【税制優遇】エンジェル税制ってなに?簡単に受けられるの?
「ベンチャー企業」と「投資家」の双方ともメリットを得られるとして、注目されているエンジェル税制があります。
その名前こそ知られていますが、活用まで至らないケースが多々あります。
その理由は、専門的な知識を持っていなければ、対応しづらい要件が少なくないためです。
以下ではエンジェル税制の魅力と要件について再確認していきます。
今注目のエンジェル税制とは?
エンジェル税制はスタートしてから、もう10年近くが経過しています。
ベンチャー企業への投資の促進を目的とした税の優遇制度であり、ベンチャー企業と投資家のどちらもメリットが得られます。
簡単に仕組みを述べると、ベンチャー企業が経済産業省への申請を行い、制度の対象と認められる必要があります。
そこで対象と認められたベンチャー企業へ投資した投資家は、投資したベンチャー企業から必要書類を受け取ります。
確定申告時にその書類を添付するだけで、投資時点と株式売却時点の2つのタイミングで生じる税金について優遇措置を受けられます。
●エンジェル投資はベンチャー企業と投資家 双方にメリットがある!
●優遇措置は、投資時点と株式売却時点 2つのタイミングで受けられる!
投資時点で得られる優遇措置は、2つのパターンがあり、いずれか一方を選択します。
ベンチャー企業へ投資した金額から2000円を差し引いた金額を、その年の総所得金額から控除するか、その年度の他の株式の売買利益から、ベンチャー企業へ投資した全額を控除するか、の2パターンがあります。
株式売却時点で得られる優遇措置は、投資家が上場前のベンチャー企業株式を売却して損失が出た場合や、上場できずに破産または解散して、株式が無価値になってしまった場合は、向こう3年間にわたり、その年度の株式売買益と相殺することができます。
いずれも細かな要件が他に設けられているので、詳しくは確認してみてください。
エンジェル税制を利用するメリットとは?
エンジェル税制は優遇措置が設けられています。
投資家にとってより投資に前向きになりやすい環境を創出します。
加えて、ベンチャー企業を対象とした投資であっても、経済産業省に申請を行い、事業について評価されたベンチャー企業だけがエンジェル税制の対象となっています。
そのため投資家にとって安心できる投資先として映りやすくなります。
魅力あるエンジェル税制は要件が複雑!
エンジェル税制が適用されるためには、ベンチャー企業が経済産業省に申請して、対象企業であるとの認定を受けなければなりません。
個人投資家にも優遇措置を受けるための要件が設けられています。
金銭の支払いにより、対象企業の株式を取得している必要があり、他人からの譲渡株式などは対象とならないほか、同族会社に関連する持ち株比率の割合も関わってきます。
加えて、エンジェル税制の適用を受けるには、「直接投資」「証券会社経由での投資」「認定投資事業有限責任組合経由での投資」のいずれかの方法で、投資されている必要があります。
そのため、優遇措置の適用可否の判断基準もそれぞれによって異なりますので、わかりやすいとはいいづらいのが実際のところです。
確定申告することで完了するが、複雑な事も多い
個人投資家が確定申告を終えることで、エンジェル税制に絡む一連の手続きが終わります。
しかし慣れない作業だけに、自分でやるにはどうしても負担が大きくなってしまいます。
税務署でも相談コーナーが設けられており、いろいろと質問に応えてもらうことはできますが、あくまでアドバイスのみに終始します。
そのため添付書類の用意などは自分でやらなくてはなりません。
例えば、エンジェル税制の確定申告には投資したベンチャー企業から必要書類を受け取らなくてはなりませんが、いざ受け取ったとして、その書類で本当に正しいのかどうかさえ、なかなか判断できません。
そのようなときに税理士がそばにいてくれれば、きっと心強い味方となってくれるでしょう。
エンジェル税制を利用するには、税理士をつけるのがおススメ!
基本的に多額の取引を日頃から行うような場合には、税理士をつけておくに越したことはありません。
特に投資は、その投資先によって適用される税制が異なり、受けられる優遇措置も違ってくるため、一つひとつ調べるのも至難の業です。
今回ご紹介したエンジェル税制の場合には、ベンチャー企業も個人投資家も適用可否の判断を受けなくてはならず、いざ適用されることになったとしても、自分にとって、どの優遇措置を受けることがもっとも得であるのかも判断しづらいものです。
加えて、それぞれの適用には細かな要件が設けられており、それらもクリアしなければならなりません。
そのため、かなりの時間と手間が要されるだろうことは、イメージに容易いのではないでしょうか。
このような難解な税制だからこそ、税のプロである税理士に依頼する以外に、より良い選択肢は存在しません。
大切なお金に関わることなので、確かな知識を持って、確実な手続きをしておいたほうが中長期的に診た場合にもプラスに作用するでしょう。