士選びのコツ】
ネットショップは実店舗を持たなくても、商品の発送など取引ができる環境を整えることで開業することができます。
しかし、ビジネスに変わりないため税金の問題はネットショップでも変わらず、ついて回ります。
ネットショップを運営する上で、なるべく節税したいと思ったことはないでしょうか?
しかし税金に関する専門的な知識がなければ、ネットショップであっても実店舗運営であっても上手く節税できないケースもあります。
また「知らない」ことによる申告漏れや、ネットならではの「海外を相手にした取引」においても、様々な注意が必要となります。
今回はネットショップを運営する上で知っておくべき税金のお話をしていきたいと思います。
【確認】ネットショップ運営で気を付けたいこと!
実店舗営業と違い、ネットショップ運営は「節税する箇所が少ない」と思っている人もいますが、実はそうでもありません。
ネットショップでも発生する仕入れ経費、発送料、さらには梱包費やネットショップ運営に必要となる全ての備品も必要経費として計上することが可能です。
ネットショップ運営の必要経費
●仕入れ経費
●発送料
●梱包費など
これら領収書も大切に残し、確実な節税対策をしていきたいところ。
ただ、こうした必要経費を計上するなど税金に関わるところを全て一人で担当するとなると、時間も労力も相当割かれます。
これも必要な経費だと認識した上で、税理士をつけてお願いするのも一つの手段です。
特にネットショップに強い税理士、弱い税理士といますので、強い税理士をつけることでより専門的な知識をもって節税や税金対策などの相談に乗ってもらうことが可能です。
運営するうえでのアドバイスをくれるような、ネットショップに対する知識と経験が豊富な税理士を探してみましょう。
ネットショップならではの税金トラブル
インターネットは言うまでもなく全世界と繋がっています。よって、日本国内のみならず海外との取引をするケースも発生します。
海外取引をする場合、注意すべき点は何といっても税金の問題です。
海外との取引が発生すると、日本の税金とは異なる国際課税に対応しなければなりません。
この国際課税と内容は取引をする国によって異なり、専門的な知識を有さない人が管理することは困難です。
そのうえ、売上金のトラブルのように妥協できるような内容ではなく、税金という避けられない仕組みですので失敗することもできません。
専門的な知識を有する税理士、それもネットショップや海外取引に強い税理士に顧問をしてもらえれば、これらの心配は解消できます。
またこれら税金のことを調べるばかりで時間を消費するわけにはいかず、当然ネットショップそのものの運営にも時間を当てなければなりません。
海外との取引が発生するなら、国際課税に強い税理士をつけることで業務に大きな支障も生じず、ビジネスに集中できるのでオススメです。
その他、海外取引の注意点は?
ネットショップで世界を相手に取引するなど、ビジネスの幅は広がりを見せています。
またこちらの意図するところでなくても、海外からショップを利用するケースが発生する場合もあります。
どういったケースでも、日本国外との取引には様々な金銭的トラブルが発生しやすいため注意が必要です。
問題ないと思っていても、税金のトラブルに発展するといったことを未然に防ぐ意味でも、税理士への相談は必須と考えられます。
(よほど、海外取引に対する深い知識を有している場合は別ですが、多くの場合は税の専門家の方が知識量も豊富で安心できます。)
関税について
例えば関税ですが、商品の到着する場所が日本ではなく海外だった場合、届いた国で発生する税金のことを関税と呼びます。
この関税は国や品物、生産地など様々な条件の元で税率や課税の有無が異なり、「物品税」や「付加価値税」といった税金が別途発生する可能性があるなど、税金の仕組みを一概に把握することは困難です。
知っておくべき注意点として、日本国内で運営するネットショップの商品を海外に届けた場合、国内の売買なら必ず発生する消費税が発生しないので、そういった誤案内をしないよう気を付けなければなりません。
消費税の代わりに関税を負担していただくといった具合に、国内販売とは異なる税金のルールがあります。
関税が支払われなかった場合
荷物を受け取った側が基本的には関税を支払う必要があるのですが、もしこの関税を納めなかった場合はどうなるのでしょう。
その場合は商品がショップ側に返送されてきます。
お客様は商品を受け取れませんので、予めお客様側にしっかりと別途関税が発生することを説明しておく必要があります。
運送料に追加料金として現地関税を荷主が負担する仕組みなどもあるため、必要に応じて利用することになる場面もあります。
海外取引に必要なもの
商品を海外に向けて発送する、国際輸送するといった「日本国内で消費が生じないもの」には消費税がかかりません。
代わりに関税が発生するのは先述の通りですが、税金の仕組みはそう簡単ではありません。
輸出時に消費税が発生しない仕組みを「輸出免税」と呼びますが、輸出免税を受けるには取引区分の証明などが必要となります。
具体的には荷物発送の貨物内容明細書の控えがあれば、輸出取引を証明できる、といった具合に輸出取引等の証明が別途必要となることも覚えておかなければなりません。
輸出に許可が必要な場合は「輸出許可証」、サービスを提供する時には契約書といった、区分に応じた証明書が必要で、逆に証明書が用意できない場合には海外取引で免税できないので注意が必要です。
課税仕入れとは?
輸出する場合は証明書などがあれば輸出免税できますが、課税仕入れには消費税や地方消費税が含まれることになります。
これは商品の棚卸資産の購入代金だけでなく、輸出取引のために必要となる事務用品、交際費、広告宣伝費など諸経費も含んで計算されるため、申告には注意が必要となります。
仕入れ税額の控除といった仕組みも把握していなければ、申告漏れが生じる恐れもあるため、税理士への相談をすることが肝要です。
まとめ
税金の話は頭が痛くなってきそうですが、取引をする上でどうしても知っておくべきことです。
しかし全てを把握する、全てを理解するのは困難で、税金の勉強ばかりに時間を割くことも当然できません。
そこで税金については税金のプロにお任せする、という方法を推奨しています。
ただ「税理士に頼むだけ」ではなく、しっかりと「ネットショップに強い税理士に頼む」ことが大切ですので気を付けてください。
税金について詳しくても、ネットショップに対する知識がそれほど深くなければ、いざという時に適切なアドバイスを受けることができない場合もあります。
料金を支払って顧問契約してもらうのであれば、日頃からネットショップ運営にアドバイスをしてくれるような税理士にお願いするほうがいいに決まっています。
日本にいるだけでは知ることのない海外の税金の仕組みも、多様化するネットショップの在り方を知るうえで正しく理解し、そして適切に対応していく必要性が今、強く求められています。